目ディカル相談室2008

20081125日 グラフ旭川12月号 

「アトピー性白内障」

 

20081025日 グラフ旭川11月号 

「先天白内障」

 

20080925日 グラフ旭川10月号 

「眼鏡のかけはずし」

 

20080825日 グラフ旭川9月号 

「緑内障の転医希望」

 

20080725日 グラフ旭川8月号 

「レーシック手術」

 

20080625日 グラフ旭川7月号 

「角膜内皮細胞減少の白内障手術」

 

20080523日 グラフ旭川6月号 

「アレルギー性結膜炎」

 

20080425日 グラフ旭川5月号 

「緑内障術後の白内障手術」

 

20080325日 グラフ旭川4月号 

「子どもの内斜視」

 

20080225日 グラフ旭川3月号 

「白目の腫れ」

 

20080125日 グラフ旭川2月号 

「コンタクトレンズ再開」

 

20071225日 グラフ旭川1月号 

「傍中心暗点」

グラフ旭川12月号 「アトピー性白内障」

Q)はじめまして帯広市在住、40歳女性です。1年半程前に逆光や夜間のライトがまぶしいことや、なんとなく霞んで見える気がして眼科に行ったら白内障だと診断されました(後嚢下白内障です)。ここ半年くらいで進んだようで手術を渋っていた先生も、本人が望むなら手術してもいいころだということになり、総合病院を紹介されたのですが、そこで原因が加齢にしては早いので小学生のときアトピー性皮膚炎があったというと、アトピー性なら白内障の手術をすることによって網膜剥離になる可能性があり、網膜剥離の手術の成功率は50%ほどだと説明をうけました。見えるようになろうと手術して失明したら何にもならないので、本当に進んでどうしようもなくなってから、手術したほうがいいのではないかと言われ、それを押してもやってくれとは言い出せませんでした。眼底検査でもエコーでも今のところ網膜剥離の心配はないそうです。

 私の場合、アトピーは軽かったので、本当にアトピー性なのかもいまひとつ確信が持てないのですが、検査でこれはアトピー性とはっきりわかるものがなにかあるのでしょうか?それとアトピー性白内障の人が網膜剥離になる確率はそんなに高いのですか?

 今、左目が矯正視力で0.2ほどしか出ず、幸い右目が0.6ほどあるのでなんとかやっております。ただまぶしさは酷くて、視力表で視力があっても社会生活の中では見えないことが多いです。この頃はあまりに不自由なので、もし失明ということになってもまだ片方残るからいいやと言うような気持ちにもなり、早く手術受けたいなと思うようにもなってます。

 長々と書いてしまいました。このように話を聞いてもらえるというだけでものすごく心強く感じています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

A)ご連絡ありがとうございます。40歳での白内障手術は、たしかに手術を受ける人の中では若い方になります。若い人の白内障は、原因がわからないこともあります。アトピーがさほどひどくなかったとすれば、確かにアトピー性の白内障と決めつけるのには、多少無理があるかもしれません。

 アトピーの方に網膜剥離が起こりやすいことは知られております。白内障の手術をすることで、網膜剥離のおきる可能性が増加する危険性は確かに増えると考えられますが、手術をしていないアトピーの方に網膜剥離が起きることもあり得ます。眼底検査とエコー検査もしているとのことですが、眼底検査で見えにくいほどの白内障があるならば、網膜剥離を見落とさないためにも手術も考えなければならないかもしれません。検査でこれはアトピー性とわかる、はっきりしたものはありません。アトピー性であれば、両眼性が多いと思います。両眼性でも左右差が大きいこともあります。

 私の考えですが、現在の生活に不自由を感じるのであれば、ご自分で手術を受けるかどうかの決断が必要だと思います。アトピー性と考えるのであれば、極論ですが、手術を受けなくても網膜剥離になる危険性はあり、手術を受けないことで、網膜剥離の初期変化を見逃してしまう危険性もあるわけです。もちろん、網膜剥離はなってしまうと、確かにやっかいな病気です。しかし、その恐怖をかかえたまま、見えないままの生活が可能なのか、手術を受けることにより、見えやすくなって、しっかりと定期検査をし、網膜剥離の症状、所見を見落とさない方が良いのか、主治医の先生とよく相談した方が良いのではないかと思います。

