やさしい眼科のお話2006

やさしい眼科のお話(13)

眼科学校健診 18/04/03


やさしい眼科のお話(14)

花粉症 18/05/01


やさしい眼科のお話(15)

子供さんの眼鏡 18/06/05


やさしい眼科のお話(16)

3歳時健診 18/07/03


やさしい眼科のお話(17)

プール熱  18/08/07


やさしい眼科のお話(18)

老眼  18/09/04


やさしい眼科のお話(19)

目の愛護デー 18/10/02


やさしい眼科のお話(20)

ぶどう膜炎 18/11/06


やさしい眼科のお話(21)

白内障手術 18/12/04


やさしい眼科のお話(22)

亥年のご挨拶 19/01/01


やさしい眼科のお話(23)

雪目 19/02/05


やさしい眼科のお話(24)

おうはんの病気 19/03/05

やさしい眼科のお話(13)眼科学校健診

 4月になりました。旭川にも遅い春の訪れを感じる、清々しい季節がやって来ましたね。4月は、入学・進級があり、この春から新しい生活が始まる方も多いのではないかと思います。新しい環境に早く慣れ、春のお天気のように爽やかに過ごせることをお祈りいたします。
 学校では春の眼科健診がありますね。小学校の中学年から中学・高校と、視力の下がる人が増えています。この場合近視だと思われがちですが、中には逆に遠視であったり、かくされた目の病気のために視力が下がる場合もあります。特にお子さんの場合は、ピントを合わせる調節力が強いので、いわゆる仮性近視になっている場合もあります。お子さんの視力低下の原因を調べる検査として、調節麻痺剤の点眼薬を使う検査があります。この目薬をさして検査を行うと、近視・遠視・乱視の正確な度数を知ることができ、また同時に精密眼底検査も行うことができますので、目に病気がかくされていないかも調べられます。
 学校健診で「要再検査」の用紙をもらったら、やはり一度眼科での検査をお受けください。学校からもらった用紙も持参いただき、結果を記入させていただきます。


やさしい眼科のお話(14)花粉症

 5月になりました。旭川にもサクラの季節がやって来ましたね。サクラの花は気持ちが安らいで穏やかな気分になりますよね。ところが、ある種の花粉が飛散すると悲惨な目にあってしまうアレルギーの方々には、辛い季節の訪れでもあります。今までは何ともなかったのに「アレ?変だな、何だか目が痒いぞ」と感じた方はアレルギーかもしれません。
 目のアレルギーのうちで代表的なものは、アレルギー性結膜炎です。春や秋など毎年決まった時期に起こりやすい季節型と季節にかかわらない通年型があります。季節型は花粉症の目の部分症状と考えることができます。
 北海道での花粉症の原因となりやすい植物は、3~4月のスギ・ヒノキ科、5月のシラカバ属の植物、6~8月のイネ科植物、9月のキク科植物があげられます。旭川では特にシラカバ属の植物の花粉症の方が多いようです。
 花粉症は症状が強く出てから治療を始めるよりも、花粉が飛散する2週間くらい前から予防的に抗アレルギー剤の点眼を始めると、症状をうまく抑えることができる場合があります。去年の5月下旬に、目の痒みに悩まされた方は、是非眼科でご相談下さい。


やさしい眼科のお話(15)子供さんの眼鏡

 今日は護国神社祭ですね。私はいまだに、お祭りと聞いただけで、何となく浮かれた気分になります。
6月になりますと、春の眼科学校健診の結果を持って、眼科を受診した方も多いかもしれません。眼科を受診した結果は、どうだったでしょうか。仮性近視で点眼治療を受けた方もいるでしょうし、眼鏡が必要と言われて、ショックを受けた方もいるのではないでしょうか。
 眼鏡が必要と言われた親御さん、お子さんの眼鏡がどうして必要か、納得されていますか?一言で子供さんの眼鏡、と言いましても、近視が進んでしまったので見えやすくするための眼鏡と、遠視・乱視の眼鏡では、その意味合い、必要性が違うのです。特に小さいお子さんで、遠視または乱視のための眼鏡が必要と言われた場合は、視力、視機能の発達のために必要なものなのです。親御さんが納得の上で、お子さんが眼鏡に早く慣れるように見守ってあげてください。


