ライナー

ライナー健康相談

20031118日 カルテ43

「めがねのかけはずし」

 

20031212日 カルテ48

「視界の不良」

 

2004120日 カルテ51

「まぶたのけいれん」

 

2004323日 カルテ67

「眼科でのアレルギー治療」

 

2004625日 カルテ75

「流涙症」

 

2004813日 カルテ80

「眼の痛み」

 

ーーー

2007918日 

健康のはなし

ライナー健康相談

ライナーネットワークの「ライナー健康相談」に回答しました。

 

ライナーネットワークのホームページによりますと、

ライナーネットワークは、19846月旭川市内では初の広告中心の無料情報紙(フリーペーパー)として登場しました。

 

19年間、市民の間では「ライナー」の名で親しまれ、市民情報や不動産、求人、各種お店の情報、さまざまなイベント情報などをふんだんに盛り込み、週に2回、火曜日と金曜日に配布しています。ライナー紙はブランケット版(普通の新聞サイズ)で6~8面、モノクロまたはカラー印刷。広告中心とした市民総合情報紙となっております。旭川市内全世帯の約85%にあたる14万2000世帯に無料配布しております。とのことです。

 

「ライナー」は、大学生時代に、アパートの郵便受けに入っていました。私の記憶では、最初は表・裏の2面構成だったと思いますが・・・、最初の頃は、テレビ欄もあったような気がしますが・・・、記憶違いでしょうか?まだ、フリーペーパーという概念が浸透していない時代に、旭川市の情報が無料で手に入り、大変重宝しておりました。今回、そのライナーの「ライナー健康相談」のコーナーに、読者の方からの健康相談に回答する医師が不足しており、回答に時間がかかっているため、ボランティア医師募集という告知を見ました。ライナーネットワーク編集部にメールを送りましたところ、早速、ご相談の依頼を受けましたので、回答させていただきました。

 

<「ライナー健康相談」は、からだ・こころなどでお悩みの症状を読者の皆さまよりハガキ等で受け、ライナーのスタッフが代わりに適切な病院・医院のお医者さんにお聞きしてアドバイスをいただくコーナーです。>


20031118日 カルテ43「めがねのかけはずし」

 

Q:先日小学4年の娘にメガネを買いました。ひんぱんにメガネをかけたりはずしたりすると、視力がさらに低下すると聞いたことがあります。かけっぱなしにするか、極力かけないようにするか、迷っているのですが・・・。

34歳 パート/フラメンコママ)

 

この相談を、ライナースタッフがこんの優眼科クリニックの今野優院長にお聞きしました。

 

A:購入したメガネは、眼科でもらった「眼鏡処方箋」で作りましたか?メガネ屋さんに直接行って買いましたか?

 小学校の中学年から中学・高校と、視力の下がる人が増えています。この場合近視だと思われがちですが、中には逆に遠視であったり、かくされた目の病気のために視力が下がる場合もあります。

 特にお子さんの場合は、ピントを合わせる調節力が強いので、いわゆる仮性近視になっている場合もあります。

 お子さんの視力低下の原因を調べる検査として、調節麻痺剤の点眼薬を使う検査があります。この目薬をさして検査を行うと、近視・遠視・乱視の正確な度数を知ることができ、また同時に精密眼底検査も行うことができますので、目に病気がかくされていないかも調べられます。

 目の病気がなく、近視・遠視・乱視などの屈折異常だけとわかれば、よく見えて使いやすい無理のないメガネのデータが「眼鏡処方箋」としてできるわけです。購入したメガネが適切なデータに基づいて作られたものであれば、軽い近視の場合には、遠くを見る時にかけ、近くの物を見る時は、はずした方が楽にみえて良い場合があります。

 ある程度の近視では、近くを見る時にもメガネがあったほうが便利なので、お子さんの必要に任せてください。そのような場合のかけはずしでは、近視の度が進むようなことはありません。遠視や乱視のメガネは常時かけていたほうが、疲れがなく楽だと思います。

 一度、眼鏡処方箋をもらった眼科でご相談してみて下さい。


20031212日 カルテ48「視界の不良」

 

Q:以前から視界の中心が暗く見えるようなことがあったのですが、しばらくするとよくなりました。仕事が忙しいときはひどくなるようですが、休みを取るとよくなっていたのでそれほど気にしていませんでした。最近は、物が小さく見えたり、少しゆがんで見えるようになり、仕事にも支障をきたすようになってきたのですが、このまま放置していてもよいものでしょうか?

