診察室から


診察室ではこのようなことを行なっています

まず、患者さんの気になっているところ(主訴)が、医学的見地や院長の長年の臨床経験に基づき、現在どんな状態か、どんな疑いがあるか、などを把握します。そして、必要であればより詳しい状態を把握するために、各種検査をさせていただき、その結果を踏まえて、適切な処置や治療法を判断します。

 

投薬について:

処方されたお薬は患者さんお一人お一人の状態に合わせて考えて処方しています。ですので、お願いした用法・用量を正しくお守りいただくことで最大限の効果を発揮するようにしていますので、ご理解とご協力、宜しくお願い致します。上記のことを踏まえ、お一人お一人しっかりと診察させていただいておりますので、多少お待たせすることがあるとは思いますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い致します。ご質問、または不安がある場合は、私(院長)またはスタッフまで遠慮なくお声かけくださいませ。


診察室のテレビモニター2004.2.2発行 優しい眼科クリニック第3号から>

 

当クリニックでは、診察の時に患者さんの目の状態をコンピュータに記録しています。

診察の時に、テレビモニターに映された画像が患者さんの目の状態です。

このような画像をお見せしていると思いますが、これは細隙灯顕微鏡で写した右目の画像です。瞳を大きくする目薬を入れた後の検査ですので瞳(瞳孔)が大きく広がっています。細隙灯という細い光を左側から照らしていますので、C のような光のすじとなっているのが、透明な角膜からの反射です。瞳の中にピント合わせの働きをしてくれているレンズ(水晶体)が見えます。この水晶体が白く濁ってくるのが白内障という病気です。この細隙灯顕微鏡検査では、まぶた(眼瞼)、まつ毛(睫毛)、黒目(角膜・前房・水晶体)、茶目(虹彩)、白目(結膜・強膜)だけでなく、レンズを使って目の奥(硝子体・網膜・視神経)まで検査することができます。

また、眼底写真もお見せすることができます。

これは、眼底カメラで写した右目の眼底です。丸くお月様のように見えるのが、視神経乳頭と言って、目の神経が脳へと伝わっていく出口です。その中を通って、心臓から目に血液を送る動脈(細いほうの血管)と、帰り道の静脈(太いほうの血管)という血管が走っています。中央の少し暗く見える部分が、黄斑と言って視力にかかわる最も重要なところです。診察の時には、テレビモニターに映された画像を一緒に見ながら、説明させていただいておりますが、何か気になること、疑問な点がありましたら、いつでもご遠慮なく質問して下さい。質問していただきますと、説明にもさらに気合が入りますので、大歓迎です。


個人情報の保護について2005.6.1発行 優しい眼科クリニック第19号から>

 

個人情報の保護に関する法律

個人情報保護法は、20035月に成立し、今年の4月に全面的に施行されました。また、200412月に厚生労働省からガイドラインが示されました。個人情報保護法では、5000件以下の情報を扱う事業者への適応を除外していますが、ガイドラインでは、これも適応の対象としています。当クリニックでは、まだ5000人の患者さんには達しておりませんが、ガイドラインに示されていますように、当クリニックも個人情報取扱事業者に含まれます。当クリニックでの個人情報の利用目的についてご説明申し上げます。

 

こんの優眼科クリニックにおける患者さんの個人情報の保護について

当クリニックでは、患者さんに安心して最良の医療を受けていただくために、安全な医療をご提供するとともに、患者さんの個人情報の取り扱いにも、万全の体制で取り組んでいます。

 

個人情報の利用目的について

当クリニックでは、患者さんの個人情報を以下の目的で利用させていただくことがございます。これら以外の目的で利用させていただく必要が生じた場合には、改めて患者さんからの同意をいただくことにしておりますのでご安心下さい。

 

