やさしい眼科のお話2012

やさしい眼科のお話(85)

国際こどもの本の日(眼科学校検診) 24/04/02


やさしい眼科のお話(86)

国際赤十字デー(お子さんの眼鏡) 24/05/08


やさしい眼科のお話(87)

虫歯予防デー(目の検診の勧め) 24/06/04


やさしい眼科のお話(88)

1年の折り返しの日(黄斑) 24/07/02


やさしい眼科のお話(89)

ハムの日(CL) 24/08/06


やさしい眼科のお話(90)

ホームラン記念日(老眼) 24/09/03


やさしい眼科のお話(91)

目とめがねの旬間(検診のススメ) 24/10/01


やさしい眼科のお話(92)

読書週間(ドライアイ) 24/11/05


やさしい眼科のお話(93)

カレンダーの日(自己チェック) 24/12/03


やさしい眼科のお話(94)

ななくさ(癖) 25/01/07


やさしい眼科のお話(95)

立春(ものもらい) 25/02/04


やさしい眼科のお話(96)

ミシンの日(無縫合手術) 25/03/04

やさしい眼科のお話(85)国際こどもの本の日

 4月2日は国際こどもの本の日です。国際児童図書評議会の創設者、イエラ・レップマンの提唱により、国際児童図書評議会が1966年に制定しました。また今日は、デンマークの童話作家・アンデルセンの誕生日でもあります。こどもたちには、夢のある楽しい本をたくさん読んでもらいたいと思います。
 4月は、入学・進級があり、この春から新しい生活が始まる方も多いのではないかと思います。新しい環境に早く慣れ、春のお天気のように爽やかに過ごせることをお祈りいたします。
 学校では春の眼科健診がありますね。小学校の中学年から中学・高校と、視力の下がる人が増えています。この場合近視だと思われがちですが、中には逆に遠視であったり、かくされた目の病気のために視力が下がる場合もあります。特にお子さんの場合は、ピントを合わせる調節力が強いので、いわゆる仮性近視になっている場合もあります。お子さんの視力低下の原因を調べる検査として、調節麻痺剤の点眼薬を使う検査があります。この目薬をさして検査を行うと、近視・遠視・乱視の正確な度数を知ることができ、また同時に精密眼底検査も行うことができますので、目に病気がかくされていないかも調べられます。
 学校健診で「要再検査」の用紙をもらったら、やはり一度眼科での検査をお受けください。学校からもらった用紙も持参いただき、結果を記入させていただきます。


やさしい眼科のお話(86)国際赤十字デー

 5月8日は赤十字の創設者、アンリ・デュナンの1828年の誕生日であることから、1948年にストックホルムで開催された第20回赤十字社連盟理事会で国際赤十字デーに決定されたとのことです。
 5月になりますと、春の眼科学校健診の結果がそろそろ出始めていることと思います。「要再検査」の用紙をもらったら、そのままにせずに是非眼科を受診してください。
 眼科を受診した結果は、どうだったでしょうか。仮性近視で点眼治療を受けた方もいるでしょうし、眼鏡が必要と言われて、ショックを受けた方もいるのではないでしょうか。
 眼鏡が必要と言われた親御さん、お子さんの眼鏡がどうして必要か、納得されていますか?一言で子供さんの眼鏡、と言いましても、近視が進んでしまったので見えやすくするための眼鏡と、遠視・乱視の眼鏡では、その意味合い、必要性が違うのです。特に小さいお子さんで、遠視または乱視のための眼鏡が必要と言われた場合は、視力、視機能の発達のために必要なものなのです。親御さんが納得の上で、お子さんが眼鏡に早く慣れるように見守ってあげてください。


やさしい眼科のお話(87)虫歯予防デー

 6月4日は虫歯予防デーですね。6月4日を「むし」と読ませることによって、歯に対する注意を喚起するという歯科医師会の素晴らしい発想によって、すっかり国民全体に浸透していると思われます。このほかにも語呂合わせで3月3日の耳の日、8月7日の鼻の日というのもありますね。
 さて、眼科の記念日としましては、10.10を横にすると眉毛と目のように見えるから10月10日が選ばれたといわれる「目の愛護デー」があります。以前の体育の日の印象が強いためか、あまり浸透していないような気がします。
 目には、自覚症状がなかなか出てこない病気が多くあります。例えば、緑内障は40才以上の17人に一人という頻度の高い病気ですが、気づいた時には病気が進行していることが多いのです。何となく目に疲れを感じる年代とも一致していますが、単なる疲れ目と自己判断せずに、自覚症状の少ない緑内障から目を守るために、是非目の健診をお勧めいたします。
 ご自分の誕生日、目の愛護デーなど、年に1回の目の健診がお勧めです。


