緑内障診療

家庭医学の意外なホントQ&A <20144月 ぶらんとマガジン発行「あなたの街のお医者さんガイド ホームドクター」から

 

家庭医学の意外なホントQ&A

眼科で緑内障と言われました。緑内障とは、どのような病気ですか?失明しますか?

 

自覚症状がほとんどなく、視野が少しずつ狭くなる病気です。視野の欠けや狭まりは治療で元には戻せません。早期発見・治療が重要で、今ある視野を守りましょう。

 

 目の働きや構造はよくカメラに例えられます。黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、これは目の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、カメラのしぼりにあたります。この虹彩の後ろに水晶体という部分があります。水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、網膜(カメラのフィルムにあたる部分)に焦点を結ばせる働きがあります。網膜に映った像が視神経を通して脳に伝えられ、私達は、初めてものを見ることができます。

 

 緑内障は視神経がおかされて、見える範囲(視野)が狭くなる病気です。視神経は100万本以上の神経線維の束で、網膜に映った像を脳に運ぶ、いわば目と脳をつなげるケーブルの働きをしています。電気器具のケーブルが接続部分で壊れやすいように、視神経も視神経乳頭と呼ばれる眼球からの出口の部分が傷害を受けやすくなっています。視神経乳頭に傷害を与える一番の原因は、眼球内の圧力(眼圧)と考えられています。

 

 目には一定の硬さがあります。これは、目の中で作られている水と出ていく水が丁度つり合っていて、目の硬さをほどよい状態に保っているからです。眼圧は血圧と同じ単位(mmHg)で測定されますが、正常の眼圧は1021mmHg です。眼圧が上がることによって、視神経乳頭の傷害が起こることは解明されており、以前は緑内障と言えば、眼圧が高いと考えられていました。しかし、日本人には眼圧が正常範囲に入っていても緑内障になる人が多いことが判明し、正常眼圧緑内障と呼ばれています。正常眼圧緑内障では、視神経の強度が関係しているとみられ、例え正常範囲内の眼圧でも、その患者さんにとっては負担になっていると考えられます。

 

 視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行しているのが緑内障の怖い点です。

 

 緑内障による視野の欠けや狭まりは、治療で元に戻すことはできません。治療の目的は、緑内障がそれ以上に進まないようにすることです。早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことができます。治療は視神経乳頭に傷害を与える一番の原因である眼圧を低くコントロールするということです。自覚症状がなくても、緑内障と診断されたら、治療通院を継続することが視野を守るために重要だと思います。

 

 また、緑内障は年齢とともに増加し、40歳以上の20人に一人の割合でみられるといわれています。特に症状が見られなくても、緑内障を発症しやすくなるといわれる40歳を過ぎたら、一度検査を受けてみることもあわせてお勧めしたいと思います。


緑内障QA <2014年グラフ旭川2月号から>

 

Q 眼科を受診したら、緑内障があると言われました。自分では何の症状もないのに 緑内障って何ですか?

 

A 目の働きや構造はよくカメラに例えられます。黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、これは目の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、カメラのしぼりにあたります。この虹彩の後ろに水晶体という部分があります。水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、網膜(カメラのフィルムにあたる部分)に焦点を結ばせる働きがあります。網膜に映った像が視神経を通して脳に伝えられ、私達は、初めてものを見ることができます。

 緑内障は視神経がおかされて、見える範囲(視野)が狭くなる病気です。視神経は100万本以上の神経線維の束で、網膜に映った像を脳に運ぶ、いわば目と脳をつなげるケーブルの働きをしています。電気器具のケーブルが接続部分で壊れやすいように、視神経も視神経乳頭と呼ばれる眼球からの出口の部分が傷害を受けやすくなっています。視神経乳頭に傷害を与える一番の原因は、眼球内の圧力(眼圧)と考えられています。

 

Q 眼圧って何ですか?

 

A 目には一定の硬さがあります。これは、目の中で作られている水と出ていく水が丁度つり合っていて、目の硬さをほどよい状態に保っているからです。

 眼圧は血圧と同じ単位(mmHg)で測定されますが、正常の眼圧は1021mmHg です。眼圧が上がることによって、視神経乳頭の傷害が起こることは解明されており、以前は緑内障と言えば、眼圧が高いと考えられていました。しかし、日本人には眼圧が正常範囲に入っていても緑内障になる人が多いことが判明し、正常眼圧緑内障と呼ばれています。正常眼圧緑内障では、視神経の強度が関係しているとみられ、例え正常範囲内の眼圧でも、その患者さんにとっては負担になっていると考えられます。

 

Q 白内障はよく聞きますが、緑内障って珍しいですよね?