当クリニックにおける個人情報の利用目的

1.医療提供

当クリニックでの医療サービスの提供

他の病院、診療所、助産所、薬局、眼鏡店、医療機器販売店、訪問看護ステーション、介護サービス事業所等との連携

他の医療機関等からの照会への回答

患者さんの診療のため、外部の医師等の意見・助言を求める場合

検体検査業務の委託その他の業務委託

ご家族等への病状説明

その他、患者さんへの医療提供に関する利用

2.診療費請求のための事務

当クリニックでの医療・介護・労災保険、公費負担医療に関する事務およびその委託

審査支払機関へのレセプトの提出

審査支払機関又は保険者からの照会への回答

公費負担医療に関する行政機関等へのレセプトの提出、照会への回答

その他、介護・労災保険、公費負担医療に関する診療費請求のための利用

3.当クリニックの管理運営業務

会計・経理

医療事故等の報告

当該患者さんの医療サービスの向上

その他、当クリニックの管理運営業務に関する利用

4.医師賠償責任保険などに係る、医療に関する専門の団体、保険会社等への相談又は届出等

5.医療・介護サービスや業務の維持・改善のための基礎資料

6.医療の質の向上を目的とした当クリニック内での症例研究

7.外部監査機関への情報提供

 

個人情報の開示・訂正・利用停止等について

当クリニックでは、患者さんの個人情報の開示・訂正・利用停止等につきましても、「個人情報の保護に関する法律」の規定にしたがって進めています。


開かれた眼科診療2005.11.1発行 優しい眼科クリニック第24号から>

 

10のお約束

私は当院を開設した際、「患者さんに優しい眼科クリニック」になるために、皆さんに10のお約束をしました。

 

開かれた眼科診療

10のお約束のうちの5番目の「開かれた眼科診療」についてお話させていただきます。この10のお約束は、自分が患者としてかかるなら、こんな眼科がいいなと思うことを具体的に考えたものです。患者さんの側から考えますと、どれも当たり前のことではありますが、いつも心に留め、真摯に対応したいと考えています。

 

5番目の「開かれた眼科診療」ですが

5.  開かれた眼科診療を行います。

すべての診療行為は患者さんに説明し、同意を得てから行います。

白内障手術患者さんのご家族の希望があれば、立会って頂きます。手術立会い室を用意しました。

カルテ開示、レセプト開示の希望に応じます。

明細の入った領収書を発行します。

セカンド・オピニオンを希望する患者さんは、すぐに紹介します。

目の状態(角結膜・網膜)の画像をお見せし、病状を説明します。

というように「開かれた眼科診療」を行うために、6つのことを励行します。

 

診察券

皆さんが受診してくださった時に、診察券をお渡ししています。

もちろんご存知のこととは思いますが、2つ折になっており、中には、その日の視力・所見を記入する欄があります。

これも開かれた眼科診療を行うための工夫の一つです。視力を測った時には、口頭で視力値をお伝えしてはいますが、なかなか覚えているのは大変なものです。帰ってから、家の人に聞かれたときにも、診察券を見れば分るようにと考えて作りました。緑内障の患者さんには、その日の眼圧の値も記入してお渡ししています。また他院にかかる時にも、眼科でどのようなことでかかっているか、ご理解いただけると思います。


眼科診療の特色2007.6.1発行 優しい眼科クリニック第43号から>

 

眼科診療の特色って何でしょうか。皆さんの考える特色と、私の考える特色に違いがあるかもしれませんが

私の考える眼科診療の特色は、
検査が多い。
診察室が暗くなる。
診察がまぶしい。
ということでしょうか。

 

 

通信第41号で『北海道百科』に原稿を載せてもらったお話を紹介しました。その中に私が眼科医を志した理由を書きました。

それは:

「もともと眼科を専攻した理由として、自分で検査や診断ができ、顕微鏡手術という精緻な方法で患者さんの視覚を守ることができる自己完結性と、開眼した時の患者さんの喜んだ顔が見られることの二つがありました。」ということです。

 

もう随分前のことになってしまいましたが、医大の六年生の卒業前に内科、外科など、どの科を専攻するのかを決めなければならないという時期がありました。また、その時期は臨床実習といって、1週間か2週間単位でそれぞれの診療科の外来や病棟での実習でした。当時の臨床実習は内科、外科、産婦人科、小児科などのいわゆるメジャーが2週間、マイナーと呼ばれる眼科、耳鼻科、皮膚科などは1週間というのが実習期間でした。旭川医大には第1から第3まで内科が3科、外科が2科ありますので、内科6週間、外科4週間という長丁場です。その一方眼科は1週間だけでアッという間に終わってしまいました。その他に、市立病院、赤十字病院、道北病院でも臨床実習をさせていただきました。

 

実習時間の中には検査実習もあり、道北病院では気管支鏡を飲んでみました。実際に患者さんが検査でどれ位辛いのかを知りたいと思ったからです。もちろん、病気があるかどうかという不安を抱えて受ける訳ではないので、気分は楽ですが、検査自体の辛さを知ることができました。もちろん侵襲のある検査は体験していませんが、眼科、耳鼻科などの検査は臨床実習の学生同士で検査をしたり、先生に検査してもらったりという経験をしました。

