2008.2.14北海道新聞 

ドクター訪問

 

2007.3.20 北海道百科 Vol.12 

よい医者を選ぶ

 

2006.3.10 日本医療企画  

ホスピタウン

 

2004.9.24 北海道医療新聞

診療所拝見

 

1997.11.20 ラジオたんぱ 

参天眼科ゼミナールに画像診断シリーズ37

「網膜厚測定装置の基礎」


北海道新聞 ドクター訪問

北海道新聞 ドクター訪問

 

北海道新聞の上川版の「ドクター訪問」で当クリニックが紹介されました。2月14日のバレンタインデーの朝刊に掲載され、素敵なプレゼントをいただいた気持ちでした。患者さんからも「見ましたよ」「載ってましたね」とお声をかけていただき、さすが道新、精読率が高いことを再認識させていただきました。おおしま内科の大島先生がご紹介下さったとのことで、北海道新聞の記者 五十嵐知彦さんが12日にいらっしゃって、取材を受けました。そして14日に掲載されていますので、さすが道新、仕事が速いですね。新聞に載せていただけるなんて、小学生の時に学校で描いた母の日の、母の似顔絵以来の快挙ですので、紹介させてください

 

白内障 一度受診を

目の水晶体が白く濁り視力が落ちる「白内障」の手術を年間約二百二十件手がける。超音波装置での手術は、目の上部をわずか三ミリ切るだけ。目への負担が従来より少ないといい、手術は日帰りが多い。「日常のリズムを崩さす手術を受けられるのが魅力です」白内障は老化現象の一つで、多くの患者は六十歳代以上。「車を運転する方の場合、視力が0・七以下になったら、一度受診を」とすすめる。

 帯広市出身で旭川医大卒。士別市立病院などを経て、二〇〇三年七月に同クリニックを開設した。待ち時間をなくすため、電子メールや電話での診療予約のほか、電子カルテも導入している。(五十嵐 知彦)


北海道百科 Vol.12

2007320日 北海道新聞社の北海道百科 Vol.12 に当クリニックが掲載されました

 

日帰り手術徐々に増加

 

 「こんな優しい眼科クリニックがあったらいいな」と思いを実現させるため、20037月、旭川市曙にクリニックを開きました。常に「患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子どもだったら」と考え、診察するようにと心がけています。そのスタンスは医師を目指した時から、「自分はどんな医者になりたいのか。自分はどんな医者にかかりたいのか」を自問して、たどりついた答えだと思います。

 旭川医大を卒業後、眼科を専攻し、大学病院、総合病院で研修、診療し、その後ハーバード大学スケペンス眼研究所に留学。網膜疾患の臨床研究にも従事する機会を得ました。

 もともと眼科を専攻した理由として、自分で検査し診断ができ、顕微鏡手術という精緻な方法で患者さんの視覚を守ることができるという自己完結性と、開眼した時の患者さんの喜んだ顔が見られることの二つがありました。

 大学病院、総合病院での15年の勤務医生活では、白内障手術を中心に、眼瞼手術、流涙症、ドライアイ、眼感染症、緑内障、網膜硝子体疾患、小児眼科(斜視・弱視)、コンタクトレンズ診療などに携わり、眼科専門医としての腕を磨いてきたつもりです。勤務医生活で体得した医学技術を、時間的にある程度ゆとりのある中で、わかりやすく優しく患者さんに提案し、納得して帰っていただけるような医療をしたい、という気持ちがつのり、開業へと心が傾きました。開業地は眼科医としての私を育ててくれた旭川です。患者さんの立場にたって患者さんが望む医療とサービスのあり方を深く掘り下げ、自分のこれまでやってきたことを信じながら、精一杯取り組んでいこうと考えました。

 開業にあたり、積極的に取り組もうと考えたのが「日帰り白内障手術」です。開業当時、旭川では2つの眼科クリニックで取り入れられているだけでした。日常生活のリズムをくずさず、日帰り手術は早期に職場復帰したいという人に向いています。

 当クリニックにて白内障手術を受ける患者さんは徐々に増え、開業3年半を迎えた今年1月には650件目の執刀をさせていただきました。両眼の手術を受けてくださった方が210人いらしたので440人の目をあずからせていただいたことになります。先日は大学病院の研修医だった時に白内障手術を執刀させていただいた方の息子さんが、私のことを憶えていてくれ、白内障手術を希望してくれ、大変感激しました。

 当クリニックは無床診療所なので手術後に入院してもらうことができません。全身疾患のある方や、白内障が進行し小さい傷口からの手術が難しいと判断した場合には、入院して手術が受けられる施設に紹介させてもらっています。

 白内障にかぎらず、当クリニックは「目のかかりつけ医」になることを目指しています。目に関して何か心配なことがあれば、まず受診していただき、当クリニックで対処できないようなら、速やかに大学病院、総合病院に紹介。そして、その後のフォローはまた当クリニックで行う、という体制を整えております。昨年1年間で他院での診療を依頼して、紹介状を書いた患者さんは101人いました。このうち、入院白内障手術の依頼が26名、網膜硝子体疾患25人などでした。