 

A 日本緑内障学会の調査によりますと、緑内障の患者さんの割合は40歳以上の17人に1人と考えられます。60歳代では13人に1人、70歳以上では8人に1人が緑内障ということがわかりましたので、決して珍しい病気ではありません。

 

Q 緑内障は失明する病気なんですよね?

 

A 視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行しているのが緑内障の怖い点です。

 緑内障による視野の欠けや狭まりは、治療で元に戻すことはできません。治療の目的は、緑内障がそれ以上に進まないようにすることです。早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことができます。治療は視神経乳頭に傷害を与える一番の原因である眼圧を低くコントロールするということです。

 現在では緑内障治療の点眼薬だけでも10種類以上あり、非常によく眼圧を下げる点眼薬も出ています。まずは点眼薬による治療が開始されますが、病状の進行が止められない場合にはレーザー療法、手術療法が必要になる場合もあります。

 

Q 緑内障で目薬を寝る前にさすように言われました。寝る前に目薬をさしていいんですか?

 

A かなり昔のことになりますが、寝る前に点眼すると副作用が出やすい薬がありました。 その頃には、寝る前には目薬をささないほうが良いと言われていたと思いますが、現在使われているほとんどの目薬は、寝る前に使用しても問題はありません。特に緑内障の目薬の中には、寝る前にさすことが勧められているものがあります。

 

Q 緑内障の目薬をしたあとに、顔を洗うように言われたのですが?

 

A 緑内障の目薬の中には、目のまわりの皮膚の毛が生えてくる副作用を持つものがあります。その副作用を出さないために、目薬をしたあとに、顔を洗うことが勧められています。一番いいのは、目薬を入浴前にさすことだと思います。


17分の1 <2010年グラフ旭川2月号から>

 

1.はじめに

 「17分の1」という確率は高いでしょうか、皆さんはどう感じられますか?

 124日に発表された年賀状の4等のお年玉切手シートの当たる確率は50分の1です。当たりそうで、なかなか当たりませんよね。

 40歳以上の17人に1人と言われたら、どうですか?久しぶりに集まったクラス会、クラスの中に2人か3人いるとすると多いですよね。

 実はこの40歳以上の17人に1人というのは、緑内障の患者さんの割合なのです。日本緑内障学会の調査によりますと、60歳代では13人に1人、70歳以上では8人に1人が緑内障ということがわかりました。

 

2.緑内障とは

 人はどのような仕組みでものを見ているのでしょうか。ものを見る仕組みを考えながら、緑内障という病気について考えてみましょう。

 目の働きや構造はよくカメラに例えられます。黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、これは目の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、カメラのしぼりにあたります。この虹彩の後ろに水晶体という部分があります。水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、網膜(カメラのフィルムにあたる部分)に焦点を結ばせる働きがあります。網膜に映った像が視神経を通して脳に伝えられ、私達は、初めてものを見ることができるのです。

 緑内障は視神経がおかされて、見える範囲(視野)が狭くなる病気です。視神経は100万本以上の神経線維の束で、網膜に映った像を脳に運ぶ、いわば目と脳をつなげるケーブルの働きをしています。電気器具のケーブルが接続部分で壊れやすいように、視神経も視神経乳頭と呼ばれる眼球からの出口の部分が傷害を受けやすくなっています。視神経乳頭に傷害を与える一番の原因は、眼球内の圧力(眼圧)と考えられています。

 

3.眼圧とは

 目には一定の硬さがあります。これは、目の中で作られている水と出ていく水が丁度つり合っていて、目の硬さをほどよい状態に保っているからです。眼圧は血圧と同じ単位(mmHg)で測定されますが、正常の眼圧は1021mmHg です。眼圧が上がることによって、視神経乳頭の傷害が起こることは解明されており、以前は緑内障と言えば、眼圧が高いと考えられていました。しかし、日本人には眼圧が正常範囲に入っていても緑内障になる人が多いことが判明し、正常眼圧緑内障と呼ばれています。正常眼圧緑内障では、視神経の強度が関係しているとみられ、例え正常範囲内の眼圧でも、その患者さんにとっては負担になっていると考えられます。

 

4.緑内障の症状・検査

 視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行しているのが緑内障の怖い点です。

 緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査などから診断でき、これらは眼科で一般的に行われる検査です。緑内障は自覚症状がほとんどありませんので、眼科受診した際に偶然発見されるということが最も多いのです。どの検査も、痛くありませんので安心して検査を受けて下さい。