 

そこでの眼科診療の印象が、最初にお話しした、検査が多い、診察室が暗い、診察がまぶしいということでした。学生同士でする眼底検査はまぶしかったのですが、先生に眼底検査をしてもらいますと、あまりまぶしくありませんでした。

 

これは、眼科医になってからわかったのですが黄斑部に光を当てなければさほどまぶしくない訳です。患者さんに苦痛を与えない検査、診察に興味を持ち、眼科を専攻したいと思うようになりました。また、臨床実習の中でいわゆるマイナーと呼ばれる科では、検査、診断から治療までを一貫して行えるということも魅力に感じました。

 

例えば腹痛で内科を受診した場合に超音波検査で胆石が見つかったとします。その場合、内科から外科に紹介し、手術してもらうことになります。というように診断した内科医が治療までできないことが、歯がゆく感じるのではないか、と青臭く考えたりもしていました。それが、検査、診断から手術まで行って患者さんの視覚を守る自己完結性として眼科に魅力を感じた理由の一つです。もちろん、今になって考えてみますと、全てを診ることはできない訳で、自分ができる最良の医療を患者さんに提供し、できないことはその道の専門家に任せるということが重要であり、その点で歯がゆさを感じることはないという事がわかります。

 

自己完結性で専攻した眼科においても、専門性の細分化が進んでおり、私が全てを診られる訳ではありません。例えば、角膜の病気で角膜移植が必要だと思う場合には、旭川医大の角膜外来にお願いし、通信40号でお話しした加齢黄斑変性も医大の黄斑外来に紹介しています。目のかかりつけ医として、患者さんにとって何が最善かを最前線で考えていきたいと思っています。眼科を専攻したもう一つの理由である「開眼した時の患者さんの喜んだ顔が見られること」は、本当に眼科を専攻して良かったと、日々感じられることです。

 

診察の前に検査が多い

眼科診療の特色として、診察の前に視力検査、眼圧検査などの検査があり、時間を要してしまうという特色があると思います。他の診療科でも受付表(問診表)を書くのは同じでも、まずは先生の診察を受けてそれから血液検査、尿検査、レントゲン検査等を受けて、再び診察へという流れかと思いますが、眼科の場合は、まずは検査を受けていただいています。もちろん検査をせずに、すぐに診察に入っていただく場合もあります。当クリニックでは、目やにが出る、目が赤い、目が痛い、瞼が腫れたという患者さんの場合は、検査をせずに、診察に入ってもらっています。

 

診察の流れ

       受付

       

   受付表(問診表)の記載

 ↓             

診察         視力検査・眼圧検査

 ↓             

説明            診察

 ↓                 

会計          説明      散瞳

                   

           会計     眼底検査

                    

                   説明

                    

                   会計

 

 

大雑把に分類しますと、上の図にお示ししますように、3つの流れが考えられます。

1)一番左の流れが、先にお話しした目やにが出る、目が赤い、目が痛い、瞼が腫れたという患者さんの場合で、検査をせずに診察に入っていただきます。「はやり目」というウイルス性の結膜炎が疑われる場合には、すぐに中待合の椅子に座っていただき、診察後も中待合の椅子でお会計まで済ませていただいていますので、ご理解ご協力のほど、お願い申し上げます。

 

2)まず視力検査・眼圧検査を受けていただいてから、診察室に入っていただく通常の診察の流れです。視力検査の前には、他覚的屈折検査、角膜曲率半径測定も行いますし、コンタクトレンズ使用の方には角膜内皮細胞検査も行っています。視力検査は、通常の視力検査に加えて、近方視力検査を行うこともあります。また、眼位検査、立体視検査を先に行ってもらうこともあります。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。


診療報酬明細書2010.6.1発行 優しい眼科クリニック第79号から>

 

10のお約束

私は当院を開設した際、「患者さんに優しい眼科クリニック」になるために、皆さんに10のお約束をしました。

 

初心忘れるべからず

この10のお約束は、自分が患者としてかかるなら、こんな眼科がいいなと思うことを具体的に考えたものです。患者さんの側から考えますと、どれも当たり前のことではありますが、いつも心に留め、真摯に対応したいと考えております。来月で開院7周年を迎えますので、当時の10のお約束も時代にそぐわない点も少し出ています。