 患者さんから気軽に相談してもらえる医者を目指し、開院と同時に情報発信をしています。患者さんにぜひ知らせたい情報を載せたホームページを作り、平日は毎日更新しています。メール相談も受け付けています。また毎月初めには「優しい眼科通信」を発行しており、受診してくださった患者さんに配っています。

 開業時の初心を忘れずに、どの患者さんも常に初診と考え、「優しい眼科」とみなさんに認めてもらえるよう、日々精進しています。


日本医療企画発行ホスピタウン

20063月 日本医療企画発行の「ホスピタウン」に紹介が掲載されました。

 

こんの優眼科クリニック

待ち時間短縮や遅い時間の診療にも対応

 

 白内障日帰り手術、緑内障治療、ドライアイ治療、コンタクトレンズ診療に積極的に取り組んでいる、こんの優眼科クリニック。「患者さんに優しい眼科」をモットーに、常に「患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子どもだったら」という想いをスタッフ全員が持ちながら、笑顔で対応することを心がけている。

 電子カルテを導入し、待ち時間短縮に努めるほか、平日は19時、土曜日も15時まで診療する心配りも嬉しい。


北海道医療新聞「診療所拝見」

2004924日 北海道医療新聞「診療所拝見」に紹介が掲載されました。

 

低侵襲の白内障手術

 

 「患者に優しいクリニック」をモットーとする。電子カルテと画像ファイリングシステムの最新装備も、インフォームド・コンセントに活用。「手術適応など不安から生じる精神的ケアに十分配慮しています」と今野院長。

 無床ながら日帰りの白内障手術を実施。超音波吸引装置、折りたたみ式眼内レンズを用い、クラス10000のクリーンルームで、切開部約3ミリと小切開無縫合の施術は極めて低侵襲。術後の乱視など副作用も少なく、「安心して受けられる」と好評だ。

 手術室に隣接し立会室を用意、患者家族の『安心』を通じて開かれた医療提供の試みも。平日は午後7時まで夜間診療を受け付けており、休診日前日を除き毎日手術に対応。

 手術適応は視力測定や検体検査、感染症有無、角膜細胞チェック等の医学的検査とともに、患者の生活環境と障害度に応じ見極める。

 心臓疾患、糖尿病といった全身症状を合併するケースもあり、治療方針は「内科かかりつけ医との密な協議が欠かせない」とも。リスクが高いと判断した場合は、旭医大や旭川赤十字病院に依頼、円滑な連携づくりに取り組んでいる。

今野優院長

旭医大昭和63年卒。同大眼科同門

 

所在地=旭川市曙1条6丁目

平成157月オープン

診療科・病床=眼。無床


ラジオたんぱ「網膜厚測定装置の基礎」

19971120日 ラジオたんぱ 参天眼科ゼミナールに画像診断シリーズ37「網膜厚測定装置の基礎」という話で出演しました。

 

 本日は、網膜厚測定装置の基礎ということでお話させていただきます。網膜厚の測定は、網膜浮腫や萎縮を引き起こす眼疾患の評価をする上で重要な情報を与えてくれると考えられます。例えば、糖尿病網膜症における視力低下の最大の原因と考えられる糖尿病黄斑浮腫では、網膜への水分の貯留の結果として生じる網膜厚の増大が生じています。また、黄斑浮腫は網膜血管閉塞症、ぶどう膜炎、網膜色素変性、白内障術後などにも生じます。これらの疾患において網膜厚の正確な測定は、早期診断、視力の解釈などに有用と思われます。逆に緑内障では、網膜神経線維層が萎縮しており、萎縮の程度の他覚的、定量的かつ鋭敏な診断は、早期診断、進行度の把握などに重要です。

 

 網膜厚の評価は、臨床的には細隙灯顕微鏡検査、ステレオ眼底写真などによりなされますが、主観的になりやすく、かつ定性的なものです。1989年、Zeimer らはヘリウムネオン・レーザーを用いることにより、網膜厚の測定が可能であることを示しました。それを発展させた網膜厚解析装置で臨床の場での網膜厚の測定が可能になりました。

 網膜厚解析装置の基本原理は、レーザー細隙灯顕微鏡です。すなわち、照射細隙光として543nm のヘリウムネオン・レーザーを用いることにより、脈絡膜からの散乱を抑え、網膜の光学的切断面を観察するというものです。網膜厚とは、網膜硝子体界面の反射と網膜脈絡膜界面からの反射との距離と定義しています。網膜厚は細いレーザー細隙光を網膜に斜めから照射し、これを一定の角度で撮影、記録し、画像解析することで得られます。

 