25歳・男・会社員/XYZ)

 

この相談を、ライナースタッフがこんの優眼科クリニックの今野優院長にお聞きしました。

 

A:ご相談の内容からは、目の奥にある神経の膜の中心部、網膜(もうまく)の黄斑部(おうはんぶ)という場所に病気が起きている可能性がありますので、ぜひ眼科を受診することをお勧めします。

 私たちの目は、瞳から入った光が目の奥で像を結び、その像が神経を通って脳に伝えられることによって物が見える仕組みになっています。目の奥の一番内側にある神経の膜、すなわち網膜は、目をカメラに例えますとフィルムの役割を果たしています。

 網膜はその場所によって感度が異なり、網膜の中心部分は感度が高く、もっとも重要な部分で黄斑部と呼ばれています。黄斑部は視力に関わりが深く、物が見えたり色を識別する細胞が集まっています。

 ご相談にあります視界の中心が暗く見える「中心暗点」、物が小さく見える「小視症」、物がゆがんで見える「変視症」は、網膜の黄斑部に変化が生じたときに起こる症状です。眼科では視力検査を行い、網膜の状態を詳しく調べるために精密眼底検査を行います。

 検査では目薬をさして瞳を開きます。そのためまぶしくなり、近くが見えにくい状態が3時間くらい続きますので、車の運転をせずに眼科を受診していただいた方がよろしいと思います。


2004120日 カルテ51「まぶたのけいれん」

 

Q:時おり、下まぶたがぴくぴくとけいれんしてしまいます。最近では目が乾きやすくなったような気もするのですが、眼科で診てもらったほうがよいのでしょうか?

31歳・女。きょうこ)

 

この相談を、ライナースタッフがこんの優眼科クリニックの今野優院長にお聞きしました。

 

A:まぶたがぴくぴくとけいれんするとのことですが、目を閉じる筋肉である眼輪筋が収縮するもので、片側の下まぶたに起こることが多いようです。

 軽い眼瞼けいれんは、健康な人でもパソコンの長時間操作などがもたらす眼精疲労や、寝不足の際に一時的に感じられることがあります。さざなみ状のけいれんが、片方の眼のまぶたの一部に限局して起こる状態であれば、特に心配なく、治療を要しません。

 目の病気で眼瞼けいれんが生じることもあり、結膜炎や角膜炎、異物の侵入、ドライアイが主な原因として考えられます。目が乾きやすくなったような気がするとのことですので、ドライアイの検査を受けることをお勧めします。

 ドライアイとは、涙の量が減ったり、涙の成分が変わってしまうことで、目が乾き、角膜や結膜に障害がおこる病気です。ドライアイは目の充血、異物感、疲れ易い、重い感じなどの症状の原因であることも多く、パソコンや乾燥した室内環境の影響もあり、最近増加してきています。

 眼科では、涙の量や質がどのような状態にあるかを検査しながら、ドライアイであるか、他の病気であるかを調べますが、怖い検査ではありませんので、安心して受診して下さい。


2004323日 カルテ67「眼科でのアレルギー治療」

 

Q:子どものころから、アレルギー鼻炎と目のかゆみ、充血があります。アレルゲンは家ダニ、ほこりが主です。長年、耳鼻科の処方を受け、鼻の症状は良くなっていますが目の症状は点眼で紛らわしてきました。目のかゆみに最新の処方などはあるのでしょうか?個人的には飲食によって体質改善を狙って奮闘中です。漢方も気になっています。

59歳 男性/匿名希望

 

この相談を、ライナースタッフがこんの優眼科クリニックの今野優院長にお聞きしました。

 

A:ハウスダストによる通年性アレルギーとのことですが、鼻の症状が治まっているとのことですので、治療は点眼薬が主になると思います。

 通年性アレルギーに用いる点眼薬として、1)抗アレルギー薬、2)抗ヒスタミン薬、3)ステロイド薬、4)人工涙液があります。

(1) 抗アレルギー薬:

近年、いくつかの抗アレルギー薬が新しく点眼薬として開発されており、現在では6種類の抗アレルギー点眼薬から選択することができるようになりました。抗アレルギー薬は、副作用も少なく、適切な使用方法によりかなりの効果が期待できますが、症状が悪化してから使ってもあまり効きません。通年性アレルギーの場合は症状軽快時にも点眼回数をやや減らして、点眼継続するなどの工夫が必要です。

(2) 抗ヒスタミン薬:

アレルギー反応が始まると、ヒスタミンという物質が放出されてかゆみや充血を引き起こします。抗ヒスタミン薬はこれを抑えます。2種類の点眼薬があり、比較的かゆみや充血を抑える力が強いようです。

(3) ステロイド薬:

アレルギー性炎症が慢性化したり重症化した後では、ステロイド薬が必要になることが多いものです。軽症では、症状のひどい時に短期間、低濃度のステロイド点眼薬を併用すればかなりの効果があります。重症になると高濃度のステロイド点眼薬が必要になります。ステロイドには白内障や緑内障をひき起す危険がありますので、眼科専門医の定期検査が必要です。

(4) 人工涙液:

ドライアイはアレルギーを起こしやすくするだけでなく、悪化させることもあることが分かっています。通年性アレルギーにドライアイを併発していることも多いので、検査をお勧めします。人工涙液は防腐剤が入っていませんので、頻繁に使ってアレルゲンを目の中から洗い流すのはとても有効です。

 最近数年の間にも、新しい点眼薬が出て来ていますので、お近くの眼科でご相談下さい。


2004625日 カルテ75「流涙症」

 

Q:毎晩ベッドに入ると、何もしていないのに涙が出ます。流れるほどの量です。何年も前からなのですが、なぜでしょうか?

26歳 女性/匿名希望

 

この相談を、ライナースタッフがこんの優眼科クリニックの今野優院長にお聞きしました。

 

A:涙があふれるというご質問ですので、まずは、涙の通り道について説明させて下さい。涙は上まぶたの外側にある涙腺という場所で作られます。分泌された涙は目の表面を濡らした後、目頭の上下にある小さな穴(涙点)に吸い込まれ、細い管(涙小管)を通って涙嚢と呼ばれる涙のふくろに溜まり、さらに鼻涙管を通って、鼻の奥に抜けて行きます。

 日常診療において涙があふれるという訴え(流涙症~りゅうるいしょう~といいます)の場合は、涙がたくさん作られすぎているか、涙の通り道に異常があり、うまく流れていないかの判断をします。涙の分泌が増加する原因としまして、目の表面の異物、逆まつ毛、角膜・結膜の感染症・アレルギー反応、疲れ目、外気、感情などの他、ドライアイが原因となる場合もあります。

 次に、涙の通り道に異常のある場合としまして、まぶたや涙点の位置異常、まばたきの異常、涙嚢・涙小管の感染症、外傷によるものもありますが、多くの場合は鼻涙管閉塞もしくは鼻涙管狭窄か、涙点の吸引力の減弱が原因となっています。

 流涙症の原因の診断には、検査が必要となります。涙の分泌が増加するような目の病気がない場合、涙点から食塩水を通して涙の通り道に問題がないか調べる通水試験を行います。

 さて、ご質問の方の場合は、毎晩ベッドに入ると、何もしないのに涙が出るとのことですので、上に説明させていただいた流涙症とは、異なっているようです。普段涙でお困りでなければ、もちろん心配な病気ではないと思いますので、様子を見ていてもよいと思いますが、横になると涙が出る原因につきましては検査を受けていただきませんと断言できません。涙のふくろの涙嚢から鼻涙管への涙の流れは重力が関係しております。また、あくびなどの顔の筋肉(顔面筋)の収縮により、涙嚢にたまっていた涙が逆流してくることもあります。流涙症に関する検査は痛くありませんので、一度眼科でご相談下さい。


2004813日 カルテ80「眼の痛み」

 

Q:片方の眼が時々痛みます。煙にいぶされた時のように痛く、涙が出ます。コンタクトレンズをしたいのですがこんな状態で装着していいのか心配です。

28歳男性/匿名希望)