 手術を受けた場合は、眼内レンズが入りますので、調節力がなくなります。手術の後の度数を、どこに合わせるのかも相談してください。手術を受けることだけではなく、手術後の定期検査が大切になります。主治医の先生と良好な関係を築いて、よくよくご相談してください。お大事になさってください。


グラフ旭川11月号 「先天白内障」

Q)ホームページを拝見させていただき初めてメールさせていただきます。お忙しいとは思いますが、不安なこともあり教えてください。

 昨年の2月急に左目がかすみ少し心配だったので地元の眼科にかかりました。

 今まで1.2以上あった視力が0.7になっていて、急に視力が落ちたためいろいろな検査と脳神経外科での検査も行ったのですが異常は無く、結果角膜に傷がついているとの事でヒアレインとソフトサンティアを処方されました。傷は少なくなり視力もだいたい回復しましたので現在は通院していません。

 しかし、両目とも白内障との診断もされ大変ショックを受けました。糖尿病等もないので年齢的に考えると先天性のものではないかと思うので進行はしないであろうといわれましたが、6年くらい前に緑内障などの検査もしていますが一度も白内障があるとは言われたことは無く、白内障については詳しく説明を受けていなかったので若干不安があります。突然先天性の白内障になんてなるものなのでしょうか?本当に進行の心配は無いものなのでしょうか?

 このまま進行しないのであればいいのですが、最近まぶしく感じたりまたなんとなくかすんで見えるように思います。あまり心配するほどでもないとは思うのですが、不安なままで生活するより一度違う病院で診察を受けようかと思うのですが、心配しすぎでしょうか? 37歳 女性

 

A)ご連絡有難うございます。

 先天白内障は、元々生まれつきある水晶体の混濁のことです。程度が強い場合は、生後すぐに手術が必要になる場合もあります。

 ご相談の内容からは、角膜の傷が治って、視力も回復したとのことですから、少なくとも視力には影響していない程度のものと考えることができます。

 6年くらい前に緑内障の検査をしたとのことですが、視力に影響していない生まれつきの水晶体の混濁については、あえて、指摘しないことがあります。

 先天白内障は基本的には進行しないものですが、加齢の変化に伴う水晶体の濁りが先天性の濁りの部分を助長することはあります。現在37才ですので、その心配はまだないとは、思いますが。

 まぶしい、かすむなどの症状があるのでしたら、一度診察を受けていただいた方がよいと思います。お時間のある時に、診察をお受けください。メールで予約入れられますので、ご都合つくようでしたら、連絡をお願いいたします。お大事になさってください。


グラフ旭川10月号 「眼鏡のかけはずし」

Q)今は右が0.2、左が0.3の状態です。ですがめがねは時々必要なときにかける程度です。めがねの掛けはずしの繰り返しは目に悪いのですか?本やさまざまな情報には、めがねの掛けはずしの繰り返しは悪いので見えるときは掛けず、見えないときは掛ける、目に負担がかからないようめがねをずっと掛けたほうがよいなどあり、どれが正しい情報かわかリません。

 また、目の運動やマッサージをしても近視が進んでしまいます。なかなか良くなりません。愛知県

 

A)ご連絡有難うございます。

 近視で眼鏡をかけているとのことですが、裸眼視力もさほど悪く無いようですし、不自由を感じていないのでしたら、必要な時のみの眼鏡装用で問題ないと思います。

 近視の進行は眼鏡のかけはずしとは関係ないと一般的には考えられています。

 また、近視の進行は20才代半ばで止まるのが普通です。人によっては20才代半ばをこえても近視が進行する場合もあります。近視の進行を目の運動やマッサージなどで止める方法は確立されていないと思います。

 近視の場合は、眼鏡をかけないこと自体が目に負担をかけることにはなりませんので、かけはずししていても問題ないと思います。

 若い方であれば、コンピュータなどの近業によって、目に調節の負担がかかり、近視が強くなったような状態となる調節痙攣という病気もあります。瞳を広げる点眼薬を入れて、目の本来の近視度数を調べることによって診断することができます。実際の近視の進行が生じているかどうかは、お近くの眼科を受診し検査を受けることをお勧め致します。どうぞ参考になさって下さい。