初期:視界の中心をややはずれた所に暗点が出来ます。異常を自覚することはありません。

中期:暗点が拡大し、視野の欠損が広がり始めます。しかしこの段階でも片方の目で補われるために、異常に気付かないことが多いようです。

末期:視野は更に狭くなり視力も悪くなって日常生活にも支障を来すようになります。


5.緑内障の治療

 緑内障による視野の欠けや狭まりは、治療で元に戻すことはできません。治療の目的は、緑内障がそれ以上に進まないようにすることです。早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことができます。治療は視神経乳頭に傷害を与える一番の原因である眼圧を低くコントロールするということです。

 現在では緑内障治療の点眼薬だけでも10種類以上あり、非常によく眼圧を下げる点眼薬も出ています。まずは点眼薬による治療が開始されますが、病状の進行が止められない場合にはレーザー療法、手術療法が必要になる場合もあります。

 

6.さいごに

 緑内障は、白内障とならんで壮年期以降の人々にみられる眼科の代表的な病気です。白内障の多くは、白髪や肌のシワと同じで、年齢とともに誰にでも起きる変化ですが、緑内障は皆に起きる変化ではなく、目の病気です。緑内障と白内障、名前はよく似ていますが、全く別の病気です。緑内障は早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことが出来ます。生涯にわたり目の健康を保つために、40歳を過ぎたらぜひ眼科での目の検診を受けることをお勧め致します。


20051月 財界さっぽろ発行の「あなたの街のお医者さんガイド ホームドクター」から>

 

白内障は良性の病気。緑内障は早期検査・発見が大切

 

 白内障とは、カメラのレンズにあたる水晶体が白く濁ってくる状態をいう。冬の寒い日に、外から家の中に入った時メガネが曇って見えなくなってしまうように、目の中に曇ったレンズが入っているために、目がかすんでしまう状態を白内障という。

 水晶体が濁り始めると、モノがかすんだり、二重に見えたりし、進行すれば視力が低下し、眼鏡での矯正ができなくなる。

 

 これに対して緑内障は、視神経がおかされて、見える範囲(視野)が狭くなる病気だ。

 視神経は100万本以上の神経線維の束で構成され、網膜に映った像を脳に運ぶ、いわば目と脳をつなげるケーブルの働きをしている。電気器具のケーブルが接続部分で壊れやすいように、視神経も視神経乳頭と呼ばれる眼球からの出口の部分が傷害を受けやすくなっている。

 視神経乳頭に傷害を与える一番の原因は、眼球内の圧力(眼圧)と考えられている。視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けていく。

 「しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行しているのが緑内障の怖い点です。緑内障は眼圧検査、眼底検査、視野検査などから診断でき、これらは眼科で一般的に行われる検査です。緑内障は自覚症状がほとんどありませんので、眼科を受診した際に偶然発見されることが最も多いのです」とこんの優眼科クリニックの今野優院長は早期発見を呼びかける。

 

 白内障は全身疾患がなければ日帰り手術も可能

 進行した白内障は濁った水晶体を手術によって取り除く方法が一般的に行われる。白内障は手術により視力を取り戻すことができる良性の病気である。

 「検査で白内障と診断されても、患者さんが苦にならなければ急いで手術を受ける必要はありません。いつ手術を受けるかは“ご本人が不自由を感じた時”だと思います。それほど安全な手術です。車を運転している方であれば、視力が0.7をきったら手術が必要です」(今野院長)

 手術は局所麻酔で行われ痛みはない。進行程度にもよるが、通常1030分程で終わる。最近の手術法は超音波乳化吸引術という方法が一般的で、3ミリくらいの傷から超音波の力で水晶体の濁った中身だけを吸い出し、屈折力を補正するための眼内レンズを挿入する。縫合の必要もない。

 「小切開無縫合超音波乳化吸引術を行うことにより、日帰り白内障手術を受けることもできます。日帰り手術を受ける患者さんは、通院できる方、重篤な合併症のない方、家族の協力が得られる方などが条件となります。材質の良い眼内レンズも開発されていますので、安心して手術を受けてください」(今野院長)

 

 緑内障による視野の欠けや狭まりは、治療で元に戻すことはできない。進行を止めることが治療の目的となる。眼圧を下げる点眼薬による治療を開始し、それでも病状の進行が止められない場合には、レーザー療法や手術療法が必要となる。日本緑内障学会の調査によると、40歳以上の5.78%が緑内障患者、およそ17人に1人、60歳代では13人に1人、70歳以上では8人に1人が緑内障であることがわかった。