 

この相談を、ライナースタッフがこんの優眼科クリニックの今野優院長にお聞きしました。

 

A:涙は上まぶたの外側にある「涙腺」という場所で作られます。涙の分泌を刺激する神経は、角膜の知覚を司る「三叉神経」と、自律神経である「副交感神経」と「交感神経」の3種です。目に異物が入った時やタマネギをきざんだときなどの反射的分泌は三叉神経、悲しいときなど感情的な涙の分泌は副交換神経、常時分泌は交感神経が作用しています。

 御質問の方の場合の涙は、痛みを伴うとのことですので、三叉神経が刺激されて分泌されている涙だと思います。角膜は、身体の中でも最も知覚が鋭敏な部位です。小さなゴミが入った場合でも、非常にゴロゴロし、涙がたくさん出ることによって、異物を洗い流そうという働きが生じます。初めてコンタクトレンズを装用した際にも、涙がたくさん出たことと思います。コンタクトレンズに慣れてきますと、涙の分泌がおさまってきます。これは、角膜の知覚が鈍くなってくることが、その理由の一つとして挙げられます。

 痛みを伴う涙は、角膜に傷があることが疑われます。角膜に傷がつく原因として、涙の量・成分に問題のあるドライアイ、逆まつげ、ばい菌による角膜炎、アレルギー性結膜炎、結膜結石、マイボーム腺機能不全、上輪部角結膜炎、そしてコンタクトレンズによる酸素不足があります。角膜の傷は早期に治療しないと、角膜が白濁し、視力低下の原因にもなり得ます。ソフトコンタクトレンズの装用者に見受けられますが、「レンズをはずすと痛いのでレンズをつけっぱなしにしている」という誤った使用により、視力低下してしまったケースも報告されています。ソフトコンタクトレンズはバンデージ効果により、痛みをマスクし、角膜の傷を重症化させる危険性があります。眼に痛みのある時は、コンタクトレンズを装用せず、眼科専門医の診察をお受けください。


2007918日 健康のはなし

 

パソコンやテレビに囲まれ、目を酷使しがちな現在社会。日ごろから目の疲れを感じている方も多いのではないでしょうか?1010日は「目の愛護デー」。あなたの目は健康ですか?

 

専門医にお聞きしました

目の病気は、早期治療が大切なものが多いにも関わらず、なかなか自覚症状を感じにくいため、「おかしい」と思って専門医にかかった時には、かなり病状が進んでいるケースも少なくありません。早期発見のためには、時々目の健康状態をチェックすることが大切です。目の専門医、こんの優眼科クリニック(曙1条6丁目2-1、電話25-8341)院長の今野優先生にお話をお伺いします。

 

Q:最近日本人に増えているといわれる「加齢黄斑変性」とはどんな病気なのでしょうか?

A:目の一番奥には、目の中に入ってきた光が像を結び、物を見たり色を感じたり形を把握したりする網膜があります。物を見るためにもっとも重要な部分であり、カメラでいうとフィルムの部分です。網膜の中でも、一番感度の高い中心部分が「黄斑」で、ここに出血やむくみができて見え方に異常が出るのが「加齢黄斑変性」です。原因ははっきりとはわかっていませんが、加齢による網膜の老化現象と考えられています。

 

Q:どんな症状が出るのでしょうか?

A:最初の症状は、ものがゆがんで見えます。例えば「カレンダーの線が波打って見える」とか、「まんなかの線がちょっとうすく見える」ようになります。黄斑は非常に繊細なところなので、ちょっとの異常で症状は出てきます、ただ目の病気全般に言えることですが、両目で見ていると、良い方の目が病気の目の視力を補ってしまうため、片方の視力の異常をなかなか自覚できず、発見が遅れる原因になります。目の病気の早期発見のためには、時々片目をつぶってみて、右でも左でもおなじように見えているかどうかをチェックすることが大切です。

 

Q:治療はどのように行われるのですか?