グラフ旭川9月号 「緑内障の転医希望」

Q)初めてメールをさせて頂きます。年齢 30歳。

 眼科を変えたいと考えております。

 今年3月に昔から通院していた他の眼科で緑内障と診断され、さまざまな目薬を試し、現在は34種類の目薬で眼圧も落ち着き始め右1813に下がっています。以降は月に2回ほど診察して頂いています。

 先日私が引越をしまして、診察時間も早いこともあり、不便さを感じており、他院でのメイン受診を検討しておりました。旦那が以前こちらのこんの優眼科さんを受診しまして印象が良かったらしく、近々受診をさせて頂きたいと思っておりますが、

 その際には

・現在使用している点眼薬は持参が必要でしょうか?

・現在治療で通院している眼科には一言ことわりを入れておいた方がいいのでしょうか?

 お忙しい中お手数おかけしますがお返事をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

A)ご連絡有難うございます。

 点眼薬は実物でなくても、お薬手帳などでどんな点眼薬をさしているかは、教えていただきたいと思います。緑内障の治療薬には、色々と種類があり、その方にとって効く薬(眼圧の下がる薬)、効かない薬があることもありますので、今までの使用歴がわかったほうが有難いです。

 現在治療で通院している眼科には、今までの経過についてのお手紙を書いていただければベストですが、頼みにくければ、なくても構いません。

 こちらでも、視力検査、眼圧検査をして、視野検査も受けていただこうと思います。現在の視野の状態、視神経乳頭の所見、眼圧から、今後の受診間隔、点眼薬などにつきまして、ご相談させていただきたいと思います。

 当クリニックは完全予約制ではありませんが、受診してくださる方の待ち時間対策として、予約の方を優先して診療しております。受診日が予めわかりましたら、予約を入れますので、メールをいただけましたら、幸いです。宜しくお願い申し上げます。


グラフ旭川8月号 「レーシック手術」

Q44歳女性です。いつもはハードコンタクトレンズを使っています。コンタクトレンズの度数は-3.0です。レーシックという、近視の手術があると聞きました。インターネットでも、見てみたのですが・・・・。どんなものなのでしょうか?

 視力が回復して、本当にずっと良い視力のままでいられるのでしょうか?ごくまれに、視力が元に戻った場合、無料で再手術をしてくれる病院もあると、ありましたが・・・何度も手術して大丈夫なのですか?以前、視力は元に戻ってしまうことが多いと、聞いたように記憶しているのですが、最新の手術なのでしょうか?教えて下さい。

 

A)レーシックは、角膜の皮を一枚はがして、そこにレーザーをうつことにより、角膜のカーブを平らにする手術です。( という角膜を [ にするという感じでしょうか。

 以前はケラトームというカンナのような器械で皮をはいでいましたが、最近はそれもレーザーでやるようです。皮をはいで、元に戻すので、手術後の痛みもあまりないようです。

 私は近視度数が-10Dを超える強度近視ですので、レーシックを受けるとすると、角膜をたくさん削らなければなりません。手術後に角膜が薄くなり過ぎる危険がありますので、とても手術を受けようとは、思いません。

 -3.0くらいの度数であれば、手術後に角膜が薄くなりすぎるという危険性はあまりないかと思います。近視が強い人が受けると、術後また近視が少し戻るようです。その際、追加手術は残っている角膜の厚みを考慮し、行うものだと思います。

 確かに最近はレーシックを受けている人が増えているようです。当クリニックにも他院でレーシックを受けてきた人が通ってきています。レーシック手術を受けた方々はほとんど皆、満足しているようです。中に一人だけ、痛かったので、再手術は絶対受けたくないと言っている方がいました。

 レーシックもあくまでも手術ですから、100%安全とは言えません。現在使用しているコンタクトレンズで不満が強いのであれば、考えても良いものだと思います。これからは老眼になってくる年齢ですから、遠くがはっきり見えることばかりに目標をおきますと、日常生活上、読書などには不便を感じることも多くなってくると考えられます。ご自分のライフスタイルから、遠くを見ることがどれくらい重要なのかを、よくよく考えてから手術をうけるかどうか考えたほうがよいのではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川7月号 「角膜内皮細胞減少の白内障手術」

