目ディカル相談室2006

20061125日 グラフ旭川12月号 

「正常眼圧緑内障」

 

20061025日 グラフ旭川11月号 

「眼底出血」

 

20060925日 グラフ旭川10月号 

「緑内障の疑い」

 

20060825日 グラフ旭川9月号 

「お子さんの近視」

 

20060725日 グラフ旭川8月号 

「閃輝暗点」

 

20060626日 グラフ旭川7月号 

「3歳時健診」

 

20050526日 グラフ旭川6月号  

「ご挨拶」

グラフ旭川12月号 「正常眼圧緑内障」

Q)ホームページを読ませていただきました。お忙しい中とは思いますが、もしお時間がありましら、少し心配なので質問にお答え下さい。

 私は左目が正常眼圧緑内障と言われて2年の49歳の女性です。いろいろ目薬を試しましたが効きが悪く、また3本の目薬は大変だろうという事で、レーザーをし、現在はエイゾプトとチモプトールの2本の目薬を左目にさす事で、17だった眼圧を14に維持し、視野欠損の進行もなくほっと安心しています。

 私は視野の欠けた部分は小さいのですが、とても視野の中心に近いのです。下半分は全然欠けてはいませんが、左目の上の10度から15度あたりの上半円があまり見えません。だから見ている新聞の小さな一字は読めても、その一つ上の字は見えません。下は読めるので苦労はないし、片目で読むこともないので、別に日常不便はないのですが、本などでは緑内障の欠け方は、中心は残って周りから欠けてくると書いています。でも私のように中心が早くから欠けいる人もいるのでしょうか。ハンフリーの30度の視野検査では、いつも真中の数字は0が横に4個並んでいます。

 主治医の先生は目の中心の部分はとても大切だとおっしゃいます。目の上半分と下半分とは視神経の関係はどのようになっているかはわかりませんが、場所が近いから見えないところが下に移ったらどうしようと思ってしまいます。こんな欠け方の人はたくさんいるのでしょうか。また左目が緑内障の人はいずれ右目になる可能性は高いのでしょうか。また左目は眼圧が14ですが、さしていない右目の眼圧も17から15になってきて差はこのごろありません。薬が本当に効いているのか、ちょっと気になる時もあります。お忙しい中とは思いますが、いろいろ心配なので、もしよければお答え下さい。お願いします。

 

A)ご連絡有難うございます。左眼の正常眼圧緑内障で点眼治療を受けていらっしゃるとのことですね。緑内障の治療の目的は、視野欠損の進行を抑えることですので、現在の治療は十分効果がでていると考えるべきだと思います。

 緑内障の視野欠損はブエルム領域という比較的中央に近い部分から生じることもありますので、特殊な例ではないと思います。また、視神経線維の走行は上下で別れています。視野の上半分を担当する視神経線維は眼底の下方を走行し、視神経乳頭の下側から眼外に出ていきます。一方、視野の下半分を担当する視神経線維は眼底の上方を走行し、視神経乳頭の上側から出ていきます。眼圧がコントロールされているのならば、見えない所が下に移るという心配はないのでご安心下さい。もともと緑内障は自覚症状の乏しい病気ですから、視野欠損が進行してから治療が開始されることが珍しくありません。下方の視野欠損は日常生活に妨げになることが多いのですが、上方の視野欠損は瞼のためもあり、気づかれないことが多いと思います。上方半分が見えない時点で見つかる患者さんも珍しくないと思います。日常生活に必要な下方が保たれていることを前向きにとらえ、治療を継続されるとよろしいかと考えます。

 眼圧は日によって、時間によっても変動していますので、眼圧値に一喜一憂することなく、視野欠損の進行がないことを目安にすべきと考えます。両眼に変化が生じることもありますので、定期的に右眼の視野検査も受けることをお勧め致します。どうぞ参考になさって下さい。お大事になさって下さい。


グラフ旭川11月号 「眼底出血」

Q)はじめまして。旭川近郊に住む母が眼底出血で1月前から片目が見えない状態のようで、以前からかかっている病院で薬を飲み様子をみてレーザーをするとのことでしたが、出血がひどくレーザーができず昨日診てもらいますと、血の固まりが下がって、まだ  レーザーもできず手術で血を抜くことも考えているようです。

