やさしい眼科のお話2005

やさしい眼科のお話(01)

挨拶 17/04/18


やさしい眼科のお話(02)

眼科学校検診 17/05/02


やさしい眼科のお話(03)

緑内障 17/06/06


やさしい眼科のお話(04)

はやり目 17/07/04


やさしい眼科のお話(05)

コンタクトレンズ 17/08/01


やさしい眼科のお話(06)

飛蚊症 17/09/05


やさしい眼科のお話(07)

涙目 17/10/03


やさしい眼科のお話(08)

ドライアイ 17/11/07


やさしい眼科のお話(09)

クリスマスツリー白内障 17/12/05


やさしい眼科のお話(10)

戌年のご挨拶 18/01/03


やさしい眼科のお話(11)

先天鼻涙管閉塞症 18/02/06


やさしい眼科のお話(12)

乱視 18/03/06

やさしい眼科のお話(1)

 はじめまして。この度、スマイルなるほど医学の(第3水曜日の)担当に加えていただきました今野優(こんのすぐる)と申します。春光に住んでおりますので、スマイルは楽しく読ませていただいております。読み手から書き手にかわって、緊張しますが、楽しく読んで眼科の知識がつくような内容にしたいと考えています。
 今回は初めてですので自己紹介をさせて下さい。
 平成15年7月、『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、曙1条6丁目にこんの優眼科クリニックを開設致しました。常に『患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子供だったら』と考え、診察させていただいております。当クリニックでは、特に白内障日帰り手術、緑内障治療、糖尿病網膜症治療、ドライアイ治療、コンタクトレンズ診療に、積極的に取り組んでいます。『こんな優しい眼科クリニックがあったらいいな』と思う眼科クリニックを実現させるために、スタッフ一同、力を合わせて、頑張っております。
いつもは「優しい眼科」をめざしていますが、このスマイルでは「易しい眼科」のお話を心掛けたいと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。


やさしい眼科のお話(2)眼科学校検診

 新学期が始まり、一月経ちますので、学校生活にももう慣れてきたころだと思います。この時期には、眼科学校検診がありますね。平成4年4月1日から学校保健法施行規則の一部が改正され、学校検診の視力検査は、0.3、0.7、1.0の3指標で行うことになりました。これは、0.3で教室の一番前から黒板の字が見える視力、0.7で教室の一番後からでも黒板の字が見える視力、1.0で健常視力の3つを基準としています。視力が学業に影響を及ぼさないか調べるのに、合理的ですし、お子さんの視力の揺らぎを考えましても、理にかなっている方法だと思います。学校検診で「要再検査」の用紙をもらったら、やはり一度眼科での検査をお受けください。学校検診では(1)視力低下の原因が、近視か遠視か乱視か病気によるものかはわかりません。(2)眼鏡が必要かどうか、わかりません。(3)仮性近視であれば、点眼治療で視力が回復する可能性があります。学校からもらった用紙も持参いただき、結果を記入させていただきます。


やさしい眼科のお話(3)緑内障

6月といえば、「ジューンブライド」。結婚式の最良の季節と言われますが、それにまつわる眼科のお話は思い付きませんでしたので、語呂合わせで6ないしょう、「緑内障」のお話です。以前は緑内障と言えば、眼圧の高い病気と考えられていました。眼圧とは目の硬さですが、目の中に入っている水の出入りのバランスがくずれて眼圧が高くなると緑内障になると考えられていました。緑内障になると目の神経がダメージを受けて、見える範囲(視野)が狭くなります。ところが、日本人には眼圧が高くない「正常眼圧緑内障」が多いことが判明し、40才以上の17人に一人が緑内障ということが分かりました。緑内障は自覚症状が、なかなか出て来ない病気ですので、気づいた時には病気が進行していることが多いのです。何となく目に疲れを感じ始める年代とも一致していますが、単なる疲れ目と自己判断せずに、自覚症状の少ない緑内障から目を守るために、是非目の検診をお勧め致します。


やさしい眼科のお話(4)はやり目

 今日は合衆国の独立記念日です。アメリカがくしゃみをすると、日本が風邪をひくと言われて久しいですが、アメリカが「はやり目」になると、日本はどうなるのでしょうか?
 いよいよ夏も近づいて来ていますが、夏は「はやり目」という結膜炎の流行する季節です。結膜は、しろ目を覆っている透明な粘膜です。目のまん中の黒目(角膜)の縁から瞼の裏側まで続いています。結膜は、場所によって名前がついており、しろ目の表面を球結膜、瞼の裏側を瞼結膜といいます。この結膜が赤くなったり(充血)、腫れたり(浮腫)、瞼の裏にブツブツができたり(濾胞)、目やにが出たり(眼脂)、涙が出たり(流涙)、痒くなったり(掻痒感)、ゴロゴロしたり(異物感)という症状が出たら結膜に炎症が生じていると考えられます。
 結膜炎の原因として、1. ウイルス、2. 細菌、3. アレルギー、4. その他、の4つがあります。「はやり目」は、結膜炎の中でも、ウイルスが原因でおきるもので、人にうつる危険性がある感染性の結膜炎です。はやり目であることがわかれば、家族や他の人にうつさないように、万全の体制をとっていただく必要がありますので、「たかが結膜炎」と考えないで、是非、眼科で診察を受けて下さい。