Q)はじめまして。

 滝川市在住のものです。実家の祖母(90歳)が地元の眼科で、今年手術をする予定でしたが、検査で角膜の細胞が少ない事がわかり、手術を見合わせました。

 手術によって角膜の細胞が壊れてしまうと見えなくなるかもしれないからだそうです。手術をしなくても2~3年で見えなくなるのでは・・・とも言われたそうです。それほど角膜の細胞が少ないということは、細胞を傷つけずに手術できても、効果が無いということでしょうか。祖母は、足が悪く、最近は体調も良くないので、他の眼科にかかるよう勧めてもなかなか首を縦に振りません。が、もし、効果が期待できるなら、何とか説得して「こんの優眼科クリニック」さんに受診させたいと思っています。どうか、お返事をよろしくお願いします。

 

A)ご連絡有難うございます。

 角膜内皮細胞が少ないため、手術を見合わせたとのことですね。白内障手術で、仰るように角膜内皮細胞を傷つけずにすることができれば、よいのですが、現在の医学でそれは、不可能なことです。白内障手術によって、10%くらいは細胞が減ってしまうと考えられています。通常は10%の細胞が減少したとしましても、余力がありますので、たいていの場合は問題になることはありません。

 しかし、手術前の検査で細胞の数が少ないと判明した場合、手術をするかどうかは、よくよく相談しなければならないと思います。といいますのは、90才という年齢からは白内障になっている水晶体の核が非常に硬くなっていることが考えられ、それは角膜内皮細胞を傷つける原因となります。見えるようになっていただくための白内障手術で、角膜内皮細胞を傷つけることによって、かえって見えにくくなってしまうことがあり得ます。手術後に透明だった角膜が白く濁ってしまうことになる危険性があります。手術を担当する先生は、その危険性が高いと判断したのではないかと思います。

 90才で体調が思わしくないとしますと、当クリニックでの日帰り手術は難しいと思われます。現在の視力、白内障の程度がわかりませんので、手術をしないほうがよい、したほうがよいとは申し上げられませんが、担当の先生とよくご相談したほうがよろしいのではないかと思います。

 例えば、両方の目が白内障で見えにくく困っていらっしゃるのであれば、手術後に角膜が濁る危険性もご理解した上で、角膜内皮細胞の良好な片方の目の手術を受ける選択もあると思いますし、片方だけで、現在日常生活に困っていないのであれば、見えている目を大切に様子をみるという選択もあるのではないかと思います。

 ご本人のご希望、ご家族の方のご希望をよく話し合った上で、もう一度主治医の先生とご相談していただければ、と思います。

 お役に立たないお返事で申し訳ございません。どうそ御参考になさってください。


グラフ旭川6月号 「アレルギー性結膜炎」

Q)おはようございます。インターネットで眼科を検索していて、ここに辿り着きました。

 早速ですが、お訊きしたいことがあります。先日、7歳の息子の右眼から透明のゼリーみたいなものが出てきて、とても痒がったため、地元の眼科を受診しました。

 この日は遠足だったので、何箇所もの公園に行ったのですが、その途中で、眼にゼリーの様なものが出てきたそうです。

 「アレルギー性の結膜炎」とのことで、フルメトロンという薬を処方していただきました。1日3回 両眼に点眼していますが、痒みがおさまらず、夜もあまり眠れない様です。

 一体、何のアレルギーなのか・・・というのは調べてもらうことは出来るのでしょうか?薬以外にも何か痒みを抑える方法はありませんか?

 是非アドバイスをお願いいたします。

 

A  おはようございます。御質問有難うございます。

 右眼にゼリーの様なもの、は、おそらく結膜浮腫だと思います。アレルギーの急性反応や、こすった時などに白目(結膜)の下に、水がたまったような感じになります。これは、一時的なもので、治まったことと思います。

 アレルギーの原因ですが、遠足というお話からは草、木、花粉など植物性の原因が疑われます。今年はゴールデンウイーク前から、シラカバの花粉の飛散も増加しているとのことです。原因の検査の一つとして、採血検査があります。確実に原因を指摘できないこともありますが、疑わしい植物に対しての、抗体価を調べるものです。アトピー、喘息がある場合は、動物性のものも原因として考えられます。

