目ディカル相談室2013

20131125日 グラフ旭川12月号 
「先天眼振の眼鏡合わせ」

 

20131025日 グラフ旭川11月号 
「飛蚊症と運動」

 

2013925日 グラフ旭川10月号 
「第2回緑内障無料検診」

 

2013825日 グラフ旭川9月号 
「脳出血後遺症」

 

2013725日 グラフ旭川8月号 
「網膜剥離」

 

2013625日 グラフ旭川7月号 
「網膜中心静脈閉塞症」

 

2013525日 グラフ旭川6月号 
「複視」

 

2013425日 グラフ旭川5月号 
「閃輝暗点」

 

2013325日 グラフ旭川4月号 
「イールズ病後の眼精疲労」

 

2013225日 グラフ旭川3月号 
「片眼の視力低下」

 

2013125日 グラフ旭川2月号 
「角膜穿孔」

 

20121225日 グラフ旭川1月号 
「眼瞼痙攣」

グラフ旭川12月号 「先天眼振の眼鏡合わせ」

Q)メールにて失礼致します。中学生の男の子の母親です。

 産まれてすぐから眼振があり弱視で5才の時から医大の弱視外来に通院していましたが、9才の時に眼鏡を新調して以来 通院していません。小学校の眼科検診では毎年、両目とも0.20.3しかありません。

 今回、眼鏡を新調したいと考えているのですが、そちらでも診察が可能か教えて頂きたくメールさせて頂きました。最近、また弱視について調べてみたところ眼振にはプリズム眼鏡がよいが作れるところが少ないと書いてある記述を読みました。

 あと、中学生になりコンタクトレンズにしてあげたほうがよいのかも考えましたが、眼振があると装着が難しいとの記述もあったのでどうしたらよいのか考えてしまいます。

 前に通院していた医大に行ったほうがよいでしょうか? 私も仕事を休んだり、子供も早退させなくては診察時間に間に合わないので、そちらでも対応が可能であれば通院したいのでアドバイスをお願い致します。

 

A) ご連絡有難うございます。

 私どものところでよろしければ受診してください。視能訓練士も数人おりますので、検査は問題なくできるかと思います。ご都合の付く日に予約を入れますので、メールもしくは電話で予約をお取りになってから、お出でいただけましたら幸いです。

 眼鏡を新調する前に、点眼剤を用いた度数検査を行いたいと思います。一度目の受診の時には、目薬を入れて目の度数、眼底検査もさせていただきます。眼鏡処方は二度目の受診の時になると思います。

 プリズム眼鏡、コンタクトレンズに関しましては、検査の結果をみせていただいてから、ご相談したいと思います。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川11月号 「飛蚊症と運動」

Q)飛蚊症の人は激しい運動をしてはいけないと聞きますが本当でしょうか?今私は縄跳びと水泳をやっているのですがこのままやり続けても大丈夫ですか?

 

A) ご連絡有難うございます。

 飛蚊症は、病名ではなく症状の名前です。ご自分の視界に、黒い糸状のものや、点状のものが飛んでいるように見える症状を飛蚊症と呼んでいます。飛蚊症は、目の中に入っている生タマゴの白身のようなゼリー状の物質の中にできた濁りの影を見ることによって感じると考えられています。特に明るい日、白い壁や白いノートを見た時に気になることが多いようです。

 飛蚊症で受診される方のほとんどは、心配のないもの(病気ではないもの)なのですが、なかには網膜剥離や網膜剥離の原因となる網膜の穴(網膜裂孔)が見つかる場合や、目の中の出血や、目の中の炎症など病的なものが原因となっている場合もあります。

 目の病気が原因となっている病的飛蚊症の場合は、その病気が悪化しないように安静が必要な場合がありますが、病気が原因ではない生理的飛蚊症の場合は、全く安静を要しません。ですので、飛蚊症の人はとひとくくりにはお答えするのは難しいと思います。まずは、ご自分の飛蚊症が病気によるものではないことを眼科で診断を受けていただいて、診察をしてもらった先生に運動の可否をご相談ください。