やさしい眼科のお話(88)1年の折り返しの日

 本日、7月2日は1年のちょうど真ん中にあたる日なんですって、知ってました?今年は閏年ですので、午前0時がちょうど1年の真ん中の時間となるそうです。
 1年の真ん中の日は大して重要な日ではありませんが、視界の真ん中は最も重要な場所です。目の奥には網膜と呼ばれる神経の膜があり、カメラのフィルムにあたります。カメラのフィルムとは違って、網膜は場所によって感度が異なっており、網膜の一番真ん中の黄斑という場所が一番感度の高い場所なのです。黄斑でものの形、大きさ、色などの情報の大半を識別していると言えます。黄斑に病気が起こりますと、見ようとする真ん中が見えづらくなり、歪んだり、暗くなったり、小さく見えたりするのです。
 片方の目に病気が起きても、両方の目で見ているので、気がつかないことがあります。時々片目を隠して、異常がないかの自己チェックをお勧めします。


やさしい眼科のお話(89)ハムの日

 8月6日はもちろん広島平和記念日ですが、その他にハムの日にも制定されています。日本ハム・ソーセージ工業協同組合は8(ハ)6(ム)の語呂合わせから、制定したとのことです。
 北海道にもプロ野球のファイターズ、Jリーグのコンサドーレがあり、すっかり地元のプロスポーツとして定着した感があります。
 夏休み真っ盛り、夏休みの間にクラブ活動に力を入れている子どもさんたちも多いのではないかと思います。スポーツをするに当たって、眼鏡からコンタクトレンズに変えてあげたい、と考える親御さんもいらっしゃるかと思います。
 「何歳からコンタクトレンズが使えますか?」という質問も受けますが、子どもさん本人にしっかりとコンタクトレンズの利点と欠点を理解していただき、毎日の擦り洗い、装用時間の厳守、眼鏡との併用という大切な取り扱いの基本を守ることができるのであれば、使用することは可能だと考えております。しかし、やはりコンタクトレンズは目に少なからず負担をかけますので、使い始める時期は遅いにこしたことはないと思っています。


やさしい眼科のお話(90)ホームラン記念日

 1977年9月3日、後楽園球場で巨人の王貞治選手が通算756号ホームランを打ち、それまでアメリカ大リーグのハンク・アーロンが持っていた世界最高記録を更新。2日後の9月5日に、政府は初の国民栄誉賞を贈り、その栄誉を讃えました。王選手は引退までに868本のホームランを打ちました。
 夏の暑さが一息ついて、北海道は一気に秋に向かって季節が駆け足を始めてしまいますね。秋は、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋…と色々なことに集中できる、とても良い季節なのではないでしょうか。
 秋の夜長、ゆっくり読書と決めこんで… 「蛍光灯が暗いのかな、本が読みにくいぞ」「あれ、変だな。腕をのばしたほうが見やすいぞ」と感じたことはありませんか?そうだとすると、それはきっと老眼の始まりです。
 老眼は、目の中でピント合わせの役目をしている水晶体というレンズが段々と弾力性を失うことによって、近くにピントが合わせにくくなることが原因で起こります。これは加齢に伴う生理現象ですので、防ぐことはできないと考えられています。
 老眼が気になりはじめる時期は、緑内障が増えてくる年代でもあります。「たかが老眼」とたかをくくらずに、眼科で検診をお受け下さい。


やさしい眼科のお話(91)目とメガネの旬間

 今日から10月。もう完全に秋ですねえ。秋と言えば…食欲の秋、読書の秋、体育の秋、芸術の秋、アンジェラアキ…色々ありますが、皆さんにとっては、何の秋でしょうか。
 今日1日から10日までは「目とメガネの旬間」です。1日の「メガネの日」から10日の「目の愛護デー」までの10日間です。
日本眼鏡関連団体協議会は、メガネ愛用者の方がたに感謝の気持ちを表すために、毎年10月1日を「メガネの日」として平成9年に制定したとのことです。10月1日は 「1001」と表記することができ、両端の 「1」が メガネのツル、内側の「0」がレンズに見立てられ、メガネの形を表していることから、この日を「メガネの日」としたとのことです。
 そしてご存知10月10日は「10.10」を横にすると眉毛と目のように見えるから「目の愛護デー」になりました。
 大切な目です。自覚症状がなくても、年に1回、目の健診をお勧め致します。目の健診をこの「目とメガネの旬間」に決めておくというのも忘れなくて良い方法だと思います。


やさしい眼科のお話(92)読書週間

 秋も深まり、日が暮れるのも早くなり読書の秋の季節です。10月27日から11月9日までの2週間は、読書を推進する行事が集中して行われる読書週間です。
 この季節は空気も乾燥し、目も乾く感じになることがあります。ドライアイは涙の量の減少や涙の質の変化で、目の表面の角膜や結膜に障害が起きた状態のことです。
 ドライアイという病名から目が乾く感じがすると考えられがちですが、目の表面の乾きによる症状は多彩で、目が疲れる、目が重い、目がショボショボ・ゴロゴロする、充血する、痒い、痛い、視力が下がった、まぶしい、目やにが出る・・・など、他の病気でも見られる症状が目白押しです。そこで視力検査など眼科一般検査を一通り行い、ドライアイが疑われた場合には、涙の検査になります。
 ドライアイの患者さんは、およそ800万人と言われています。初期症状はとてもあいまいで、何となく目が疲れやすいという感じで、ご自分では気づきにくいこともあります。気になる方は、ドライアイの検査をお勧めします。