やさしい眼科のお話(5)コンタクトレンズ

 夏の日ざしが強くなっている今日このごろ、眼鏡をかけている方は汗で眼鏡がズリおちたり、サングラスがかけられなかったりと、不自由を感じているかもしれません。「コンタクトレンズ(CL)に変えてみようかな」と思う方が増える季節でもあります。
 私自身CLユーザー歴22年のベテランですが、私のCLに対する考え方は「CLはあくまでも目にとっては異物であり、きちんと使用しなければ、目に害を及ぼす危険性のあるもの」ですが、「きちんと使用すれば安全であり、視力の悪い人にとって非常に便利でありがたいもの」というものです。CLを使用する方に(既に使用している方にも)強調したいことは、「眼鏡と併用しましょう」ということです。角膜に必要なものは、酸素です。角膜は涙から酸素という栄養を受けていますので、正しいフィッティングで、酸素透過性の優れたレンズを、正しい使用法で装用しなければなりません。起きている時間帯に眼鏡をかけて、CLをしていない状態の時間を持つようにしましょう。お勧めは、お家に帰ったら眼鏡にすることです。CLは眼鏡の代わりに使えるものですが、眼鏡の替わりに使うものではありません。
 大切な目です。CLは「目に入れても痛くないように」可愛がって下さい。


やさしい眼科のお話(6)飛蚊症

 お盆を過ぎますと、北海道の夏は一気に終わって、秋の風を感じる季節になりました。読書の秋 本を読んでいて何か目の前を蚊が飛んでいるような、蚊の季節は終わったはずなのに…なんて感じることはありませんか。蚊はもちろん夏の虫です。飛蚊症は季節に関係なく起きる症状ですが、大変な目の病気で起こっていることもありますので、無視できないものです。
 飛蚊症で受診される方のほとんどは、心配のないもの(病気ではないもの)なのですが、なかには網膜剥離や網膜剥離の原因となる網膜の穴が見つかる場合や、目の中の出血や、目の中の炎症など病的なものが原因となっている場合もあります。飛蚊症には(1)心配ないもの:生理的飛蚊症、(2)病気によるもの:病的飛蚊症があるのです。
 飛蚊症の場合には、瞳をひろげて眼底検査をする必要があります。瞳をひろげる目薬を点眼し、30分くらいお待ちいただき、詳しく目の中の端っこまで、見せていただきます。検査自体は少しまぶしいくらいで、痛くない心配のない検査です。ただし検査後も3~4時間瞳がひろがっているため、見づらくなりますので、なるべくご自分で運転せずにお出でください。


やさしい眼科のお話(7)涙目

 秋は何となく物悲しい季節 ふとしたことで涙がこぼれて…いえいえ秋のからっ風が強くて涙が…なんて強引な書き出しになりましたが、今回は涙目のお話をさせて下さい。
 涙腺から分泌された涙は目の表面を濡らした後、目頭の上下にある小さな穴(涙点)に吸い込まれ、細い管(涙小管)を通って涙嚢(るいのう)と呼ばれる涙のふくろに溜まり、さらに鼻涙管を通って、鼻の奥に抜けていきます。これを涙の道、涙道といいます。
 涙目を流涙症(りゅうるいしょう)と言いますが、涙がたくさん作られすぎているのか、涙の通り道に異常があり、うまく流れていないのかの判断をします。涙の分泌が増加する原因としまして、目の表面の異物、逆まつ毛、角膜・結膜の感染症・アレルギー反応、疲れ目、外気、感情などの他、ドライアイが原因となる場合もあります。次に、涙の通り道に異常のある場合としまして、まぶたや涙点の位置異常、まばたきの異常、涙嚢・涙小管の感染症、外傷によるものもありますが、多くの場合は鼻涙管閉塞もしくは鼻涙管狭窄か、涙点の吸引力の減弱が原因となっています。検査は痛くありませんので、涙目が気になっている方は眼科で相談してください。


やさしい眼科のお話(8)ドライアイ

 11月になりますと雰囲気はそろそろ冬、朝起きたらストーブの前で着替えを…という季節になってきました。ストーブをつけると空気も乾燥し、目も乾く感じになることがあります。前回は涙目のお話をさせていただきましたが、涙が多くて困る涙目の反対が、涙が少なくて困るドライアイです。ドライアイは涙の量の減少や涙の質の変化で、目の表面の角膜や結膜に障害が起きた状態のことです。
 ドライアイという病名から目が乾く感じがすると考えられがちですが、目の表面の乾きによる症状は多彩で、目が疲れる、目が重い、目がショボショボ・ゴロゴロする、充血する、痒い、痛い、視力が下がった、まぶしい、目やにがでる・・・など、他の病気でも見られる症状が目白押しです。そこで視力検査など眼科一般検査を一通り行い、ドライアイが疑われた場合には、涙の検査になります。
 ドライアイの患者さんは、およそ800万人と言われています。初期症状はとてもあいまいで、何となく目が疲れやすいという感じで、ご自分では気づきにくいこともあります。気になる方は、ドライアイの検査をお勧めします。