 とりあえず、あと一月ほど薬を飲み様子みるようですが、今の状態で良いのかとても心配です。

 娘の私は札幌に住んでおり、インターネットで旭川の眼科を調べておりましたら、そちらの病院でメール相談をしてくださるのを知り、おたよりさせていただいております。このまま様子を見ていて、よいものでしょうか。そちらでも母の状態を診ていただけますか。来院の際は予約が必要ですか。なにとぞ遠くなもので、心配です。よろしくお願いします。

 

A)ご質問有難うございます。

 片目の眼底出血でレーザーがうてないとのことですので、元々糖尿病がないとすれば、「網膜静脈分枝閉塞症」から「硝子体出血」を生じたのではないかと思います。(もちろん、診察しておりませんので、確定的なことは申せませんが)

 通常は眼底検査を継続的に行い、出血の自然吸収を待ち、出血が引かない場合は「硝子体手術」という目の中の血を取り除く手術を考えます。

 お話からは、治療方針に間違いないと思いますが、出血は、すぐに吸収されない場合もあり、御不安なことと思います。

当クリニックでは、硝子体手術を行う器械はありませんので、その際は、手術をしている施設(旭川赤十字病院、旭川医大附属病院)に紹介しています。

 もちろん私でよろしければ、診察させていただきます。受診する日がおわかりになれば、メールいただければ予約致しますが、平日の11時くらいは空いておりますので、来院いただいても構いません。どうぞ、お大事になさって下さい。


グラフ旭川10月号 「緑内障の疑い」

Q)貴院のホームページを見て、初めてメールさせていただきます。

 緑内障の検査について教えてください。

 会社の健康診断の際の眼底検査で、一度、緑内障の検査を受けることを勧められました。

 平日は19:00まで診察されているようですが、勤務終了後の18:00以降にうかがっても検査・診察は可能でしょうか。貴院で検査・診察を受ける場合、事前に準備すること(してはいけないこと)があれば教えてください。また、検査は午前中だけとか時間的な制約があれば教えてください。

 お忙しいところ恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

 

A)ご質問有難うございます。

 眼底検査で緑内障の検査を勧められたとのことですので、視神経乳頭の陥凹拡大が疑われていると思います。緑内障では、視神経乳頭が圧迫されて凹んでしまいます。視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行しているのが緑内障の怖い点です。緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査などから診断でき、これらは眼科で一般的に行われる検査です。緑内障は自覚症状がほとんどありませんので、眼科受診した際に偶然発見されるということが最も多いのです。最近では健康診断で眼底写真を撮ることも多く、健康診断をきっかけに緑内障が発見されることも増えています。

 まずは、視力検査、眼圧検査を行い、視神経乳頭の写真を撮ります。やはり、視神経所見から緑内障が疑わしければ、視野検査を行います。視野検査は片目5分くらいかかる検査です。

 これらの検査はいつでも可能ですので、お出で下さい。特に検査の前に準備していただくことはございません。お出で下さる前に、お電話いただけましたら予約しておきます。御都合のよろしい時に、検査をお受け下さい。


グラフ旭川9月号 「お子さんの近視」

Q8才の息子が両眼とも0.2になってしまいました。半年前は両眼とも1.2でした。

 パソコンやテレビゲームは好きでやっていますが、一日30分と決めています。

 今日、眼科へ行って調べてもらったところ、仮性近視ではなく、近視と診断されました。

 近視を治す治療等があれば、ガイダンスでもよろしく教えてくだされば幸いです。

 尚、両親とも近視で眼鏡をかけておりますが、お父さんは26年コンピューター関係の仕事で、そのため近眼になったものです。(お母さんの近眼の理由はひたすら本の読みすぎ)。

 半年で、1.2から0.2まで低下する原因、そして治療方法をご教授願えれば幸いです。

 

A)御質問有難うございます。息子さんの視力低下でご心配のことと思います。

 眼科で仮性近視ではない、と診断されたとのことですが、瞳を開く目薬を入れた後に、検査を受けましたでしょうか。目薬を使った検査を受けていましたら、仮性近視ではないという診断は正しいかと思います。