やさしい眼科のお話(93)カレンダーの日

 12月3日はカレンダーの日です。全国団扇扇子カレンダー協議会が1987年に制定しました。明治5年12月3日(旧暦)が太陽暦の採用によって明治6(1873)年1月1日となったことから、12月3日が選ばれています。
 師走に入り、来年のカレンダーを準備する時期になりました。色々なデザインのカレンダーがありますが、日付が大きく、格子状に書かれているものが、目のチェックに便利なことをご存知ですか。
 同じ場所に掲げているカレンダーを、いつも同じ距離から見ることによって、見え方のチェックをしてみてください。片方の目に病気が起きても、両目で見ると気づかないこともあります。時々片目を隠して、問題がないか、自己チェックをお勧めします。
 黄斑と呼ばれる場所が、目の一番奥にあります。目の奥には網膜と呼ばれる神経の膜があり、カメラに例えますと、フィルムにあたります。カメラのフィルムと違って網膜は場所によって感度が違っているのですが、黄斑は網膜の一番まん中にあり、一番感度の高い場所なのです。
 黄斑に病気が生じますと、見ようとする中心部分が見えづらくなり、歪んで見えたり、小さく見えたり、まん中が暗くなったりという症状が起きます。カレンダーの格子が歪んでいたら黄斑の病気が疑われます。眼科での検診をお勧めします。


やさしい眼科のお話(94)ななくさ

 「新年 明けましておめでとうございます。今年も やさしい眼科のお話で、眼科に関連した目のお話を優しく易しくお届け致しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。今年も皆さんの目が健康で、明るい一年でありますことをお祈り申し上げます。」 
 年が明けたのがつい先日と思っていましたら、楽しい時間は過ぎるのが、早く感じます。もう今日は7日。七草粥ですね。「せり、なずな、ごきょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七種(ななくさ)」クイズで良く出題されますが、なかなか憶えられないのは、私だけ…。
 七種(ななくさ)とは関係ありませんが、「なくて七癖」ということわざがあります。誰にでも多かれ少なかれ癖はあるということですが、癖と思っていたことが、意外と病気の症状ということもあります。例えば、よく目を擦る癖、と思っていたら、瞼が内側に入り込んでいる内反症だったり、外に出たら片目をつぶる癖、と思っていたら、間歇性外斜視だったり、ということもあるのです。気になることがありましたら、是非眼科でご相談ください。


やさしい眼科のお話(95)立春

 今日は立春、昨日は節分でしたね。立春は旧暦の新年に当たり、節分は旧暦でいう大晦日のことなんですね。節分と言えば、定番は豆まきですが、最近ではすっかり恵方巻も定着した感があります。恵方巻きは「節分の夜にその年の恵方を向いて食べると、その年必ず幸運が訪れる(その年の厄落としになる)」と言われているそうです。
 皆さん、昨夜は豆まきしましたか。
 豆の話ではないのですが、瞼の出来物のお話を。
 瞼にしこりができたり、赤く腫れてきたりしたことはありませんか?北海道では、「ものもらい」ということが多いようです。「ものもらい」と呼ばれているのは、麦粒腫もしくは霰粒腫という病気で、豆ほど大きいものではなく、麦の粒のようなとか、霰の粒のような大きさから病名が付けられています。瞼や睫毛の付け根にある分泌腺に生じた細菌感染や炎症です。点眼薬で治まることが多いですから、是非眼科でご相談ください。


やさしい眼科のお話(96)ミシンの日

 3月4日はミシンの日です。イギリスのトーマス・セイントが世界で初めてミシンの特許を取得したのは1790(寛政2)年だそうです。1990(平成2)年に、ミシン発明200年を記念して日本家庭用ミシン工業会(現在は日本縫製機械工業会)が制定しました。これも「ミ(3)シ(4)ン」の語呂合せからきています。ちなみに「ミシン」という名前は、 sawing machine(裁縫機械)のmachineがなまったものですって。
 ミシンの日から、眼科の話にもってくるには、ちょっと無理があるかもしれませんが、近年の眼科手術は大きく進歩し、縫わない手術が増えて来ています。
 眼科で最も多く行われているのは白内障手術ですが、20年前までは約1センチの傷口から白内障を取り出していました。そのため、傷口はしっかりと縫わなければいけませんでした。ところが、現在では超音波で白内障を砕いて吸い出しますので、手術の傷口はおよそ3ミリになっています。傷口が小さいため、縫わない手術:無縫合手術が可能になりました。傷口が小さいことで、日帰り手術でも行えるようになり、患者さんの負担も軽減されています。