Q&A

2017年グラフ旭川8月号

コンタクトレンズQ&A 

 

2016年グラフ旭川10月号

緑内障Q&A

 

2014年グラフ旭川2月号

緑内障QA

 

2012年グラフ旭川8月号

白内障Q&A

2017年グラフ旭川8月号

コンタクトレンズQA

 

Q 初めてコンタクトレンズ(CL)を使用したいのですが、どんなレンズが良いですか?

 

A 目の度数や使用目的によって、お勧めのレンズは変わってきます。CLは大きく分けるとハードレンズとソフトレンズがあります。言葉通りハードは硬めでソフトは柔らかめのレンズです。レンズをつけた感じはソフトのほうが違和感は少ないのですが、ハードの方が視力が出やすい、黒目(角膜と言います)に酸素が行きやすいという利点があります。近視の度数が強い方、乱視の度数が強い方、レンズを使う時間が長い方はハードレンズをお勧めしています。ソフトレンズには「1日使い捨て」「2週間」「1か月」使用するレンズなどがあります。週に23回や週末のみの使用の場合には、1日使い捨てレンズをお勧めします。どんな時にどんな風に使いたいかご希望を聴かせていただきます。まずはご相談ください。

 

Q  CLは何才から使えますか?

 

A  CLは角膜に直接のせて使うものですので、角膜に傷がついたり、角膜に酸素が行きにくくなったり、場合によっては細菌などに感染する危険性があります。ですので、ご自分でしっかり清潔にレンズの手入れをする必要があります。また、長期間CLを使用することによる角膜への負担は無視できませんので、あまり小さいお子さんにはお勧めしていません。早くても中学生でしょうか。私はできれば高校生からをお勧めしています。小学生のサッカーの試合で、眼鏡では出場できないというような場合は、サッカーの時だけ、1日使い捨てレンズを使用するようにお勧めしています。

 

Q 中学生の息子が学校健診で視力低下を指摘されました。眼鏡とCL、どちらがいいですか?

 

A  CLは一日中付けたままではなく、起きている間に眼鏡をかけて、角膜に酸素を充分に送る時間がどうしても必要です。また、目にトラブルが起きた際も必ずCLを外し、眼鏡を掛けていなくてはいけません。眼鏡を作らずにCLを使用し、長時間CLを付けて目にトラブルを起こして、受診する方も時々見受けられます。そんなことにならないように、キチンと合っている眼鏡をお持ちでないとCLの処方をご遠慮いただいています。まずは眼鏡を作って、眼鏡の見え方に慣れてから、CLを考えて欲しいと思います。CLはあくまでも目にとっては異物であり、きちんと使用しなければ目に害を及ぼす危険性のあるものですが、キチンと使用すれば安全であり、視力の悪い人にとって非常に便利でありがたいものです。CLを使用する方は、ぜひ眼鏡と併用してください。CLで目に病気を起こさないためにも重要なことですので、どうぞご理解くださいませ。

 

Q 現在、50歳でソフトレンズを30年使用しています。最近、近くが見えにくくなって来ました。もうCLは無理でしょうか?

 

A 年齢から考えますと、近くが見えにくくなってきたのは、老眼ではないかと思います。遠近両用のソフトレンズもありますので、眼科を受診して、検査を受けてください。CLの装用年数の長い方は、角膜内皮細胞(二度と再生しないもの)が減っていないか検査します。この細胞が減りすぎると、角膜が白く濁り、矯正しても視力が上がらなくなります。角膜内皮細胞に異常がなければ、遠近両用CLで近くも見えやすくなり、快適に生活できる可能性があります。

 

Q  CLはインターネットで購入していますが、何か問題ありますか?

 

A  CLは処方して終わりではなく、使うご本人がしっかりとしたレンズケアをしながら、検診をうけてもらい、問題がないかを確認しながら使っていく医療機器です。せっかくの便利なCLで逆に目にトラブルを起こしてしまっては元も子もありません。調子が良いからと言って、定期検査を受けないと、目にトラブルが起きることがあります。CLの使用はあくまでも自己責任ですが、未然に防ぐことが出来るようにすることが私ども眼科医の使命だと考えます。ぜひ眼科専門医で検診を受けて下さい。


2016年グラフ旭川10月号

緑内障QA

 

Q 眼科を受診したら、緑内障があると言われました。自分では何の症状もないのに 緑内障って何ですか?

 

A 目の働きや構造はよくカメラに例えられます。黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、これは目の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、カメラのしぼりにあたります。この虹彩の後ろに水晶体という部分があります。水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、網膜(カメラのフィルムにあたる部分)に焦点を結ばせる働きがあります。網膜に映った像が視神経を通して脳に伝えられ、私達は、初めてものを見ることができます。

 緑内障は視神経がおかされて、見える範囲(視野)が狭くなる病気です。視神経は100万本以上の神経線維の束で、網膜に映った像を脳に運ぶ、いわば目と脳をつなげるケーブルの働きをしています。電気器具のケーブルが接続部分で壊れやすいように、視神経も視神経乳頭と呼ばれる眼球からの出口の部分が傷害を受けやすくなっています。視神経乳頭に傷害を与える一番の原因は、眼球内の圧力(眼圧)と考えられています。

 

Q 眼圧って何ですか?

 

A 目には一定の硬さがあります。これは、目の中で作られている水と出ていく水が丁度つり合っていて、目の硬さをほどよい状態に保っているからです。

 眼圧は血圧と同じ単位(mmHg)で測定されますが、正常の眼圧は1021mmHg です。眼圧が上がることによって、視神経乳頭の傷害が起こることは解明されており、以前は緑内障と言えば、眼圧が高いと考えられていました。しかし、日本人には眼圧が正常範囲に入っていても緑内障になる人が多いことが判明し、正常眼圧緑内障と呼ばれています。正常眼圧緑内障では、視神経の強度が関係しているとみられ、例え正常範囲内の眼圧でも、その患者さんにとっては負担になっていると考えられます。

 

Q 白内障はよく聞きますが、緑内障って珍しいですよね?