やさしい眼科のお話(16)3歳時健診

 先月のこのコーナーの「子供さんの眼鏡」の中で、「小さいお子さんで、遠視または乱視のための眼鏡が必要と言われた場合は、視力、視機能の発達のために必要なものなのです。」というお話をさせていただきました。
 生まれたばかりの赤ちゃんの目はあまり見えていないのですが、身体の発育とともに、視力も向上し、3歳になる頃には1.0の視力があると考えられています。その発達過程で視力の伸びを妨げる原因があると、視力が出ない弱視になってしまいます。視力の伸びを妨げる原因として、遠視、乱視、斜視などがあります。
 以前は就学時健診で初めて弱視が発見されることが多く、治療が上手く行かない場合もありました。平成2年10月からは、3歳時健診に視力検査が加わりましたので、平成生まれのお子さんは3歳時健診で視力検査をご自宅で行うようになりました。それでも小学校に入ってから弱視が発見されるお子さんもいらっしゃいます。3歳になりましたら、ほとんどのお子さんの視力検査が出来ます。ご心配でしたら是非眼科でご相談ください。


やさしい眼科のお話(17)はやり目

 夏、真っ盛りですね。夏は「はやり目」という結膜炎の流行する季節です。結膜は、しろ目を覆っている透明な膜です。目のまん中の黒目(角膜)の縁から瞼の裏側まで続いています。この結膜が赤くなったり(充血)、腫れたり(浮腫)、瞼の裏にブツブツができたり(濾胞)、目やにが出たり(眼脂)、涙が出たり(流涙)、痒くなったり(掻痒感)、ゴロゴロしたり(異物感)という症状が出たら結膜に炎症が生じていると考えられます。
「はやり目」は、結膜炎の中でも、ウイルスが原因でおきるもので、人にうつる危険性がある感染性の結膜炎です。はやり目であることがわかれば、家族や他の人にうつさないように、万全の体制をとっていただく必要がありますので、「たかが結膜炎」と考えないで、是非、眼科で診察を受けて下さい。
 特に今年は「はやり目」の中でも、プール熱とも呼ばれる感染症、咽頭結膜熱が1月から全国的に過去十年間で最も発生が多い状態が続いています。お子さんの発熱、のどの腫れ、目の充血など、あやしいな、と思ったら、小児科にご相談を。


やさしい眼科のお話(18)老眼

 夏の暑さが一息つきましたら、北海道は一気に秋に向かって季節が駆け足を始めてしまいますね。秋は、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋…と色々なことに集中できる、とても良い季節なのではないでしょうか。
 秋の夜長、ゆっくり読書と決めこんで… 「蛍光灯が暗いのかな、本が読みにくいぞ。」「あれ、変だな。腕をのばしたほうが見やすいぞ。」と感じたことはありませんか?そうだとすると、それはきっと老眼の始まりです。
老眼は、目の中でピント合わせの役目をしている水晶体というレンズが段々と弾力性を失うことによって、近くにピントが合わせにくくなることが原因で起こります。これは加齢に伴う生理現象ですので、防ぐことはできないと考えられています。私もこの9月で43才になりますので、そろそろ…かなと思っています。
 老眼が気になりはじめる時期は、緑内障が増えてくる年代でもあります。「たかが老眼」とたかをくくらずに、眼科で検診をお受け下さい。


やさしい眼科のお話(19)目の愛護デー

 10月10日と言えば「体育の日」でしたが、2000年からは10月の第2月曜日が「体育の日」になりましたので、10月10日ではなくなってしまいました。1964年日本で初めて開かれたオリンピック、東京オリンピックの開会式の日を記念して、1966年に制定されたとのことです。開会式がこの日に選ばれたことには理由があり、観測史上、最も晴れる確率の高かった日付けだったからとのことです。
 10月10日には、もう一つ。10月10日は目の愛護デーなのです。1931年「視力保存デー」として中央盲人福祉協会が制定しました。10.10を横にすると眉毛と目のように見えるから10月10日が選ばれたとのことですが、昭和6年に洒落たことで決まったものだと感心してしまいます。洒落たことにケチがついたのか、昭和13年からは9月18日が「目の記念日」になっていたようです。この日は明治天皇が北陸巡幸の際に眼病に苦しむ人が多いことに御心痛され、予防と治療のために御内幣金を御下賜された日とのことです。戦後、再び10月10日を「目の愛護デー」と改めたとのことです。大切な目です。自覚症状がなくても、年に1回、目の健診をお勧め致します。