 

5.  開かれた眼科診療の中に「明細の入った領収書を発行します。」ということを掲げ、実行しました。7年前には明細入りの領収書の発行は、珍しかったと思いますが、現在では義務化されているのです。

時代を先取りしていたかなと考えますと、少し誇らしげではありますが、時代は更に先に進み、今年の4月からは個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の発行を必要とするようになりました。

これが、当クリニックで発行している個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書になります。この明細書を発行するに当たって、皆さんにお伝えすることがあります。

 

『個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の発行』について

当クリニックでは、医療の透明化や患者さんへの情報提供を積極的に推進していく観点から、平成2241日より、領収書の発行の際に、個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書を無料で発行することに致しました。明細書には、使用した薬剤の名称や行われた検査の名称が記載されるものですので、その点、ご理解いただき、明細書の発行を希望されない方は、窓口にてその旨お申し出下さい。

厚生労働省の方針で個別の診療報酬の算定項目ぼ分かる明細書を発行するようになりましたのは、41日からですので、まずは全ての皆さんに発行することにしています。定期的に通院していただいている方々には、特別にいつもと違った検査をしていない限りは、毎回同じ明細書が発行されることになります。そこで受付ではお会計の時に、今後も明細書の発行を希望されるか、お尋ねさせていただくことにしています。確定申告の際の医療費控除には、今まで通りの領収書で問題ございませんので、他の場面で明細書が必要になることはないと思われます。

次回から領収書の発行は必要ないと考えられる方は、会計の際に一言教えていただけますでしょうか。こちらでもカルテにその旨記録し、資源の無駄遣いにならないようにしたいと考えております。今までも通信で何度か検査項目についての説明をさせていただいたことがありますが、明細書を見て、何か分からないことがございましたら、遠慮なくお尋ね下さいます様、お願い申し上げます。


診察室2015.3.2発行 優しい眼科クリニック第136号から>

 

今さらですが

診察室ではこのようなことを行っています:

まず、患者さんの気になっているところ(主訴)が、医学的見地や院長の長年の臨床経験に基づき、現在どんな状態か、どんな疑いがあるか、などを把握します。そして、必要であればより詳しい状態を把握するために、各種検査をさせていただき、その結果を踏まえて、適切な処置や治療法を判断します。

投薬について:

処方されたお薬は患者さんお一人お一人の状態に合わせて考えて処方しています。ですので、お願いした用法・用量を正しくお守りいただくことで最大限の効果を発揮するようにしていますので、ご理解とご協力、宜しくお願い致します。上記のことを踏まえ、お一人お一人しっかりと診察させていただいておりますので、多少お待たせすることがあるとは思いますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い致します。ご質問、または不安がある場合は、私(院長)またはスタッフまで遠慮なくお声かけくださいませ。

 

診察室に入ったら診察室では、黄色の椅子に座っていただきます。

この黄色の診察椅子はスグレモノなんです。私の足元にあるスイッチで上下に動かすことができますので、お子さんの時は高く上げることができます。また座面が少し前に動きます。細隙灯顕微鏡検査の時に、顔を固定しやすくなっているんです。診察椅子に座っていただきますと、こんな感じでお話を聞かせていただきます。

椅子を動かして、近づいてくださる方もおられますが、このあと左側から細隙灯顕微鏡が出て来ますので、椅子は動かさずにお座り下さい。

この器械が出て来ましたら、顎を顎台に載せ、額を固定します。多少まぶしい感じはありますが、額を離さないよう軽く前のめりになる感じで、まっすぐ見ていただきます。その後、診たい方向に目を動かすように指示が出ますので、指示に従って目だけを動かして下さい。それほど長い時間はかからないと思います。

 

細隙灯顕微鏡検査では、観察倍率や焦点を合わせる部位を変えることによって

まぶた(眼瞼・マイボーム腺・涙点)

まつげ(睫毛)

黒目(角膜・前房・水晶体)

茶目(虹彩)

白目(結膜・強膜)

だけでなく、検査レンスを使うと目の奥(硝子体・網膜・視神経)までを立体的に診察することができます。細隙灯顕微鏡検査は眼科の検査の中でも非常に重要なもので、通常、診療の都度行われます。内科医にとっての聴診器のように細隙灯顕微鏡は眼科医には大切な検査器械です。