 近視になってしまうこと、につきましては、私は「背が伸びるのと同じように、成長に伴うもの」と考えています。もちろん、全員が近視になる訳ではありませんが、日本人全体に近視になりやすい遺伝子があるのでは、と考えています。

 ある時期に視力が1.2から0.2に低下することは、あまり珍しいことではありません。ただし、近視になる時期には視力は変動しますので、場合によっては、視力が上がったり下がったりします。

 仮性近視ではなく近視と診断された場合、近視を治す治療は、ないというのが現状です。一般的に言われますように、暗い所で本を読まない、姿勢を正しくする、長時間テレビゲームをしない、というのが、注意する点だと思いますが、既に気をつけていらっしゃるように思います。

 御期待に答えられる返答でなく申し訳ございません。視力低下のため、学業に差し障りがないように、黒板の字が見えにくい、普段目を細めているなどの様子があれば、眼鏡も考えていただきたいと思います。お大事になさって下さい。


グラフ旭川8月号 「閃輝暗点」

Q)はじめまして。24才女性です。

 突然ですが私は、頭痛で悩んでいます。なぜこちらに問い合わせたのかと言いますと、私は学生の頃から目が悪く、コンタクトレンズと眼鏡を使用しています。そのうえ毎日パソコンを使用する仕事に就いておりますので、目が疲れて、そのせいで頭痛をおこしているのではないかと思ったからです。

 昔からなのですが、症状は頭痛がする前には必ず目がチカチカ(カメラのフラッシュみたいな感じ)して、見えずらくなり吐き気をともなう頭痛におそわれます。(寝ると治ります)

 最近なる頭痛は上記ほどひどくはないので、自宅でTVを見たりするのは平気なんですが、会社でパソコンの画面を長い時間見ていられません。画面が見ずらくなったり、頭が痛くなったりします。

 目の疲れが原因では?と思っているのですが、こうゆう現象も眼科さんで診てもらえるのでしょうか??

 ちなみにコンタクトレンズを作るときに診ていただいてる眼科さんでは、今まで特に異常があると言われたことはありません。よろしくお願いします。

 

A  御質問有難うございます。

 確かに眼が疲れて頭痛をおこしている可能性もあるかと思います。特に、眼鏡やコンタクトレンズが過矯正になっておりますと、頭痛の原因になる可能性があります。

 ご質問の中に書いて下さった

> 昔からなのですが、症状は頭痛がする前には必ず目がチカチカ(カメラのフラッシュみたいな感じ)して見えずらくなり吐き気をともなう頭痛におそわれます。(寝ると治ります)

という症状は、片頭痛の時に見られます閃輝暗点という症状に非常に似ていると思います。人によっては、ギザギザとした光として感じることや、オーロラのような光の波のように感じる方もいらっしゃいます。

 パソコンの画面を見ていて生じる頭痛には、先程の眼鏡コンタクトレンズの問題、他にもドライアイによって、生じることもあります。まずは、眼鏡、コンタクトレンズに問題がないか調べ、問題がなく、片頭痛と診断した場合には、閃輝暗点を感じた時に、内服してもらうことによって、頭痛を抑えることのできる薬剤もありますので、一度、受診されることをお勧め致します。御都合のよろしい日がありましたら、予約をいれることもできますので、ご連絡下さい。お大事になさって下さい。


グラフ旭川7月号 「3歳時健診」

Q)はじめまして。三才の娘を持つ母です。

 三歳児健診前に自宅でやる目の検査で、右目が良く見えていないことに気づき、あわてて病院に行き検査をした所、遠視だと言われました(目薬をして検査)。さっそくいただいた用紙を持ってめがね屋さんに行き、めがねを作りました。病院では、「かけ始めたらなるべくずっとさせてください。かけると良く見えるはずなので、耳の所などがいずくないかぎりしているはず」と言われました。めがね屋さんでは、「かけ始めは目が疲れるので目をしばしばしているなど、疲れているな、と思ったらはずして、目をつぶらせるなどして休ませ、一週間位かけて、慣らしてあげて」と言われました。娘は、最初家に帰ってくるまではおとなしくかけていたものの、テレビを見ているうちに「見えなーい!」と叫んだかと思うと、ちょうどおばあさんのように上目づかいにめがねをずらして見始めました。その後もすぐめがねをはずしてしまいます。目が疲れているから「見えない」と言うのか、適度に休ませない私が悪いのか・・・。それともずっとさせずにちょこちょこはずしてしまうから慣れないのか・・・。一番困るのが本人がどう見えているのか、どうにも的を得ないことです。私はいったいどうしたらいいのでしょうか?