 痒みを抑える方法としては、第一は点眼薬だと思います。フルメトロンで効かない場合でも、抗ヒスタミン剤が効くこともあります。痒みが強く眠れない場合、タオルで冷やしてあげては、どうでしょうか。日中には、眼帯のように、片目を隠すのは、よくありませんので、冷やす時は両眼を一緒に冷やしてあげて下さい。

 アレルギーの原因が植物性のものであれば、外で遊んだ後、お家に入る前に、洋服についた花粉をほろってからお家に入ったほうが、良いと思います。どうぞ、参考になさって下さい。

 何か、ございましたらまた御連絡下さい。お大事になさって下さい。


グラフ旭川5月号 「緑内障術後の白内障手術」

Q)緑内障の父(83歳)のことでお聞きします。

 左目はもともと悪く、失明状態です。右目が緑内障で手術を5年くらい前にしています。

 最近、その右目が白内障と言われて来月に手術といわれています。残りの目が見えなくなったらと家族で心配していますし、本人も不安だと思います。危険はないものでしょうか。

 最近、見えずらいからか、めっきり元気がなくなり心配です。

 是非、緑内障の上に白内障の手術について教えてください。

 

A)ご連絡有難うございます。右眼の白内障手術とのことですね。

 白内障手術は眼科の手術のなかでも、確立されたもので、その危険性はかなり低いものとなっております。もちろん、手術ですので、感染症、出血などの危険性は、全くない訳ではありませんが、その危険性は低いものです。

 緑内障の手術もされているとのことですので、前回の緑内障の手術部位は手術後の癒着があることが考えられ、執刀される先生は、その部位を避けて手術するものと考えます。緑内障のどのような手術をされているのか、わかりませんが、まったく手術を受けたことのない目に比べますと、手術の難易度は上がってしまいますが、執刀する先生は、十分に検討された上で手術を予定されているでしょうから、心配ないのではないでしょうか。

 緑内障による視野狭窄がどの程度進行しているかわかりませんが、中心部の視野が保たれているのでしたら、術後の視力向上は期待できるものと思います。

 診察していませんので、具体的なことは申せませんので、主治医の先生とよくお話をされて、納得してから手術をうけることが必要ではないかと思います。ご本人とご家族の方と、主治医の先生に面談する時間を作ってもらって質問されるべきだと思います。

 どうぞ、参考になさってください。お父様の手術がうまくいくことをお祈りいたします。


グラフ旭川4月号 「子どもの内斜視」

Q)はじめまして。

 一歳になった子どもの右目の黒目が最近よく内側に寄るんです。

 実は三歳の長女も一歳半のときに左の黒目が寄るようになってきて、近くの眼科に行ってみたんですが、小さくて検査できないし、受診のときは寄ってないから、また三ヵ月後に来るようにいわれ、それを繰り返し、結局三歳になっても黒目が寄る原因がわかりませんでした。途中、旭川市に祖母が昔白内障の手術をした眼科があって、そこに黒目が寄る話をして診察してもらえるか電話してみたのですが、当時二歳ぐらいだったため、そこでも検査できないですと言われました。でもそうしているうちにだんだん右目も寄るようになってきて、三歳になり話もできるようになったのでとりあえず旭川の眼科を受診したところ、遠視による調節性内斜視と診断されました。しかもひどい遠視らしく、裸眼での視力回復は期待しないでください。ということでした。そしてすぐにメガネをつくりました。まだメガネをかけ始めて二ヶ月なんですが。ただ、もう少し早く原因がわかり治療していれば、もしかしたら視力があったのかな、っとどうしても後悔ばかりしてしまいます。でもとりあえず原因がわかってほっとしていたのもつかの間、今度は下の子が・・・

 この子も遠視!?と思いましたが、今上の子が行っている眼科では見てもらえないみたいで。でも三歳までっていったらまだ二年もあるし、このままどんどん悪くなってしまうのではないかと、心配で。一歳ぐらいの子でもみてくれるところがあるかもしれないとインターネットで調べていたら、こんの優眼科さんを見つけメールしてみました。そちらでは、一歳の子どもでもみていただけるのでしょうか。長々と書いてしまい申し訳ありません。よろしくおねがいします。

 