 単なる目の疲れと自己判断せず、自覚症状の少ない緑内障から目を守るためには、40歳を越えたら目の検診を受けることが大切だ。


緑内障 <2004年グラフ旭川5月号から>

 

1.はじめに

 緑内障は、白内障とならんで壮年期以降の人々にみられる眼科の代表的な病気です。白内障の多くは、白髪や肌のシワと同じで、年齢とともに誰にでも起きる変化ですが、緑内障は皆に起きる変化ではなく、目の病気です。緑内障と白内障、名前はよく似ていますが、全く別の病気です。白内障につきまして、昨年の10月号で説明させていただきましたが、「もう、白内障は、こわ(は)くないしょ」ということが、おわかりいただけたかと思います。今回は緑内障についてですが、「緑内障なら失明するんでしょ、よくないしょ」とお思いの方が多くいらっしゃるようですが、近年の眼科医療の進歩で、緑内障の治療も薬物療法、レーザー療法、手術療法と選択肢が増えました。なかでも薬物点眼療法の進歩には目覚ましいものがあります。緑内障は早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことができます。生涯にわたり目の健康を保つために、40歳を過ぎたらぜひ眼科で目の検診を受けることをお勧め致します。

 

2.緑内障とは

 人はどのような仕組みでものを見ているのでしょうか。ものを見る仕組みを考えながら、緑内障という病気について考えてみましょう。

 目の働きや構造はよくカメラに例えられます。黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、これは目の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、カメラのしぼりにあたります。この虹彩の後ろに水晶体という部分があります。水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、網膜(カメラのフィルムにあたる部分)に焦点を結ばせる働きがあります。網膜に映った像が視神経を通して脳に伝えられ、私達は、初めてものを見ることができるのです。

 緑内障は視神経がおかされて、見える範囲(視野)が狭くなる病気です。視神経は100万本以上の神経線維の束で、網膜に映った像を脳に運ぶ、いわば目と脳をつなげるケーブルの働きをしています。電気器具のケーブルが接続部分で壊れやすいように、視神経も視神経乳頭と呼ばれる眼球からの出口の部分が傷害を受けやすくなっています。視神経乳頭に傷害を与える一番の原因は、眼球内の圧力(眼圧)と考えられています。

 

3.眼圧とは

 目には一定の硬さがあります。これは、目の中で作られている水と出ていく水が丁度つり合っていて、目の硬さをほどよい状態に保っているからです。眼圧は血圧と同じ単位(mmHg)で測定されますが、正常の眼圧は1021mmHg です。眼圧が上がることによって、視神経乳頭の傷害が起こることは解明されており、以前は緑内障と言えば、眼圧が高いと考えられていました。しかし、日本人には眼圧が正常範囲に入っていても緑内障になる人が多いことが判明し、正常眼圧緑内障と呼ばれています。正常眼圧緑内障では、視神経の強度が関係しているとみられ、例え正常範囲内の眼圧でも、その患者さんにとっては負担になっていると考えられます。

 

4.緑内障の症状・検査

 視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行しているのが緑内障の怖い点です。

 緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査などから診断でき、これらは眼科で一般的に行われる検査です。緑内障は自覚症状がほとんどありませんので、眼科受診した際に偶然発見されるということが最も多いのです。どの検査も、痛くありませんので安心して検査を受けて下さい。

 

5.緑内障の治療

 緑内障による視野の欠けや狭まりは、治療で元に戻すことはできません。治療の目的は、緑内障がそれ以上に進まないようにすることです。早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことができます。治療は視神経乳頭に傷害を与える一番の原因である眼圧を低くコントロールするということです。

現在では緑内障治療の点眼薬だけでも10種類以上あり、非常によく眼圧を下げる点眼薬も出ています。まずは点眼薬による治療が開始されますが、病状の進行が止められない場合にはレーザー療法、手術療法が必要になる場合もあります。

 

6.さいごに 

 日本緑内障学会の調査によりますと、40歳以上の5.78%が緑内障患者であるといわれています。およそ17人に1人が緑内障ということになります。また60歳代では13人に1人、70歳以上では8人に1人が緑内障ということがわかりました。何となく目に疲れを感じ始める年代とも一致しておりますが、単なる疲れ目と自己判断せずに、自覚症状の少ない緑内障から目を守るために、是非目の検診をお勧め致します。