診察室眼底検査2016.3.1発行 優しい眼科クリニック第148号から>

 

中待合でお待ちになっていただいている間に、少しでも目に興味を持っていただきたい、待ち時間がきにならないようにしたいと考え、色々工夫しています。

 

前回の通信で紹介したスタッフからの「優しい眼科情報」は毎月初めに新しいものが発行されますので、毎月新しいものに取り替えて中待合の柱に貼っていますので、どうぞご覧になってください。どれもスタッフの力作ぞろいで目についての知識を楽しみながら得ることが出来ると思います。

また、バックナンバーも月ごとに綴じて待合室のパンフレット棚に置いています。中待合で読んでみて「面白い」「ためになる」と感じていただけましたらどうぞご自宅にお持ち帰りください。「優しい眼科情報」はそれぞれ書いたスタッフの似顔絵が載っています。ためになる情報でしたら、ぜひぜ書いたスタッフにお褒めの言葉をかけてあげてくださいね。

 

「本日のクイズ」「本日の雑学」は、待ち時間を長く感じないように、毎日受付スタッフが書き替えてくれています。私も時々、クイズに挑戦していますが、なかなか難しいですね。診察に呼ばれるまでの間に考えてみてください。

 

「あさっぴーに会う日まで」は、あさっぴーに会うことが出来た日までの話を書きました。暇つぶしに読んでみてください。

そして、診察室の前には 診察室ではこのようなことを行っています:を掲示しています。

 

まず、患者さんの気になっているところ(主訴)が、医学的見地や院長の長年の臨床経験に基づき、現在どんな状態か、どんな疑いがあるか、などを把握します。そして、必要であればより詳しい状態を把握するために、各種検査をさせていただき、その結果を踏まえて、適切な処置や治療法を判断します。

 

投薬について:

処方されたお薬は患者さんお一人お一人の状態に合わせて考えて処方しています。ですので、お願いした用法・用量を正しくお守りいただくことで最大限の効果を発揮するようにしていますので、ご理解とご協力、宜しくお願い致します。

 

上記のことを踏まえ、お一人お一人しっかりと診察させていただいておりますので、多少お待たせすることがあるとは思いますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い致します。ご質問、または不安がある場合は、私(院長)またはスタッフまで遠慮なくお声かけくださいませ。

 

中待合で順番をお待ちいただき呼ばれましたら、診察室にお入りいただきます。

 

診察室に入ったら、診察室では、黄色の椅子に座っていただきます。

この黄色の診察椅子はスグレモノなんです。私の足元にあるスイッチで上下に動かすことができますので、お子さんの時は高く上げることができます。また座面が少し前に動きます。細隙灯顕微鏡検査の時に、顔を固定しやすくなっているんです。椅子を動かして、近づいてくださる方もおられますが、このあと左側から細隙灯顕微鏡が出て来ますので、椅子は動かさずにお座り下さい。この器械が出て来ましたら、顎を顎台に載せ、額を固定します。多少まぶしい感じはありますが、額を離さないよう軽く前のめりになる感じで、まっすぐ見ていただきます。その後、診たい方向に目を動かすように指示が出ますので、指示に従って目だけを動かして下さい。それほど長い時間はかからないと思います。

 

 

細隙灯顕微鏡検査では、観察倍率や焦点を合わせる部位を変えることによって

まぶた(眼瞼・マイボーム腺・涙点)

まつげ(睫毛)

黒目(角膜・前房・水晶体)

茶目(虹彩)

白目(結膜・強膜)

だけでなく、検査レンスを使うと

目の奥(硝子体・網膜・視神経)

までを立体的に診察することができます。細隙灯顕微鏡検査は眼科の検査の中でも非常に重要なもので、通常、診療の都度行われます。内科医にとっての聴診器のように細隙灯顕微鏡は眼科医には大切な検査器械です。

その後眼底検査になります。眼底検査では水色の椅子に座ったまま、『顔を動かさずに目だけ』動かしてもらいます。ついつい顔が一緒に動いてしまいがちですが、意識して目だけ動かすようにしてください。コツは両方の目をしっかり開けて目を動かすことです。片方の目を閉じてしまいますと、なかなかうまく目は動いてくれません。瞼を閉じると目は自然に上にあがってしまいます。眼底検査で目を動かしていただく順番は、私の場合、いつも同じです。