 眼科では、瞳をひろげる目薬を点眼し、30分くらいお待ちいただき、詳しく目の中の端っこまで、見せていただきます。検査自体は少しまぶしいくらいで、痛くない心配のない検査です。ただし検査後も34時間瞳がひろがっているため、見づらくなりますので、運転はしないで受診することをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川10月号 「第2回緑内障無料検診」

 今回の目ディカル相談室 目に優しいお話は、いつもの相談をお休みさせていただきまして、106日に全道各地で行われる「第2回緑内障無料検診」のお知らせです。

 北海道眼科医会では、公衆衛生活動の一環として、道民の目の健康に関してより積極的な貢献を目指すために、「第2回緑内障無料検診」を企画致しました。

 緑内障は初期にはほとんど自覚症状がないため、道内においても14-15万人の潜在患者がいると推測されますが、この検診では緑内障の疑いが僅かでもある患者さんの発見を目指します。また、時間的・経済的に眼科医療機関を受診できない人や,眼科受診に無関心な人たちに受診の機会をもってもらうことにより、緑内障の潜在患者を掘り起こすことを目的に行われます。

 第1回緑内障無料検診は、平成21年に行われ、全道で5081名の方が検診を受け、検診後1ヵ月の間に95名を緑内障として、さらに158名を緑内障疑いとして治療、経過観察を開始するという成果が得られました。これらは検診数の約5.0%に相当し、他の眼疾患の診断(疑いを含める)を行った方を合わせると433名(約8.5%)に上りました。

 今回の第2回緑内障無料検診は、前回の検診から4年がたっていることもあり、北海道眼科医会が再度企画したものです。

実施日時:平成25106日(日) 午前9時から12

検査対象者:40歳以上の道民

実施場所:北海道新聞全道版917日と20日に参加医療機関名と住所が掲載されました

  今回の検診は前回と違って、完全予約制です。北海道新聞に掲載されたコールセンターで予約を受け付け、予約票が発行された方のみが検診を受けることができるシステムになりました。今回の検診の予約は924日(火)に締め切られています。検診にご興味があっても受けられなかった方には、お知らせが遅くなって申し訳ございませんでした。


グラフ旭川9月号 「脳出血後遺症」

Q)初めまして。

 実家の父の目についての相談があり、メールを送らせて頂きました。

 父が今年の春に皮質下出血を起こし、2週間ほどの入院で退院後の特別な通院もなく退院できました。その際に、右目の視界が少し狭くなっているとのことでした。今現在は自宅療養していますが、最近字を書く機会があり、その際に自身の名前の字が上手く書けなかったり、マークシートのようなものを塗りつぶす時にずれた箇所を塗りつぶしてしまったりするようです。

 このような症状の場合、自宅で何か良くなるリハビリはありますでしょうか。実家の金銭面と、父の病院嫌いがあり、このままでは悪くなっていく一方ではないかと心配しています。

 私は結婚し実家から離れているので、無理やり病院に連れて行く事もできません。何か良い方法やアドバイスを頂けたら幸いです。

 お手数おかけいたしますが、宜しくお願い致します。

 

A)ご連絡有難うございます。お父様の脳出血の後遺症とのこと、ご心痛のほどお察しします。

 「右目の視界が少し狭くなっているとのこと」ですが、もちろん診察をしていませんので、確定的なことは申せませんが、右側の視野が狭くなっている可能性もあるかと思います。

 目でものを見ていると感じますが、目は光を受け取って、視神経というケーブルを通して情報は脳に届けられます。脳は左右に分かれていますが、左脳は両目の右側の視覚情報を受け取り、右脳は両目の左側の情報を受け取っています。脳出血の後遺症として(もちろん脳出血でダメージを受けた場所によりますが)、左側しか見えない状態になっている可能性も考えられます。

 病院嫌いとのことですが、やはり一度眼科を受診して頂いて、現在の視野の状況を把握する必要があるのではないかと考えます。見えている範囲を知ることによって、日常生活で、どのように目や道具を使うのがいいのか、相談することができるように思います。