A:網膜の下にあって見え方に異常を起こす新生血管の部位や大きさなどから、治療方法を決定していきます。腕の静脈に色素を注射し、その色素が心臓から眼球の網膜に送り出されてくる状態を見て、新生血管がどこにあって、どのくらい広がっているのかを調べます。治療の対象になる血管が網膜の中心以外にある場合には、レーザー治療で焼きつぶします。

 最近では、平成16年に認可された「光線力学的療法(PDT)」という治療法が主流になってきました。これは、健康な組織を破壊しないように、特別な色素を注射で体に入れ、黄斑に色素がきたときに色素に感度のあるレーザーを照射することによって、それまでは治療の難しかった、中心部にある新生血管だけを効果的に焼きつぶす治療法です。

 病気が進んでからでは、治療をしてもなかなか視力が戻らないので、早期発見、早期治療が大切な病気です。

 

Q:「緑内障」は日本人の失明原因の1位といわれていますが?

A:緑内障は、視神経が侵されて視野が狭くなる病気です。以前は「眼圧が高い」というのが原因とされてきましたが、最近では、眼圧は正常なのに緑内障になる「正常眼圧緑内障」も多くなっています。

 緑内障はよほど進まないと自覚症状がない方が多く、人間ドックや、何らかのほかの病気で眼下にかかって眼底検査を受けて発見されることが多い病気で、40歳以上の日本人の17人に1人が緑内障といわれています。

 最初は見えない場所が一部分だけで、両方の目で見ていると気付きにくく、進んでくると視野が狭くなり、特にまんなかのすぐ近くが見えにくくなります。遠近感がいかしくなるため、お茶を入れるときにこぼしてしまうといったことがあります。

 緑内障の怖いところは、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに病気が進行している点です。放置すると失明の危険があるので、やはり早期発見、早期治療が大切です。

 

Q:治療法は?

A:基本的には、眼圧を下げる目薬による点眼治療です。現段階では、いったん障害された視神経は、治療をしても元には戻らないので、視野狭窄が広がらなければ、一応治療は成功とされています。まれに目薬で眼圧が下がらない場合は、手術療法もあります。

 

Q:高齢者に多い「白内障」とは?

A:目の中で、ピントあわせの役割をする「水晶体」がだんだん濁ってくるのが白内障です。糖尿病などが原因のものもありますが、一般的には加齢が原因で、髪の毛が白くなるように、誰でもなる病気です。目の中に濁ったレンズがある状態なので、常時目がかすんだ状態になります。

 

Q:治療法は?

A:白内障になっても、本人が生活に不自由を感じなければ、すぐに治療が必要というわけではありません。患者さんのライフスタイルによって、「その人が困ったら」というのを基本に考えていきます。ひとつの目安として、車の運転をする方は視力が0.7を切ったら手術を検討するようにお勧めしています。白内障の場合、手術が根本的な治療法になります。角膜の縁を3ミリほど切開し、濁った水晶体を超音波で砕いて取り除き、代わりに眼内レンズ(人工水晶体)を埋め込むことによって視力を取り戻すことができます。局所麻酔で行われ、安全性が高く、片目15分ほどでできるため、手術は日帰りでもできますが、感染症が一番怖いので、自宅療養の場合には、目をこすったりぶつけたりといったことのないように、アフターケアに十分気をつけましょう。

 

Q:子どもの「近視」も増えているようですが?

A:お子さんの近視は、少しずつ進むため、本人には視力が下がったという自覚がなく、学校の検診結果を見て気付くことが多いようです。近視だけが原因ではなく、仮性近視、遠視、乱視などが原因の場合もあるので、学校からのお知らせがあったら、一度専門医の検査を受けることをおすすめします。

 

疲れを感じたら休息を

 私たちの目をとりまく環境は過酷です。病気による視力の低下ばかりではなく、「眼精疲労」から、目がしょぼしょぼしたり、赤くなったりする以外にも、頭痛や肩こりに悩む方も増えています。目が疲れたなと感じたら、適度に休息をとったり、眼鏡の度があっているかどうか、確認してみることも大切です。

 市販の目薬は刺激の強い成分が入っていたり、充血をとるために、血管を収縮させる成分が入っているものが多く、逆に目が赤くなったり、防腐剤によるアレルギーが起こることもあり、使い過ぎはよくありません。

 視力は日常生活を送るときにとても重要なもの。異常を感じたら、早めに眼科医の元で、病気が隠れていないかの検査を受け、大切な目を守りましょう。