 

真直ぐ上

右の上

右の下

真直ぐ下

左の下

左の上

 

の順番で、目を動かしてもらっています。『顔を動かさずに目だけ』動かして下さい。よろしくお願いいたします。


病診連携 <2016.11.1発行 優しい眼科クリニック第156号から>

 

白内障手術の病診連携

当クリニックでは積極的に「日帰り白内障手術」に取り組んでいます。

開業当時、旭川では2つの眼科クリニックで取り入れられているだけでしたが、その後多くのクリニックでも行われるようになってきています。

当クリニックは無床診療所なので、手術後に入院してもらうことができません。そこで、全身疾患のある方や、白内障が進行し小さい傷口からの手術が難しいと判断した場合、手術を受けないほうの目の視力が極端に低い場合(手術後一晩は眼帯をして片目で過ごしていただきますので)、車椅子の方(申し訳ございませんが、手術室が2階なんです)、また緊張しやすい方には、入院して手術が受けられる施設に紹介させていただいています。具体的には、

旭川赤十字病院

市立旭川病院

旭川医大

に紹介しています。2005年から、当クリニックの病診連携の実態を調査してみました。

 

入院白内障手術をお願いした患者さんの数は

20057

200626

200741

200835

200940

201059

201173

201253

201358

201455

201572

今年は10月末までに31名を数えています。

 

当クリニックでの日帰り白内障手術の件数は、

200336

2004166

2005215

2006219

2007219

2008211

2009197

2010154

2011187

2012209

2013192

2014212

2015200

今年は10月末までに175件と推移してきていますが、白内障手術を希望されて受診してくださる患者さんが増えてきています。「是非当クリニックで手術を受けたい」と仰っていただけることは有難いことなのですが、身の丈以上のことはできないと考えています。その時は常に「患者さんが自分だったら、自分の親だったら、どうするか」を考えて、患者さんにとって最善の策をお勧めしたいと考えています。

 

白内障手術以外の病診連携

白内障にかぎらず当クリニックは「目のかかりつけ医」になることを目指しています。目に関して何か心配なことがあれば、まず受診していただき、当クリニックで対処できなければ、速やかに大学病院や総合病院に紹介。そして、その後のフォローはまたここで、という体制を整えています。

入院白内障手術以外で他院での診療を依頼して、紹介状を書いた患者さんは

200539

200675

2007123

2008133

2009162

2010123

2011119

2012158

2013158

201491

2015140

今年は10月末までに105名でした。昨年の140名の内訳を調べてみますと、

1.網膜硝子体疾患で紹介:81

2.形成外科に紹介:10

3.脳神経外科、神経内科に紹介:20

4.斜視弱視の治療で紹介:7

5.旭川医大角膜外来に紹介:3

6.その他:19

でした。

 

1.網膜硝子体疾患で紹介させていただいた患者さんが81名で半分以上を占めていました。

81名の患者さんは

加齢黄斑変性:28

中心性網脈絡膜症:12

糖尿病網膜症・黄斑症:10

裂孔原性網膜剥離:13

網膜前膜:4

網膜血管閉塞症:10

黄斑円孔:4

でした。

何度か通信でもお話しさせていただいておりますが、加齢黄斑変性は最近増えてきている「中心がみえにくくなる、歪んで見える」病気です。

かつては治療の主流はレーザー光凝固でしたが、病気の本態である脈絡膜新生血管をつぶす時に同時に、正常網膜にもダメージを与えてしまうために、黄斑の中央近くに新生血管がある場合は治療ができませんでした。

平成16年に光線力学的療法(PDT)が認可されました。光線過敏物質を注射によって体内に入れて絡膜新生血管に集まった時をめがけてレーザーを照射し、新生血管だけをつぶすという方法です。

平成21年には血管新生を止める薬物が認可され、46週おきに眼球に直接注射することで、視力回復も望めるようになりました。2411月には2ヵ月毎に注射する新薬も承認されました。加齢黄斑変性の治療には腕の血管から注射して脈絡膜新生血管の状態を把握する蛍光眼底造影検査が必須です。当クリニックでは行っていませんので、赤十字病院、医大病院に紹介しています。

糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫も加齢黄斑変性と同じ薬の眼球注射で改善することが判明し、現在では治療の主流となり、視力回復が得られる可能性が高くなって来ていることは患者さんにとって福音です。

 

