はやり目
プール熱
アレルギー性結膜炎
はやり目<2004.7.1発行 優しい眼科クリニック第8号から>
これからの季節に流行するウイルス性の結膜炎「はやり目」について、お話させていただこうと思います。
はやり目をはじめとして、眼科の病気の中には病名に俗称のついているものが、いくつかあります。
例えば・・・・・
ものもらい、めっぱ、つき目、目星、雪目、鳥目、涙目、逆まつげ、白そこひ、青そこひ、
などがあります。俗称がつくくらい、ニックネームで呼ばれるくらい、昔から目の病気は身近なものだったというこでしょうか。医学の進歩によって、その治療法が確立した病気もたくさんありますが、はやり目は、原因ははっきりしているものの、その治療方法は、いまだ対症療法にとどまっています。
結膜炎とは
「結膜炎とは、結膜の炎症性疾患の総称です」といっても、わかったような、わからないような説明ですよね。眼科の病気の中でも、非常に多く見られるものですが、一言で説明しようとしますと、非常に難しいと思います。
結膜って
結膜炎の結膜は、しろ目を覆っている透明な粘膜です。目のまん中の黒目(角膜)の縁から瞼の裏側まで続いています。結膜は、場所によって名前がついており、しろ目の表面を球結膜、瞼の裏側を瞼結膜といいます。この結膜が赤くなったり(充血)、腫れたり(浮腫)、瞼の裏にブツブツができたり(濾胞)、目やにが出たり(眼脂)、涙が出たり(流涙)、痒くなったり(掻痒感)、ゴロゴロしたり(異物感)という症状が出たら結膜に炎症が生じていると考えられます。
結膜炎の原因
結膜炎の原因として、
1. ウイルス
2. 細菌
3. アレルギー
4. その他
の4つがあります。「はやり目」は、結膜炎の中でも、ウイルスが原因でおきるもので、人にうつる危険性がある感染性の結膜炎です。
「はやり目」には、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の3つがあります。流行性角結膜炎と咽頭結膜熱の原因はアデノウイルスで、急性出血性結膜炎の原因はエンテロウイルスかコクサッキーウイルスです。原因ははっきりしているものの、これらの原因ウイルスをやっつける特効薬は、まだ開発されておりません。感染したウイルスに対する免疫ができて、自然に治るのを待つしかないのがつらい所です。以前は「インフルエンザのようなものです。インフルエンザは普通の風邪より症状が強くて、うつり易く特効薬がないんです。安静にして体力をつけて治るのを待ちましょう。」って説明しておりましたが、すでにインフルエンザには、特効薬が開発されましたので、良い例え話ができなくなってしまいました。はやり目にも、特効薬が開発されることと期待しております。
アデノウイルスによる結膜炎は、以前はその症状、所見から診断していました。普通の結膜炎より症状が強い場合、つまり充血が強い、目やに・涙が多い、ゴロゴロ感が強いなどの症状です。現在では、アデノチェックという角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原検出試薬がありますので、短時間でアデノウイルスによる結膜炎を確定診断することができます。アデノチェックで陽性反応が出た場合、間違いなくアデノウイルス結膜炎と診断できますが、陰性反応の時には、アデノウイルス結膜炎でないとは、断言できません・・・。これは、検査の感度の問題で、ウイルスの量が少ないと陰性に出てしまう場合があるためです。
特効薬がないのに、なぜ検査を?