 

A)ご質問有難うございます。詳しく伝えて下さったので、めがねに慣れずにお困りの様子がわかります。遠視のお子さんで、特に片方の目の視力の悪いお子さんを早期に見つけて、早期に治療する目的で眼科の三歳児健診が平成2年から始まりましたので、三歳児健診で視力が悪いことが見つかったことを、前向きにとらえて下さい。

 右目の矯正視力が悪いのであれば、不同視弱視、両目の矯正視力が悪いのであれば、屈折性弱視の心配があります。でも、今3歳とのことですので、めがねをかけることによって、治療効果は必ず現れ、視力が改善されると思います。

 私は、弱視のお子さんにめがねを処方する時は、「最初、めがねをかけてもよく見えるわけではありませんので、お子さんが好んでかけることは、あまりないと思います。でも、めがねをかけて、ピントのあった像を結ばせることによって、少しずつ、視力が出てきますので、気長に構えて下さい。できれば、めがねはお風呂に入るときと、寝るとき以外は、頑張ってかけているように、励まして下さい。」と、説明させていただいております。

 この説明は、病院の先生と同じような方向だと思います。ただ、気長に構えなければなりませんから、最初から嫌がるのを無理強いしては、お子さんも困ってしまうと思います。今3歳ですから、治療可能期間は、まだまだ余裕があります。大人だって、初めてのことには抵抗があります。お子さんが、慣れていくのを優しく見守ってあげて下さい。定期的に病院に行って、視力の伸びを確認して下さい。それでは、お大事になさって下さい。


グラフ旭川6月号 「ご挨拶」

 はじめまして。この度、グラフ旭川の目ディカル相談室で目についてのご相談に答えさせていただくことになりました今野優(こんのすぐる)と申します。いままでも何度か「市民の健康ガイド」に目についてのお話を載せていただきましたが、『グラフ旭川の記事を読んでみて、心配なので来ました』と受診される方がいらっしゃいました。情報過多の時代ではありますが、本当に患者さんが知りたい情報は、なかなか手に入りにくいのかもしれません。直接自分の主治医には聞きにくいこと、病院にかかる前にちょっと聞いてみたいことなど、何でもよろしいですので、是非、目ディカル相談室にご質問下さい。

 ご質問、お問い合わせは郵便、またはメール(konno@8341ganka.com)でお願い致します。件名を「目ディカル相談室」にしていただけますと、ありがたいです。

 今回は初めてですので自己紹介をさせて下さい。

 平成15年7月、『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、曙1条6丁目にこんの優眼科クリニックを開設致しました。常に『患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子供だったら』と考え、診察させていただいております。開設にあたり、患者さんに優しい眼科クリニックになるために、10のお約束をしました。

1.  スタッフ全員が笑顔で患者さんに対応します。

2.  明るく、元気に患者さんに挨拶します。

3.  待ち時間が短くなるように工夫します。電話・メールでの予約(489@8341ganka.com)もお受けいたします。

4.  診療時間を工夫します。平日は毎日、夜7時まで診療します。土曜日も午後3時まで診療します。

5.  開かれた眼科診療を行います。目の状態(角結膜・網膜)の画像をお見せし、病状を説明します。

6.  目に優しい白内障手術を行います。

7.  患者さんのプライバシーを守ります。

8.  バリアフリーの建築です。

9.  院内感染対策として、手洗いは自動給水、ジェットタオルです。

10. コンタクトレンズも目に優しい素材、高品質のレンズをリーズナブルな価格で提案します。

 当クリニックでは、特に白内障日帰り手術、緑内障治療、糖尿病網膜症治療、ドライアイ治療、コンタクトレンズ診療に、積極的に取り組んでいます。『こんな優しい眼科クリニックがあったらいいな』と思う眼科クリニックを実現させるために、スタッフ一同、力を合わせて、頑張っております。

 いつもは「優しい眼科」をめざしていますが、この目ディカル相談室では、目のご質問に優しく、易しくお答えしようと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。