また、増殖糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離は手術を受けていただかなければ失明につながる怖い病気です。これらの手術は全身麻酔で行われることが多く、手術後の厳重な安静も必要です。裂孔原性網膜剥離は見つけたらなるべく早期の手術が望ましいので、すぐに紹介状を書いて、医大病院に行ってもらうことになります。

 

次に、2.形成外科に紹介した方が10名いらっしゃいました。

局所麻酔では辛いと思いますので、お子さんの下眼瞼内反症、眼瞼下垂の手術をお願いしています。

瞼の出来物、いわゆる「ものもらい」は霰粒腫といいまして、外来診察中に診察室の隣りの処置室で摘出術を行いますが、霰粒腫以外の出来物は形成外科にお願いしています。

過去に紹介した患者さんの中には一見「ものまらい」のように見える出来物が悪性腫瘍であったこともありますので、心配な症例は必ず病理診断が必要と考えて、紹介しています。

 

3.脳神経外科、神経内科に紹介となった方が20名いらっしゃいました。

両方の目で物が二つに見える複視(目を動かす筋肉を支配している脳神経の麻痺が心配です)、

顔面痙攣(顔面神経を刺激している病気がないか調べてもらいます)、

一過性の視力低下(目に病気が見つからない時は内頸動脈狭窄症の検査が必要です)、

頭痛

などの時は脳神経外科、神経内科で詳しく調べていただく必要があると考えています。

 

旭川市には医大もあり、その他にも

赤十字病院

市立病院

厚生病院

旭川医療センター

など大きい病院があり、医療が充実しています。「目のかかりつけ医」として、確実に診断し、大きい病院で検査、治療が必要と考えた時には、時期を逸しないように、また最良と思われる病院を紹介させていただきたいと思います。

また、他の眼科の先生の意見も聞いてみたいというセカンドオピニオンを希望される場合には、しっかりと紹介状を書きますので、遠慮なくお知らせ下さい。


細かすぎてわからない <2017.3.1発行 優しい眼科クリニック第160号から>

 

平成15年に開業しましたので、昨年7月で13周年を迎えました。13年も経ちますと、色んな所に問題が起きてきます。

腰が痛くてという私の話ではなく、器械や建物など色んな問題が起きてきます。

 

今回の通信は最近一年間で変化したクリニックに関して『細かすぎてわからない』と思われるものについて説明してみますね。

20162月:

1)検査室の器械が新しく!!

検査室に入って右手二つ目にある器械ですが、それまではノンコンタクト・トノメータという眼圧を測定するものでしたが今回はオートレフラクト・トノ・パキメータで4つの腫瘍測定機能が1つの装置で可能な、ニデックTONOREF IIIを導入しました。患者さんの移動を減らすことが出来、より安全、より優しい眼科になれたと思います。

 

2)待合室のマットを増やす

冬の間、特に雪の季節は、靴の裏についた雪がどうしても待合室に入ってしまいます。靴の裏に雪があると滑りますよね。滑って転ぶと危険ですので、風徐室と、入り口にマットを敷いていましたが、それでもカウンターの前に雪が落ちていることもあり、更なる安全のために冬の間はカウンターの前にもマットを敷くことにしました。

 

3)診察室に眼圧計

検査室にニデックTONOREF IIIを設置しましたので、ノンコンタクト・トノメータが浮きました。診察室に置くことによって、白内障術後1日目の患者さんに部屋を移動してもらうことなく眼圧を測定することが出来るようになりました。

 

20163月:

4)ライナーさんに広告を掲載

以前から色々な記事を掲載してくれていましたライナーさんから広告掲載の依頼がありました。いつもお世話になってきましたので、毎週火曜日のライナーに広告掲載を始めてみました。旭川に数ある眼科の中で一番遅い時間まで診察していますということを書いてもらっています。

 

20165月:

5)第2駐車場が完成!!