やさしい眼科のお話(9)白内障

 想像して下さい。クリスマスツリー白内障って。なんとなくメルヘンチックな感じがしませんか。眼科の病名の中では、もっとも素敵なものだと思います。そろそろクリスマスツリーを飾る季節になりましたので、今回は白内障のお話を。
 白内障とは、カメラのレンズにあたる水晶体が白く濁ってくる状態です。冬の寒い日に、外から家の中に入ったときに、メガネが曇って見えなくなってしまうように、目の中に曇ったレンズが入っているために、目がかすんでしまう状態が白内障です。
 白内障の多くは、白髪や肌のシワと同じで、年齢とともに誰にでも起きる変化です。水晶体が濁り始めると、ものがかすんだり、二重に見えたり、まぶしく見えたりし、進行すれば視力が低下し、眼鏡での矯正ができなくなります。白内障の手術方法、手術器械も大きく進歩し、患者さんの負担も減り、手術後に良質な視力が回復できるようになりました。目のかすみを感じる方は、眼科での検査をお勧め致します。
 ちなみに、クリスマスツリー白内障は、水晶体の濁りが結晶のようにキラキラと輝いて見える特殊なタイプの白内障のことで、珍しいものですが、見ると心が安らぎます。


やさしい眼科のお話(10)戌年のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。
 今年も皆様にとって、佳い年でありますことを、心よりお祈り申し上げます。
 今年は戌年ですね。戌年は安産の年ですから、元気な可愛い赤ちゃんがたくさん生まれ、活気のある、明るい1年になってくれるといいなと思っています。
 医学の世界は日進月歩、まさに毎年がドッグイヤーです。
 最新の眼科学に遅れることなく精進して、最良の眼科医療を皆様に提案させていただきます。
 本年も、こんの優眼科クリニックは『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、常に『患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子供だったら』と考え、診察させていただきます。今年もわかりやすい「易しい眼科のお話」を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。


やさしい眼科のお話(11)先天性鼻涙管閉塞症

 戌年になって一月経ちました。戌年は安産の年ですから、元気な可愛い赤ちゃんがたくさん生まれ、活気のある、明るい年になってくれるといいなと思っています。
 赤ちゃんの目で、最初に気になる事が多いのは目やにだと思います。片目だけ目やにが多い場合は、先天性鼻涙管閉塞症が疑われます。涙腺から分泌された涙は目の表面を濡らした後、目頭の上下にある小さな穴(涙点)に吸い込まれ、細い管(涙小管)を通って涙嚢(るいのう)と呼ばれる涙のふくろに溜まり、さらに鼻涙管を通って、鼻の奥に抜けていきます。
 赤ちゃんの鼻涙管の出口に生まれつき膜が張っていることがあります。涙が鼻の奥へ抜けないので、涙目になります。また涙の流れが滞りますので、ばい菌がついて、膿や目やにが出るようになります。
 まずは、ばい菌止めの目薬と涙嚢部マッサージを指導します。生後6ヵ月くらいまで様子をみて、治らない場合はブジーという細い棒を涙道に通して拡げる治療をします。赤ちゃんの目やにと放っておかずに、眼科専門医にご相談ください。


やさしい眼科のお話(12)乱視

 眼鏡屋さんで「近視だけでなく、乱視が少しありますね」と言われて、ドキッとしたことのある方は多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人です。小学生の時に、近視だけでなく乱視もあると言われて、少し心配していました。
 目はカメラに例えられますが、茶目(虹彩)の後ろにある水晶体と黒目(角膜)がレンズの働きをしています。水晶体と角膜は完全な球面ではなく、縦横の丸みの大きさが異なっています。この縦横のカーブに差があることを乱視と言っています。角膜のカーブについて考えてみますと、角膜は野球ボールのように真ん丸ではなく、ラグビーボールを横にしたように縦のカーブが横のカーブに比べて強い場合が多いのです。多かれ少なかれ、ほとんどの方に乱視は見られますが、眼鏡による矯正が必要かどうかは、その程度の差によるわけです。ですので、「乱視がありますね」と言われても、面倒なことになっている訳ではありませんので、ご安心を。
 乱視のコンタクトレンズと言えば、以前はハードレンズでしたが、現在では乱視用のソフトレンズも改良され、1日使い捨て、2週間・1ヵ月定期交換型のレンズもラインアップされていますので、眼科でご相談ください。