特効薬がないのに、検査をする理由は、うつるものか、そうでないかを明らかにするためです。はやり目であることがわかれば、家族や他の人にうつさないように、万全の体制をとっていただくためです。
はやり目は伝染(うつ)るんです
といっても、空気感染する訳ではありません。目を触った手からうつります。ですから、一番の予防策は手洗いです。石鹸と流水で、よく洗って下さい。目がいずく、どうしても触りたくなると思いますが、その時は、ティッシュペーパーを使い、専用のビニール袋にためて、捨てるようにしましょう。不用意にゴミ箱に捨てますと、ゴミ箱をきれいにする時にうつってしまう可能性があります。タオルの共用は止めましょう。そして、幼稚園・学校は休まなければなりません。他の人に接するお仕事であれば、休んで下さい。
こんの優眼科クリニックでの感染予防策
院内感染を防ぐために手洗いを励行しており、自動給水・ジェットタオルを設置しています。はやり目を疑う患者さんには、申し訳ございませんが、中待ちの椅子でお待ちいただきます。診察後、ドアノブ、診察用顕微鏡などは、アルコールにて消毒致します。院内感染を防ぐためには、厳重なる消毒が必要となります。はやり目で目を患っている患者さんのお気持ちを煩わせないように、注意して消毒致しますが、そのような場に遭遇しました際は、どうぞご理解ご協力の程、お願い申し上げます。
プール熱<2006.8.1発行 優しい眼科クリニック第33号から>
夏と言えば…
夏と言えばプールですよね。実は私、泳げないものですから、あまりプールには馴染みがありませんでした。子どもと一緒にたまに行くことがある程度なのです。その「プール」が名前についている病気があります。ご存知の『プール熱』です。「プール熱」というのは俗称で、正式には「咽頭結膜熱」といいます。プールで遊んだ後に、症状が出たり、プールで遊んでいた子どもたちの中で流行したりすることから、「プール熱」と呼ばれています。でも、私のように「泳げないのでプールに行かないから、かからない」という訳でもないのです。この「プール熱」も「はやり目」の一つなのです。今年は、過去10年間のうちで、最も「プール熱」が流行っているとのことですので、是非ご注意を。
はやり目って
白目を覆っている透明な膜が結膜です。結膜が赤くなったり(充血)、腫れたり(浮腫)、瞼の裏にブツブツができたり(濾胞)、目やにが出たり(眼脂)、涙が出たり(流涙)、痒くなったり(掻痒感)、ゴロゴロしたり(異物感)という症状が出たら結膜に炎症が生じていると考えられます。「はやり目」は、結膜炎の中でも、ウイルスが原因でおきるもので、人にうつる危険性がある感染性の結膜炎です。「はやり目」は他の結膜炎よりも症状が強く、特にお子さんでは強く現れます。
「はやり目」には、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の3つがあります。流行性角結膜炎と咽頭結膜熱の原因はアデノウイルスで、急性出血性結膜炎の原因はエンテロウイルスかコクサッキーウイルスです。原因ははっきりしているものの、これらの原因ウイルスをやっつける特効薬は、まだ開発されておりません。感染したウイルスに対する免疫ができて、自然に治るのを待つしかないのがつらい所です。
うつらない、うつさないように注意しましょう。
うつらないために普段から注意すること
・目を擦ったり、触ったりしない
・手は石鹸と流水でよく洗う
・プール後は目を洗う
うつさないために(なってしまったら特に注意)
・目を擦ったり、触ったりしない(ティッシュペーパーで触れて確実に捨てる)
・手は石鹸と流水でよく洗う(触れた蛇口も洗う)
・プールは許可が出るまで禁止
・学校、幼稚園、保育園は許可が出るまで休む
・タオルや洗面用具は使い回ししない
・お風呂は最後に入る
・休養をとって体力を落とさない
アデノウイルスによる結膜炎は、以前はその症状、所見から診断していました。普通の結膜炎より症状が強い場合、つまり充血が強い、目やに・涙が多い、ゴロゴロ感が強いなどの症状です。現在では、角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原検出試薬がありますので、短時間でアデノウイルスによる結膜炎を確定診断することができます。検査で陽性反応が出た場合、間違いなくアデノウイルス結膜炎と診断できますが、陰性反応の時には、アデノウイルス結膜炎でないとは、断言できません・・・。これは、検査の感度の問題で、ウイルスの量が少ないと陰性に出てしまう場合があるためです。
特効薬がないのに、なぜ検査を?