 日常生活でお困りなのは、ご本人でしょうから、検査を受けて、何か日常生活を改善する方法が見つかるかもしれないという前向きなお話をしていただいて、眼科を受診していただきたいと思います。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川8月号 「網膜剥離」

Q)先生こんにちは。

 現在医学生の者です。

 先日視野にゆがみが出たため眼科に行ったところ網膜剥離と診断され手術をうけることになりました。

 色々と担当の先生から説明をして頂いたのですが、バックリング法がよいのか、硝子体手術の方がよいのかどうしても決めることができません。

 よろしければ先生のご意見を聞かせていただきたいです。

 また後遺症として目のゆがみなとが残ってしまった場合、将来医師免許が交付され医師として働くことはできるのでしょうか。

 お忙しいところ申し訳有りませんがよろしくお願いいたします。

 

A)ご連絡ありがとうございます。

 網膜剥離とのこと、ご心痛のことと思います。網膜剥離は手術で完治することの出来る病気ですから、前向きな気持ちで、手術を受けていただきたいと思います。

 「バックリング法がよいのか、硝子体手術の方がよいのか」というご質問ですが、一般的な答えは、あまり意味をなさないのではないかと思います。

 後部硝子体剥離のない例は、強膜バックリングの適応と考えます。後部硝子体剥離は加齢とともに、頻度が増えますが、その方の近視の度数によっては、年齢より早く生じることもあります。

 手術を担当する先生は、後部硝子体剥離の有無を把握されていますので、執刀医の先生と良く相談されるのが、よろしいかと思います。

 「後遺症として目のゆがみなとが残ってしまった場合」ですが、網膜剥離の手術を受けたことのある眼科医もいますし、そのゆがみの程度と、仕事における両眼視の使い方にもよると思います。

 心配されるお気持ちは察しますが、今はまず、手術を受けて完治されることをお祈り致します。参考にしていただけましたら、幸いに存じます。


グラフ旭川7月号 「網膜中心静脈閉塞症」

Q)母が、今年の3月に網膜中心静脈閉塞症と診断されました。眼底出血がどんどんひどくなり、目の前に黒いカーテンがかかったように見えるらしく、5月に入って視力が0.1に落ちてしまいました。

 5月中旬にステロイドの注射をしましたが効果がなく、5月末にアバスチンを注射しました。翌日の検査では、むくみはとれていましたが、視力が変わりません。目の球体につながる静脈がつまりかけていて、非常に危険な状態だと言われています。

 1週間たって視力が向上しないようなら、これ以上悪くならないように、レーザー治療をすると言われました。

 また、つまりかけた血管を通すために、昨日から「ワーファリン」という血をさらさらにする薬を飲み始めました。

 お聞きしたいのは、

・視力回復のために、効果的な治療方法

・レーザー治療をしてしまうと、今後、視力が回復する可能性がなくなってしまうのか。

・つまりかけた血管を通す方法はないのか。(心臓等ならステントを入れることができると思うのですが、同様の措置はできないのか。)

・血管がつまると失明や眼底が大出血する危険があると言われましたが、大出血するとどうなるのか。

・数年たてば、眼底の出血が吸収されて消えてしまうと聞きましたが、出血がひけば、たとえ、視力はもどらないとしても、視界が黒い状態になるのは解消されるのか。

 お忙しい中、恐縮ですが、至急ご回答をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

 

A)ご連絡有難うございます。お母様の網膜中心静脈閉塞症とのこと、ご心痛のほど、お察しいたします。

 網膜中心静脈閉塞症は、心臓から眼球に血液が送られ、眼球に酸素を供給した、帰り道の血管が詰まってしまうことによって、帰れなくなった血液が、神経の膜の網膜の中に溜まってしまう状態です。

 しかし、網膜中心静脈閉塞症という病名でも、その閉塞の具合、範囲、網膜の虚血、浮腫の程度など、それぞれのケースで違って来ますので、その病名だけでのアドバイスはなかなか難しいと思います。