スタッフの人数も増えてきて、自家用車通勤のため駐車場が手狭になってきました。予約優先ですので、同じ時間に混むこともあまりないのですが、土曜日など駐車場に停められないこともたまにではありますが、起きるようになり、スタッフ用に第2駐車場を用意しました。

 

6)ウッドデッキを塗装

冬になる前に塗装したのですが、いつも通りの塗装のはずが、なぜか滑るようになってしまい、冬の間すべり止めの緑色のマットを敷いて対処していました。ゴールデンウイークのお休みの間に滑らないように新たに塗装してもらいました。結果今年の冬は滑りにくくなっています。

 

7)床のワックス

年に2回、ゴールデンウイークと年末年始のお休みの間にワックスをお願いしています。何とかキレイを保つために。

 

20167月:

8)ウッドデッキに花

爽やかにみなさんをお迎えできるように、看板の横にお花を飾ってみることにしました。評判は上々だったと思います。今年も飾ろうと思っていますのでお楽しみに。

 

9)診察室の患者さん用椅子を張替え

診察室の電動椅子ですが水色だったのを憶えていらっしゃいますでしょうか。座面に亀裂が入ってしまいましたので張替えてもらいました。色はクリニックの壁の色に合わせて黄色にしてみました。

 

20168

10)検査室のコンタクトレンズ用の椅子交換

検査室の入り口正面左側にコンタクトレンズをはめはずしする場所があり、そこの椅子が劣化しましたので、新しい椅子と交換しました。

 

201610

11)コピー機更新

開業からずっと使っていたコピー機が壊れてしまいました。毎日酷使しているわけですから、長持ちしたほうではないでしょうか。お疲れさまでした。

 

12)スライディングテーブル更新

診察室の私と患者さんの間にある、横から出てくるテーブルです。これも毎日毎日横の動き、縦の動きで酷使していますので、今までも何度も修理してきましたが、今回遂に更新です。新しいテーブルは左右上下の動きに加え、患者さん側に前にも動くスグレモノです。色も黄色で椅子の色に合わせてみました。

 

201611

13)ウッドデッキに手すり

ウッドデッキに手すりをつけてもらいました。正面お階段に2カ所、横のスロープにも手すりをつけました。これで冬場の安全もアップしたのではないかと思います。

 

14)診察室の足元にシール

診察室に入ってくる時に真直ぐ入って椅子に腰かけていただきたいので(コードに引っかからないように)床にシールで導線を描いてもらいました。やっぱり黄色で統一しました。

 

15)トイレの案内板

トイレの案内板は壁に貼っていますが、分かりにくいとのご指摘がありました。壁に飛び出しの案内板を追加でつけました。

 

16)塀の改修

クリニックの西側にある黄色いブロック塀ですが、色が剥げてきたところが目立つようになりましたので、一度剥いで塗り直しました。

 

17)「先週の優しい眼科」

中待ちの柱にスタッフ作製の「優しい眼科情報」を毎月貼り替えていますが、一番下に「先週の優しい眼科」を貼りました。Facebook に毎週書いているものをプリントアウトして貼るようにしました。

 

18)カレンダー解説、しまじろう更新

待合本棚の上に貼っている参天製薬のカレンダーを利用した病気の解説ですが、色あせてきましたので更新しました。窓ガラスにしまじろうのポスターを貼りました。

 

19)加湿器

待合のカウンターと手術待合室に加湿器を置きました。

 

201612月:

20)ソファの張替え

待合のカンディハウスのソファですが、汚れも気になりましたので張替えてもらいました。色を黄色からウグイス色に変えてもらいました。

 

以上、ザッと振り返ってみましたが、意外と色々と変わっていました。皆さん、いくつ気づいていましたか?


早く良くなってもらうために

早く治すために大事なこと

 

眼のことに関わらず、何か症状や病気があると、気分は沈むし、日常生活やお仕事の上で、何かと不自由があったりと大変ですよね。

やはり、一日でも早く治すことができたら一番良いですよね。

私も、眼科医として適切な診断と処置、手術や投薬などで皆さんが一日でも早く不自由な状態から抜け出せるよう、常に最大限の診療を心掛けています。

ですが、症状や病気というものは、私たち医師と、患者の皆さんとで、一緒に治していくものです。

皆さんの「治そう」という気持ちが弱いときと、強いときとでは、症状の良くなり方が違うものなのです。

日常生活の上で、どうしてもできない場合などは仕方ありませんが、できるだけ、薬の使い方を守ったり、次回通院するタイミングなど「医師がお願いしたこと」はできる限り、守っていただけると症状も、早く良くなると思います。

また、説明がよくわからなかった場合や疑問などは、遠慮なく医師におっしゃってくださいね。

私たち医師は誰もが、患者さんが困っていることを、一刻も早く取り除いて、楽にしてあげたいと日々頑張っています。

皆さんも、早く治すために一緒に頑張りましょうね!