特効薬がないのに、検査をする理由は、うつるものか、そうでないかを明らかにするためです。はやり目であることがわかれば、家族や他の人にうつさないように、万全の体制をとっていただくためです。
プール熱が大流行
咽頭結膜熱はその名前通り、のどにもウイルスがいますので、咳やくしゃみからもうつる心配があります。日本全国の約3000カ所の小児科が定点報告所として、咽頭結膜熱の流行を報告しています。今年は1月から6月までで約4万1500人の発症が報告されており、過去10年間で最多だった2年前の約2万4000人も1.7倍以上の流行とのことです。お子さんの発熱、のどの腫れ、目の充血など、あやしいなと思ったら、是非小児科にご相談を。
こんの優眼科クリニックでの感染予防策
院内感染を防ぐために手洗いを励行しており、自動給水・ジェットタオルを設置しています。はやり目を疑う患者さんには、申し訳ございませんが、中待ちの椅子でお待ちいただきます。ご家族の中に目が赤く、目やにが出ている方がいらっしゃる場合は、受付でお伝え下さい。診察後も会計まで中待ちの椅子でお待ちいただきます。院外薬局での感染拡大を防止する目的で院内処方をさせていただきます。また診察後、ドアノブ、診察用顕微鏡などは、アルコールにて消毒致します。院内感染を防ぐためには、厳重なる消毒が必要となります。はやり目で目を患っている患者さんのお気持ちを煩わせないように、注意して消毒致しますが、そのような場に遭遇しました際は、どうぞご理解ご協力の程、お願い申し上げます。
アレルギー性結膜炎<2005.3.1発行 優しい眼科クリニック第16号から>
飛散で悲惨
去年の夏は凄く暑かったですよね。台風もありましたし、異常気象という言葉を何度もテレビから聞いていたような感じがします。本州ではスギの木が多いですから、好天の夏の翌年はスギ花粉の飛散量が増え、スギ花粉症の方は悲惨な目に合ってしまうのです。旭川ではスギ花粉のアレルギーで悩まされる方は多くないと思いますが、シラカバやイネ科の花粉アレルギーの方は、増えてきていると思われます。
アレルギーとは
私たちの身体には、細菌やウイルスなどの外敵から身を守る「免疫」という働きがあります。この有難い「免疫」の働きが、かえって人間に害を与える場合を「アレルギー」と呼んでいます。過ぎたるは及ばざるが如し…といいますが、まさにありがた迷惑というのがアレルギーなのです。
実は私も
それほどひどくはなかったのですが、大学に入ってからネコを飼っている友人の家に行くと、目が痒くなって白目が水ぶくれになったり、ほこりでくしゃみが連発したり、のどの奥が痒くてたまらなくなったりすることがありました。とは、いいましても時々だけでしたし、日常生活に支障をきたすことはありませんでしたので、アレルギー体質なんだろうなくらいで病院にもかからず、ほおっておいていました。
ある日突然
今から7年前のある日ある晩、家族で食事に出かけました。普段はほとんどお酒は飲まないのですが、その日はビールをいっぱい飲みました。いっぱいと言ってもジョッキ一杯で、たくさん飲んだ訳ではないのです。その帰り道、妻が買い物にお店に寄っている間、子どもに挟まれて後部座席で待っている間に事件が起きました。突然、咳が出て止まらなくなってしまったのです。最初は気楽に考えていましたが、段々と苦しくなり、ちょっと焦ってきました。ほんの数分のことだと思いますが、苦しく長い時間に感じました。隣に座っていた娘(当時小学2年生)が心配そうに背中をさすってくれて、顔をのぞきこんで「パパ、だいじょうぶ?」何て優しい娘なんだろうと感激していたら「これって、うつらない?」そっちが心配だったのでしょうか…