 網膜厚解析装置は、レーザー発振装置と光学部から成る測定装置と、データ解析用のパーソナルコンピュータ、モニター、カラープリンターで構成されています。光学台の前に被験眼をセットすると、コンピュータモニターに前眼部像、眼底像、網膜のスリット像の3つが表示されます。前眼部像は赤外ダイオードで照明し、 CCD カメラで撮影された動画です。検者はモニターで前眼部像を観察しながら虹彩にピントを合わせ、センターリングをして測定装置と眼球との距離が一定になるようにジョイスティックを操作し、また入射レーザー光が瞳孔に入っていることにも注意します。

 眼底像は白色光で照明し、CCD カメラで撮影された動画です。この眼底像には9つの固視視標も同時に表示されており、被験者にもこの固視視標が見えます。検者は固視を確認しながら測定することが可能であり、また眼底の網膜厚測定部分を、測定と同時にコンピュータに眼底画像として保存することができます。

 網膜のスリット像は、543nm のヘリウムネオン・レーザー細隙光により得られます。このレーザー細隙光は幅20μm、長さ2mm であり、一度の測定で200μm 間隔で10カ所を走査します。つまり、一度の測定で網膜上の2mm 四方の網膜厚測定が可能であり、測定時間は0.2秒です。測定時間が短く、被検眼の固視微動による影響を最小限に抑えることが可能です。

 網膜厚の画像解析は、IBM コンピュータにてMATLAB というソフトウエアで書かれたアルゴリズムによって自動で行われます。2mm の長さの網膜のスリット像は、それぞれ200μm の長さに10分割されて、光強度のプロフィールに変換されます。光強度プロフィールはガウス曲線で近似することができますので、網膜硝子体界面と網膜脈絡膜界面の2つから成る網膜のスリット像の光強度プロフィールは、2つのガウス曲線を重ねた曲線に近似されます。これら2つのガウス曲線のピークの間の距離を解析することによって網膜厚が算出されます。

 この解析によって、2mm の長さの網膜のスリット像は10の網膜厚の値として算出されます。つまり、一度の測定でスキャンされた網膜上の2mm 四方の範囲の網膜厚は、10X10 の網膜厚の値として算出されるわけです。9回の測定によって得られた眼底後極部6mm 四方の範囲の網膜後は、縦30、横30、合計900点の網膜厚の分布図として得られることになります。

 現時点において、眼底後極部6mm 四方の範囲の網膜厚の自動解析には、およそ90秒必要です。測定結果は、カラーコード化された二次元マップと三次元マップ、網膜厚の数値として表示することが可能であり、それぞれカラープリンターで出力することができます。また、網膜厚の数値はテキストファイルとして保存することもできます。

 

 Shahidi らのヘリウムネオン・レーザーをマウントした細隙灯顕微鏡型の網膜厚解析装置のプロトタイプを用いた正常人5名8眼の中心窩の網膜厚は150から220μm で、平均185μm と報告されています。市販の網膜厚解析装置を用いた正常眼の中心窩網膜厚について、今野らは7名14眼を対象として、138から220μmで、平均189μmLandau らは3150眼を対象として、100から322μmで、平均178μm と報告しており、それぞれの結果はほぼ一致しています。

 正常眼を対象にしたこれら3つの報告において示されている網膜厚測定値の再現性は、5%から7%、10.1%から11.7%、5.9%から6.6%であり、厚さにすると10.6μm から31μm となり、良好であると考えられます。

 

 糖尿病黄斑浮腫における網膜厚解析装置の有用性に関してのShahidi らの報告では、細隙灯顕微鏡検査、ステレオ眼底撮影では網膜の肥厚をそれぞれ80%、78%しか検出できず、また、網膜厚が正常の1.5倍、1.6倍になっていても見落とすことがあることを指摘しています。

 これらのことから、網膜厚解析装置によって従来の方法では臨床的に検出できない網膜浮腫を早期に検出できることが示唆されています。また彼らは、糖尿病黄斑浮腫に対する局所光凝固術の効果を網膜厚解析装置により評価しています。もかにも網膜色素変性における嚢胞様黄斑浮腫の網膜厚を解析し、炭酸脱水酵素阻害薬の効果を評価しています。また最近、緑内障眼における神経線維層の44μm の菲薄化の検出も可能であると報告されています。

 網膜の光学的切断面の観察および記録が可能であることにより、黄斑円孔のオパキュラム、カフの視認、嚢胞様黄斑浮腫の嚢胞腔の視認、x染色体性若年性網膜分離症の視認などに有用であることも示されています。

 

 以上のことから、網膜厚解析装置の特徴をまとめてみますと、無侵襲であること、操作が容易であること、測定時間が短いこと、コンピュータによる自動解析が可能であること、再現性が良好であること、網膜の光学的切断面の観察および記録が可能であること、カラーコード化された二次元マップ、三次元マップによる表示が可能であることが挙げられます。今後、網膜厚解析装置は、網脈絡膜疾患、緑内障など網膜厚に変化を引き起こす各種疾患の研究に新知見をもたらすことが期待されます。