 

A 日本緑内障学会の調査によりますと、緑内障の患者さんの割合は40歳以上の17人に1人と考えられます。60歳代では13人に1人、70歳以上では8人に1人が緑内障ということがわかりましたので、決して珍しい病気ではありません。

 

Q 緑内障は失明する病気なんですよね?

 

A 視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行しているのが緑内障の怖い点です。

 緑内障による視野の欠けや狭まりは、治療で元に戻すことはできません。治療の目的は、緑内障がそれ以上に進まないようにすることです。早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことができます。治療は視神経乳頭に傷害を与える一番の原因である眼圧を低くコントロールするということです。

 現在では緑内障治療の点眼薬だけでも10種類以上あり、非常によく眼圧を下げる点眼薬も出ています。まずは点眼薬による治療が開始されますが、病状の進行が止められない場合にはレーザー療法、手術療法が必要になる場合もあります。

 

Q 緑内障で目薬を寝る前にさすように言われました。寝る前に目薬をさしていいんですか?

 

A かなり昔のことになりますが、寝る前に点眼すると副作用が出やすい薬がありました。 その頃には、寝る前には目薬をささないほうが良いと言われていたと思いますが、現在使われているほとんどの目薬は、寝る前に使用しても問題はありません。特に緑内障の目薬の中には、寝る前にさすことが勧められているものがあります。

 

Q 緑内障の目薬をしたあとに、顔を洗うように言われたのですが?

 

A 緑内障の目薬の中には、目のまわりの皮膚の毛が生えてくる副作用を持つものがあります。その副作用を出さないために、目薬をしたあとに、顔を洗うことが勧められています。一番いいのは、目薬を入浴前にさすことだと思います。


2012年グラフ旭川8月号

白内障Q&A

 

Q 眼科を受診したら、白内障があると言われました。自分では何の症状もないのに 白内障って何ですか?

 

A 目はカメラに例えられますが、カメラのレンズに相当するピント合わせの働きをしてくれるのが水晶体です。水晶体は嚢と呼ばれる薄い袋に包まれています。この袋の前面は「前嚢」、後面は「後嚢」と呼ばれています。水晶体の中身は、真ん中の「核」と「皮質」に分かれています。この水晶体が濁ってくることが「白内障」です。水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなり、光が乱反射して、神経の膜の網膜に鮮明な像を結べなくなってしまいます。白内障が水晶体の中央部分に進んできていない時には、自覚症状がほとんどない場合もあります。

 

Q これがでたら白内障という症状は何ですか?

 

A 水晶体の濁り方は人によって異なりますので、白内障の症状も人によって様々なことがあります。主な症状はもちろん「目がかすむ」ということですが、 「まぶしくなる」「明るい所で見えにくい」「以前より近くが見えやすくなる」「老眼鏡が要らなくなる」「眼鏡が合わなくなる」「二重、三重に見える」こともあります。水晶体の皮質部分が濁り、その濁りが外側から中央に広がってくると、「まぶしくなる」「明るいところで見えにくい」という症状が出てきます。水晶体の核が濁ってくると、水晶体の屈折度が変化し近視化してくるために「以前より近くが見えやすくなる」「老眼鏡が要らなくなる」「眼鏡が合わなくなる」ことが起きます。これがでたら白内障といえる症状はありませんね。

 

Q どうして白内障になったのですか?

 

A 白内障は病気ではありますが、加齢とともに誰にでも起きる変化ということができます。50歳を超えたくらいから少しずつ白内障は起きてきます。しかし、加齢によらずアトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として白内障が起きることもありますし、目の怪我で白内障になることもあります。

 

Q 白内障と言われたら、すぐに手術をしなければいけないのでしょうか?

 

A 一般的な加齢白内障は誰にでも起きる変化ですので、白内障と診断されたからといって、すぐ治療ということにならないこともあります。白内障があっても日常生活に何ら支障がない場合は、定期的な検査をお願いするだけで、治療をせずに様子をみてもらうこともあります。また、白内障の進行を遅らせる点眼薬を処方することもありますが、現時点では白内障を治してくれる薬物は残念ながらありません。そこで白内障のために日常生活に不自由が出ている場合は手術を考えていただくことになります。手術を受ける時期はあくまでも患者さん本人が、どれだけ白内障のために生活に制限が出てしまっているかを考えて決めていただくことになります。車の運転をする方であれば、やはり免許更新に必要な0.7を切ったら手術を考えたほうが良いですし、ご自分のお部屋でテレビを見ることが好きな方は、もう少し視力が落ちていても、それほど不自由は感じていないのかもしれません。

 

Q 白内障の手術は痛いのでしょうか?

 

A 通常は局所麻酔で手術をします。手術中に意識はありますが、手術時間は1015分くらいで終わります。器械でまぶたを強制的に開いているので、まばたきしたくても、手術中はできないようになっていますから、まぶたを怪我する心配はありません。刃物が見えたり、器械が見えたりして途中で怖くなるかも?と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。指示されるまま、光を見ているだけで、いつの間にか終わっています。やはり、初めてのことは、何かと怖いと思われるでしょうけど、痛いことは一切ありませんので、心配ないと思います。

 

Q 白内障の手術はいくらかかるのでしょうか?

 

A 通常の白内障手術では、濁った水晶体を摘出し同時に眼内レンズを入れます。健康保険が適応され、片目の日帰り手術の場合は1割負担の方でおよそ15千円、3割負担ではおよそ4万5千円です。