A)ご連絡有難うございます。

 確かに小さいお子さんの斜視検査は難しい点があります。こちらの示した指標を見てもらうことができないと、なかなか、確かなことは言えない場合があります。

 生まれつき内側によっている場合は乳児内斜視、1歳くらいから内側によってくる場合は遠視の関与する調節性内斜視が考えられます。検査ができるまで、何度か通院していただいて、病院の雰囲気に慣れながら、経過観察することは重要なことだと思います。

 お姉ちゃんの、裸眼での視力回復が難しいということですが、遠視が強いとのことですから、遠視の眼鏡をかけての視力が出てくれば治療は成功だと考えて下さい。調節性内斜視の眼鏡治療が3歳からとのことですが、これは決して遅くないと思いますので、眼鏡をかけての視力は段々と伸びて来ると思います。

 さて、妹さんの検査についてですが、小さいお子さんの視力を他覚的に測定する装置は旭川の病院にはないと思います。遠視かどうか、測る器械で手持ちの器械があり、この場合、小さいお子さんでも測れることがあります(もちろん、全員測れるわけではありません)。残念ながら、当クリニックには、その器械はありませんが、検影法という方法で遠視がどれくらいかを測定することはできるかと思います。まずは一度診察を受けていただきたいと思います。ご都合の良い時間に予約を入れますので、ご連絡をお待ちしております。どうぞお大事になさって下さい。

 

追記:2016年手持ちで屈折力を測定できる器械を導入しました。


グラフ旭川3月号 「白目の腫れ」

Q)ホームページを見て、初めてメールさせていただきます。

 先日、眼に異物感を感じて鏡で見てみると、目尻の方の白い所が下瞼の上に乗るような感じになってました。びっくりして何回か瞬きをしているうちに治りましたが、気になっています。

 皮膚の上からですが、黒目のほうに押し上げるように触ってみると、反対の眼より白目の表面が柔らかく動いているように思います。朝はまったく気にならないのですが、夜になると気になります。

 特にかゆみや痛みなども無く、視野が狭くなるようなことや黒い点なども見えることはありません。白目の色も反対の眼と変わりはありません。

 視力がとても悪く、ソフトコンタクトレンズを使用しています。気になってからは、家に居る間はコンタクトを控えています。今は何もわからないので、目薬なども使用していません。

 インターネットで色々調べましたが、よくわからないのでお聞きしたいと思いメールさせていただきました。お忙しいかと思いますが、よろしくお願いします。 東京都大田区

 

A)ご連絡有難うございます。

 お話からだけでは、なかなか判断がつきません。

 おそらくは、白目の上の透明な膜(結膜)が腫れているか、ゆるんでいるかのどちらかではないかと思われます。

 白目(強膜)の上には、透明な結膜と呼ばれる膜があります。白目が赤くなったり、炎症が起きたり、目やにが出たりという結膜炎になる場所です。かゆみや痛みもないということですので、炎症は起きていないように思います。

 結膜の腫れは、アレルギー性結膜炎の時に見られることが多いのですが、水っぽい感じで結膜が盛り上がるもので、結膜浮腫といいますが、充血やかゆみを伴うことが多いと思います。

 もう一つの可能性の、結膜のゆるみは、加齢とともに起きることがあり、結膜弛緩と呼んでおりますが、これは意外と頻度は多くみられますが、それに伴って症状がない場合は、あえて指摘することはないもので、心配のないものです。

 心配のないものと思いますが、診察せずに無責任なことは申せませんので、どうぞお近くの眼科を受診してください。実際に診察してみると、すぐに診断がつくものと思いますし、診察は全く痛みはありませんので、受診をお勧めいたします。

 お役に立てずに申し訳ございません。どうぞお大事になさって下さい。


グラフ旭川2月号 「コンタクトレンズ再開」

Q)HPを拝見してまいりました。

さっそくですが、お忙しい所、恐れ入ります。コンタクトレンズの件です。55歳、普段は近視用めがね使用。テレビもです。パソコンなどは、遠近両用です。

 コンタクトレンズは 若いとき使用しました。1番高いとき?だったと思います。長時間は使うつもりはないのですが、まためがねは曇るので使いたいと思います。知人は、2週間用。子供は毎日用を使ってるようです。