 現在、通院中の眼科ではステロイドの注射、アバスチンの注射、レーザー治療、ワーファリン内服、と考えられる治療を、全て施行していると思います。主治医の先生に良く相談して、治療を継続されることが最良の方策ではないかと考えます。

 メール医療相談は、診察をしない上でのお返事ですので、個々の病態に関しまして、具体的なことが申せないことがありますことをご了承ください。

 主治医の先生と相談してください。その上で、納得できないときには、紹介状を書いてもらってセカンドオピニオンを求めるのがよろしいのではないかと考えます。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川6月号 「複視」

Q)私は、神奈川に住んでいるものです。

 相談内容は、友人(50代男性です)のことです。

 もともと既往に緑内障があり点眼薬を使用しておりました。

 今年3月の下旬から急に、物が二重にみえるようになり、それにより1人で歩くことも困難となりました。眼科では原因が分からず、頭の方も疑いましたが、CTMRIともに問題ありませんでした。一過性によくなったりまた悪くなったりの繰り返しです。とりあえず、ビタミンの内服をしておりますが専門の眼科医に見てもらった方がよいでしょうか?また、何が疑われますか?教えて頂ければ幸いです。

 

A) ご連絡有難うございます。

 ご友人病状のご質問とのことですが、ご心痛お察しします。

 「物が二重に見える」ということを複視といいますが、どの方向を見る時に、複視が悪化するのか、常に複視があるのかなど、実際に診察してみないことには、なかなかお答えできない問題です。

 眼球を動かす筋肉は、それぞれの目に6本あり、その筋肉を司る脳神経は3つあります。左右の眼球が共同して動くことで、通常は複視を感じることはありません。眼球の筋肉(外眼筋)か眼球運動の支配神経に、麻痺が起きている可能性もありますが、よくなったり悪くなったりとのことですので、他の可能性も考える必要がありそうです。

 眼科、脳外科にも受診されているとのことですので、主治医の先生と良く相談されることをお勧めください。

 メール相談では、お答えに限界があることをご了承ください。お役に立たないお答えで恐縮です。お大事になさってください。


グラフ旭川5月号 「閃輝暗点」

Q20078月に飛蚊症で貴院を受診し、網膜裂孔のレーザー治療を受けたものです。

 昨晩、視野の中に虹色の帯のようなものが10分ほど見えつづけました。今は見えませんが、単なる目の疲れでしょうか?その時、頭痛や吐き気はありませんでした。緑内障の可能性もありますか?

 また、すぐに受診したほうがいいのか、少し様子を見てもよいのか教えてください。

 

A) ご連絡有難うございます。

 『視野の中に虹色の帯のようなものが10分ほど見えた』という症状ですが、10分ほどで消えたとのことですので、おそらくは「閃輝暗点」というものではないかと思います。

 閃輝暗点は、片頭痛の前駆症状のこともありますが、頭痛をともなわない場合もあります。人によっては、「ギザギザの光が見えた」「銀紙が折れ曲がったように光って見えた」「水面に光が反射しているように見えた」と感じ方は色々あるようです。これは、物を見る中枢がある後頭葉に血液を送っている血管が痙攣を起こし、血流が減少するために起こると考えられています。頭痛をともなわない閃輝暗点は、とくに治療は要さないものと考えます。何度も繰り返したり、頭痛をともなう場合は、一度脳神経外科での精密検査をお勧めしています。

 緑内障の症状とは異なると思いますが、検査をせずに緑内障ではない、とは断言できません。

 以前に、網膜裂孔のレーザー治療をしていますし、最近は4年ほど検診を受けていらっしゃいませんので、近いうちに眼底検査は受けていただいたほうがよろしいかと思います。光視症といって、暗いところで光を感じる場合は、網膜に刺激が起きていることを示し、網膜裂孔による自覚症状の可能性があります。今回の症状は光視症ではないと考えられますが、眼底検査をお勧めします。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川4月号 「イールズ病後の眼精疲労」