声が出なかったのは苦しかっただけだからではなかったのです…その発作は何とか自然に良くなったので助かりましたが、その後もビールを飲んだ後、雪かきをした時、出張先の旅館に泊まった時に咳発作に襲われるようになり、内科で気管支喘息の診断を受け、一時期は薬を服用し、発作時のスプレー薬も携帯していました。規則正しい生活に気をつけるようにしてからは、おかげ様で発作も起きなくなり、内服も止めています。
アレルギー体質
話は脱線しましたが、アレルギーは蕁麻疹などを起こしやすい過敏体質の人に多い病気です。
気管支喘息
アトピー性皮膚炎
アレルギー性鼻炎
アレルギー性結膜炎
などが、同じグループの病気と考えられますが、他に症状はないけれど、目だけ痒いという方は、アレルギーが軽症と考えることができます。
アレルギー性結膜炎
目のアレルギーのうちで代表的なものは、アレルギー性結膜炎です。春や秋など毎年決まった時期に起こりやすい季節型と季節にかかわらない通年型があります。季節型は花粉症の目の部分症状と考えることができます。北海道での花粉症の原因となりやすい植物は、3~4月のスギ・ヒノキ科、5月のシラカバ属の植物、6~8月のイネ科植物、9月のキク科植物があげられます。一方、通年型の原因物質としては、ハウスダストという家の中で発生する細かいホコリで、ダニの死体やフン、カビ、ペットの毛やフケなどが考えられています。症状としては、強い痒みが主なもので、炎症がひどくなると瞼の裏の結膜や、白目の充血が起こってきます。急に強い炎症が起きたり、目を強く擦りすぎた時には白目が腫れて水が溜まったようになります。
効果的な治療は目薬
アレルギー性結膜炎の治療には主に目薬が使われます。1)抗アレルギー薬、2)抗ヒスタミン薬、3)ステロイド薬、4)人工涙液の4種類に大きく分けられます。
(1) 抗アレルギー薬
近年、いくつかの抗アレルギー薬が新しく点眼薬として開発されており、現在では6種類の抗アレルギー点眼薬から選択することができるようになりました。抗アレルギー薬は、副作用も少なく、適切な使用方法によりかなりの効果が期待できますが、症状が悪化してから使ってもあまり効きません。季節型の場合は症状が出る前からの点眼がお勧めです。通年型では症状軽快時にも点眼回数をやや減らして、点眼継続するなどの工夫が必要です。
(2) 抗ヒスタミン薬
アレルギー反応が始まると、ヒスタミンという物質が放出されて痒みや充血を引き起こします。抗ヒスタミン薬はこれを抑えます。2種類の点眼薬があり、比較的かゆみや充血を抑える力が強いようです。
(3) ステロイド薬
アレルギー性炎症が慢性化したり重症化した後では、ステロイド薬が必要になることが多いものです。軽症では、症状のひどい時に短期間、低濃度のステロイド点眼薬を併用すればかなりの効果があります。重症になると高濃度のステロイド点眼薬が必要になります。ステロイドには白内障や緑内障をひき起す危険がありますので、眼科専門医の定期検査が必要です。
(4) 人工涙液
ドライアイはアレルギーを起こしやすくするだけでなく、悪化させることもあることが分かっています。通年型にドライアイを併発していることも多いので、検査をお勧めします。人工涙液は防腐剤が入っていませんので、頻繁に使ってアレルゲンを目の中から洗い流すのはとても有効です。
花粉症、アレルギー性結膜炎の患者さんも増加していますが、アレルギーに処方するお薬も増えてきています。お薬は合う合わないもありますので、ご自分に適したお薬を見つけて、アレルギーとうまく付き合っていくようにしていただきたいと思います。何なりとお気軽に相談してください。
こんの優眼科クリニックは
『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、
常に『患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子供だったら』と考え、
診察させていただきます。
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