 どちらが、どうなのか、適当なのか、費用と、通院回数など、知りたいのですが。その他、知っておくと良いと、思われることなど。

 昼間は、お店をやっているので、自由時間がないです。今は暇なので、夜6時過ぎなら、伺えると思います。

 

A)ご連絡有難うございます。

 長時間使うつもりはないとのことですので、ソフトレンズでよろしいかと思います。

 ソフトレンズは、黒目(角膜と言います)全体を覆ってしまいますので、どうしても角膜に必要な酸素が不足してしまう欠点があります。特に近視の度数が強い方(強度近視といいます)の場合、角膜に十分な酸素が届かない心配がありますので、検査を受けていただいて、ソフトレンズが使える状態かどうかの判断をさせてください。また、以前にコンタクトレンズを使用していたとの事ですが、その時の使用方法が目に負担になっている可能性もありますので、角膜内皮細胞の検査も受けていただこうと思います。角膜に酸素が十分に届いていなかった場合、角膜の透明性を維持するために働いている角膜内皮細胞が減少してしまっている場合があります。その場合は、ソフトレンズ装用は、更なる内皮細胞の減少を引き起こしますので、使用できないことになってしまいます。

 ソフトレンズ使用が可能な場合、1日、2週間、1ヵ月で新しいレンズに交換するタイプがお勧めです。以前は主流であった、使い捨てではないタイプのソフトレンズは、レンズに汚れが蓄積しやすく、角膜にとって良いことはありませんので、お勧めしておりません。

 毎日使うのであれば、1日使い捨ては最も費用がかかります。また、乱視が強い場合は乱視用のレンズとなります。

 コンタクトレンズを遠くを見ることに合わせてしまいますと、近くは見えにくいので、どのような用途に使うのかなど、実際に検査をしてからご相談したほうが、よろしいかと思います。ソフトレンズは3ヵ月毎の検査をお勧めしております。

 ご都合の良い日がわかりましたら、予約を入れさせていただきますので、ご連絡ください。


グラフ旭川1月号 「傍中心暗点」

Q19552月生まれで、52歳です。

 以前から、左の目の視野の一部に見えにくいところがあるのは気付いていましたが、最近、どうも読書に集中しづらくなっています。広がっているのかも知れません。比較的判りやすいのは、左目の注視点のわずかに上側。本を読んでいて視点をずらすと判ります。

 近視(強度)・老眼・乱視ですので、見えにくいのはしょうがないと思っていますが、視野が欠けるのが気になります。

 経年変化でしょうか、病気でしょうか。病気だとすればどのようなものが考えられるでしょうか。

 白内障や緑内障の説明を読んでも、当てはまるような当てはまらないような。

 一度診てもらいたいとも思いますが、検査や通院は車(自分で運転)でも可能でしょうか。

 

A)ご連絡有難うございます。詳しく教えて下さいまして有難うございます。

 内容からは、左眼の注視点のわずかに上側の見えにくい部分があるとのことですので、傍中心暗点かと考えます。原因としましては、物を見る中央部分である網膜の黄斑部の近くに病気が起きている可能性が考えられます。

 私たちの目は、瞳から入った光が目の奥で像を結び、その像が神経を通って脳に伝えられることによって物が見える仕組みになっています。目の奥の一番内側にある神経の膜の網膜は、目をカメラに例えますとフィルムの役割を果たしています。網膜はその場所によって感度が異なり、網膜の中心部分は感度が高く、もっとも重要な部分で黄斑部と呼ばれています。黄斑部は視力に関わりが深く、物が見えたり色を識別する細胞が集まっています。

 黄斑の近くに病気が生じますと、見ようとする中心部分の近くが見えづらくなったり、暗くなったりという症状が起きます。強度近視があるとのことですので、強い近視に伴って網膜変化が生じている可能性もあります。

 視力検査の後、網膜の状態を詳しく調べるために精密眼底検査を行います。瞳孔を拡げる目薬を入れての検査をお勧めします。そのためまぶしくなり、近くが見えにくい状態が4.5時間くらい続きますので、車の運転をせずに来院していただいた方がよろしいと思います。

 御都合のよろしい時間がありましたら、予約を入れさせていただきますので、返信してください。宜しくお願い申し上げます。