Q)初めまして。インターネットでいろいろと検索しているとこちらにたどり着きましたので、メールをさせていただきました。

 私は、現在38歳で男性ですが、約20年ぐらい前にイールズ病になり、入院してレーザー治療を受けましたが、左目に中心暗点が少し大きく残っています。退院後は遠近感などが慣れず仕事にも支障が出ていましたが、現在は遠近感などは気になりませんが、歳を重ねるごとに眼精疲労がひどく、睡眠を取っても疲れがとれず、全身が浮腫んで寝込む時もあります。

 あまりのつらさにいろいろ調べて、コンタクトレンズの度数をいろいろと試しましたが、改善されなかったので、今度は眼鏡で左眼の中心暗点をずらす意味でプリズムを入れました。このような眼鏡にすると少しは眼精疲労が改善されたような気もしますが、まだ疲れてしまいます。目の検査をすると、ほぼ片眼視(右目)で見ていますが、左眼の視野のみは完全に生きています。

 疲れてくると左眼の側頭周辺の血管がうっ血するので、本当に疲れてしまいます。側頭部周辺なので、関係無いと思いましたが、膠原病などの検査もしてみました。(検査結果は問題なかったです)

 という状況なのですが、少しでも何か改善方法があればと思いご連絡させていただきました。お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

 

A) ご連絡有難うございます。

 イールズ病後の片眼の中心暗点による眼精疲労とのこと、ご心痛をお察しいたします。

 普段は片眼視で、疲れを生じているとのことですね。神経眼科の大家である井上眼科病院名誉院長の若倉先生が、見えにくくなった方の目が日常視を邪魔することがあり、そのために眼精疲労をきたすことは大いにあり得ることだとおっしゃっています。

 若倉先生は、その際には見えにくくなった目に眼帯をするということが効を奏することもあるとおっしゃっています。若倉先生は限られた曜日のようですが、外来診察もしているようですので、可能であれば、いちど相談されてみては如何でしょうか。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川3月号  「片眼の視力低下」

Q)お忙しい中、失礼いたします。

 中学1年生の息子の視力のことでご相談があります。学校の視力検査にて、右2.0 左0.04という極端な視力の左右差が判明いたしました。

 小学校の低学年の頃には、左右共に2.0ありましたが、一度、友人の靴が左目を打撃し、それ以来、左の視力は徐々に落ち、中学年、高学年と進むうちに、さらに片方の視力低下が顕著になりました。

 今まで、新聞等で時折目にします、視力回復器なるものを購入して、どうにか眼鏡にならないようにしたいと思っておりましたが、先日の視力検査結果を見、もうそんなことを言っているレベルではないのだろうなと思っておりますが、いかがでしょうか?

 お忙しいところ、大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

A) ご連絡有難うございます。中学1年生の息子さんの片目の視力低下ということで、ご心配のことと思います。

 小学校低学年の頃には、左右共に2.0とのことですので、視力の発達には問題がなかったものと思われます。

 小学校の高学年になるにつれて、お子さんのクラスのお友達の中に、眼鏡をかけている子の割合が少しずつ増えていったと思います。小学校の高学年から中学校にかけて、近視が進行し眼鏡が必要になるお子さんが増加してきます。これは、その時期に身長も伸び、成長に伴って、日本人の場合は近視になる人の割合が高くなるためと考えられています。

 ご相談の息子さんのことですが、片目の視力低下とのことで気になっていると思いますが、近視の進行にたまたま左右差が生じて、片目の視力が低下する場合が多く見受けられます。しかし、一度目を打撲しているとのことですので、一度、眼科で詳しい検査を受けることが必要だと思います。メールだけでは、近視だけで心配のないものか、打撲の影響が出たものかについては、判断できません。眼科では、視力検査をおこなった後、目薬を入れて眼底検査も行う必要があると思います。4.5時間まぶしくはなりますが、痛みのない心配のない検査ですので、どうぞお近くの眼科を受診してください。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川2月号  「角膜穿孔」