やさしい眼科のお話(20)ぶどう膜炎

 今回は眼科の病気の中でも、あまり聞き慣れないものだと思いますが、「ぶどう膜炎」についてのお話をしようと思います。ぶどう膜とは虹彩・毛様体・脈絡膜の3つを合わせた総称です。眼球全体を覆う非常に血流の豊富な組織で、目に栄養を与えたり、ピントを合わせたりする働きをつかさどっています。ぶどう膜炎とは、そのぶどう膜に炎症が起きるという病気です。
 目の前の方の炎症(虹彩毛様体炎)であれば、目が赤い、ゴロゴロする、痛い、まぶしい、涙っぽい、かすんでみると言った症状が起きやすいのです、
 目の奥の方の炎症(網脈絡膜炎)では、脈絡膜からさらに内側にある網膜や硝子体と呼ばれるゼリー状の物質が濁ることにより、視力低下、目のかすみ、飛蚊症、歪んで見える、小さく見えるなどの症状が現れます。
症状が進行してからでは、視機能に障害を起こすこともありますので、変だなと思ったら、速やかに眼科を受診することをお勧めします。


やさしい眼科のお話(21)白内障手術

 雪の降る季節になっちゃいましたね。雪は白いということで、白つながりで白内障のお話を。白内障とは、カメラのレンズにあたる水晶体が白く濁ってくる状態です。冬の寒い日に、外から家の中に入ったときに、メガネが曇って見えなくなってしまうように、目の中に曇ったレンズが入っているために、目がかすんでしまう状態が白内障です。
 白内障の多くは、白髪や肌のシワと同じで、年齢とともに誰にでも起きる変化です。水晶体が濁り始めると、ものがかすんだり、二重に見えたり、まぶしく見えたりし、進行すれば視力が低下し、眼鏡での矯正ができなくなります。白内障の手術方法、手術器械も大きく進歩し、患者さんの負担も減り、手術後に良質な視力が回復できるようになりました。全身的に大きな病気がなければ、日帰りで手術を受けることも可能です。手術を受けた方は「思っていたより、ずっと楽だった」とおっしゃる方が大半です。
 目のかすみを感じる方は、眼科での検査をお勧め致します。


やさしい眼科のお話(22)亥年のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。
 今年も皆様にとって、佳い年でありますことを、心よりお祈り申し上げます。今年は元日から、スマイルを通じて皆様にご挨拶させていただける幸運を得ました。今年1年、素晴らしい年になりそうです。
 今年の年賀状は、ちょっと気取って英語のご挨拶にしてみました。
 We Wish You A Happy New Year with Good Vision.
 良い視力で1年過ごしていただくのはもちろん、新しい目標を持ち、張合いのある明るい1年になってくれたら良いな、という願いをこめました。
 本年も、こんの優眼科クリニックは『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、常に『患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子供だったら』と考え、診察させていただきます。今年もわかりやすい「易しい眼科のお話」を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。


やさしい眼科のお話(23)雪目

 1年の中でも朝の気温が最も下がる季節になりましたね。私は小学生時代を、十勝の陸別町というしばれる田舎で過ごしたのですが、寒さには滅法弱い軟弱派です。「子どもは風の子」といいますが、うちの子も寒い中、毎晩のようにスキーに出かけています。今年は例年より少なく、雪かきは楽なので助かっていますが、雪に関係する目の病気に「雪目」があります。
 天気の良い日中にスキーをした夜になって、両目が赤くなり、ゴロゴロして涙が出て、痛くなることがあります。これが一般的にいう「雪目」です。雪眼炎(せつがんえん)とも言いますが、雪が直接悪さをしているわけではなく、紫外線が直接または雪面で反射して目に当たることが、その原因です。目の表面の敏感な角膜が紫外線の作用によってただれて、細かい傷がつくことによって、激しい痛みを引き起こします。
 スキーを楽しむ時は、目にも紫外線対策をお忘れなく。ゴーグルやサングラスで冬の強い紫外線から大切な目を守りましょう。


やさしい眼科のお話(24)おうはんの病気

 「大切なものは目には見えないんだよ」サン・テグジュペリは「星の王子さま」の中で、私たちに大切なものは何かを教えてくれました。今回は、そういったメルヘンティックな話ではなく、「見ようとするところが、見えづらくなる」病気のお話になります。
 「おうはん」と呼ばれる場所が、目の一番奥にあります。「おうはん」と入力すると「凹版」と変換されてしまいますが、目の一番奥の「おうはん」は「黄斑」と書きます。目の奥には網膜と呼ばれる神経の膜があり、カメラに例えますと、フィルムにあたります。カメラのフィルムと違って網膜は場所によって感度が違っているのですが、黄斑は網膜の一番まん中にあり、一番感度の高い場所なのです。
 黄斑に病気が生じますと、見ようとする中心部分が見えづらくなり、歪んで見えたり、小さく見えたり、まん中が暗くなったりという症状が起きます。片方の目に病気が起きても、両目で見ると気づかないことがあります。時々片目を隠して、問題がないか、自己チェックをお勧めします。