Q)今月713時に、仕事中の外傷(金属片が目に当たる)により、16時緊急手術。ステロイド点滴+ばい菌感染予防の点滴で18日まで入院していました。 

 手術は、角膜縫合で、CTをとりましたが、奥は出血がひどくてどうなっているかわからないとのことで、様子を見ましょうとのことでした。診断は左目失明で、光も感じません。 ばい菌感染はなく、目の液?が漏れている心配もないのでということで、退院しました。

 今は週一で診察に通っていますが、経過観察で、黒目の抜糸は2か月後とのことでした。 家では、点眼が2種類、目の中に入れる軟膏が1種類で、2~3時間おきにしています。 充血がひどく、人には見せれない感じで、時にチクチクしみるような痛みがあります。目の奥の方がズキンと痛む時もあります。

 このまま今の眼科(総合病院の)に通っていて良いものか・・・不安になり、この相談を見つけましたので、相談させていただきました。よろしくお願いします。

 

 

A) ご連絡有難うございます。角膜穿孔後の失明とのことで、ご心痛のこととお察しします。

 外傷では、その度合いによって対応が変化するとは思いますが、眼球の形態を維持すること、そして視機能を維持することが目標になります。外傷による損傷が激しい場合には、視機能を維持できない事態も起こりえます。

 また、眼球は非常に感染に弱い場所ですので、感染症を予防し、治療するということが重要になります。

 メールを拝見いたしましたが、「ばい菌感染はなく、目の液?が漏れている心配もない」ということは、感染症はなく、眼球形態を維持することができたということだと思います。外傷後早期の合併症は起きずに、経過は良好なのだと思われます。

 「充血がひどい」ということと「痛みがある」ということですが、通常の外傷後の経過なのかどうかは、主治医の先生によく相談するのが良いと思います。

 術後の経過がご自分の期待と一致しない時には、疑心暗鬼になることもわかりますが、外傷はそれぞれの状況が個々で違いますので、一般的な答えが、当てはまるとは限りません。やはり、主治医の先生によく相談することが、一番の安心に繋がるのではないかと思います。

 お役に立てるお答えではないかもしれませんが、診察をしていないメール相談には限界があることをご了承ください。どうぞお大事になさってください。


グラフ旭川1月号  「眼瞼痙攣」

Q)初めまして。私は本州に住んでいます。

 ネットで貴クリニックのことを知り、母のことでご相談したくメールいたしました。貴クリニックに受診したことはありません。

 母は、現在81歳で、旭川に住んでおります。4、5年前に別の眼科を受診し、白内障といわれたそうです。母は、原因はわからないのですが、更年期の時期から、まぶしかったり特に緊張すると目が開けられない状態になります。そのため眼科受診時に、先生から「目が開けられないなら検査できない」、「白内障の手術は全身麻酔にしないとできない」などと言われ、ショックを受け、それ以来眼科を受診しようとしません。点眼薬を薬局で購入してすませていますが、年齢のこともあり白内障が進んでいないか心配です。何とか母を説得して眼科を受診させたいと思っておりましたところ、貴クリニックの『患者さんに優しい眼科クリニック』というフレーズが目にとまったのです。

 母のような症状の人でも診察していただけるでしょうか。お忙しいところ恐れ入りますが、お返事を頂けましたらありがたく存じます。よろしくお願い申し上げます。

 なお、ホームページによりますと医療相談の内容を公開することもあるとのことですが、その際にはくれぐれも個人情報が漏れないようご配慮くださいますようお願い申し上げます。

 

A) ご連絡有難うございます。

 お母様の白内障がご心配とのことですが、一度、診察を受けていただきたいと思います。

 「まぶしかったり、特に緊張すると目が開けられない」という症状は、眼瞼痙攣という病態に似ていると思います。まずは、一度診察を受けていただいて、眼瞼痙攣と考えられる場合は、神経内科に対診を求める必要があるかもしれません。

 まずは、一度診察を受けていただいて、場合によっては、やはり全身麻酔での手術を勧めることになるかもしれません。

 当クリニックは予約優先で診察させていただいておりますので御都合の良い日に、予約をとっていただきたいと思います。