目ディカル相談室2007

20071126日 グラフ旭川12月号 

「近視の進行」

 

20071025日 グラフ旭川11月号 

「緑内障の眼圧日内変動」

 

20070926日 グラフ旭川10月号 

「目の筋力低下」

 

20070825日 グラフ旭川9月号 

「目の健康講座」

 

20070725日 グラフ旭川8月号 

「ものもらい」

 

20070625日 グラフ旭川7月号 

「甲状腺眼症」

 

20070525日 グラフ旭川6月号 

「小学生のコンタクトレンズ」

 

20070425日 グラフ旭川5月号 

「高校生の弱視」

 

20070325日 グラフ旭川4月号 

「ぶどう膜炎」

 

20070225日 グラフ旭川3月号 

「遠視のコンタクトレンズ」

 

20070125日 グラフ旭川2月号 

「網膜静脈分枝閉塞症」

 

20061225日 グラフ旭川1月号  

「日帰り白内障手術」

グラフ旭川12月号 「近視の進行」

Q)こんにちは、20代両目近視0.03ぐらいです。

 弱いあかりを見ていると、その光が急に強く見えたり弱くなったりして見えるんです。電球自体は一定の光を保っているのに、一定に見えないことがよくあるんです。それと、暗闇で目を開けていると突然明るくなってすぐまた暗くなったりということが結構あります。これについては、どこかで読みましたが異常であると書いてあったと思うんです。なので以前、別の眼科さんにお聞きしたのですが、特に問題ないといわれて一体どっちなのかわからなくなり不安が残ってしまいました。異常なんでしょうか?検査が必要であれば行きたいと思っています。

 それと、私は近視なのですが、子供のころ眼科医師に「視力落ちるのは二十歳ぐらいでストップしますよ」と言われたのに、今24歳になりますが、まだ視力が落ちています。これ以上悪くしないために、どうしたらいいのかアドバイスいただけたら嬉しいです。

 よろしくお願いいたします。

 

A)ご連絡有難うございます。

 弱いあかりの強度が変化するのはピントの合い方の差かなと思います。暗闇で明るくなるというのが、全体ではなく部分的なものでしたら、光視症という網膜に病気がある時に起きることのある症状ですので、眼底検査を受けていただきたいと思います。目の中は硝子体という生卵の白身のようなゲル状のもので満たされています。その硝子体と網膜の癒着が強い場合に、網膜を引っ張る力が働いた時に、暗い所で光が走るという光視症が生じます。まれに、網膜を引っ張る力が強い場合に、網膜に裂け目(網膜裂孔)ができてしまい、網膜剥離の原因となってしまいます。網膜裂孔の場合は、レーザー光線で網膜裂孔の周囲を焼き固めることによって、網膜剥離になることを予防することができます。眼底検査は散瞳剤を点眼し、45時間まぶしくなりますので、車の運転をせずに、来院下されば幸いです。

 また近視の進行は以前は20歳くらいまでと考えられていましたが、現在では20歳以降でも進行する方はいると考えられるようになっています。永遠に進行するものではありませんので心配ないものと思いますが、現在の近視の度数がわかりませんので、一度検査を受けて下さい。

 検査結果がありませんと、はっきりしたことが申せません。申し訳ございません。どうぞ参考になさってください。


グラフ旭川11月号 「緑内障の眼圧日内変動」

Q)初めてお便りします。先生のサイトでこの相談コーナーを見つけました。不躾ながら早速ご相談申し上げます。

 私現在50歳男性ですが、76歳になる母親が十年近くまえから正常眼圧緑内障を患っております。今は、もう眼圧も高く、手術も何回もしましたが、視野がかなり欠けているようです。私にも遺伝的なリスクがあると思い、毎年1回眼底を見てもらっておりましたが、昨年夏の検診まではきれいな眼底ですと言われておりました。ところが、つい先日、健康診断で眼底を見てもらいましたとろ、視神経乳頭が多少拡大しているが、これは年齢相応かな、というようなお話をされました。 ぎょっとして、これは専門医に見てもらったほうがいいと思い、ネットで緑内障のことを調べたり、知人に聞いて眼科医院を探しておりました。そこで今野先生の評判を聞いて、ネットで先生のサイトを探してお便りしている次第です。前置きが長くなりましたが、受診前にお伺いしたいのですが、ネットの文献で、眼圧の日内変動は大きいので、ホームトノメーターとかいうポータブル眼圧測定器を使って家で計るか、1日入院施設で計測してもらい、その変動に合わせた治療計画を立てるのがいい。というようなお話が書いてあったのですが、先生は、この点に関して、どのようにお考えでしょうか? 症状が出る前に、眼を大切にケアしていきたいとい考えております。よろしくお願い致します。

 

A)ご質問有難うございます。お母様が緑内障とのこと、ご心配だと思います。

 既にご存知のこととは思いますが、家族歴は緑内障のリスクファクターと考えられております。眼底検査を定期的に受けられていたとのことですが、現在の視神経乳頭の形状につきましては、一度診察を受けていただきたいと考えます。

 といいますのも、検診では少し拡大していると考えられる場合には、緑内障の疑いとして眼科受診を勧めることが多いからです。40才以上の17人に1人の割合で緑内障の方がおり、緑内障は自覚症状がほとんど出ませんので、検診では多目に疑いをかけている病院が多いと思います。ですので、検診で指摘された方の中には緑内障ではない方も沢山いらっしゃいますので、まずは診察をお受けください。緑内障の診断は、視神経乳頭所見、視野検査から判断します。

 さて、眼圧の日内変動の検査に関してですが、まず緑内障である場合、そして点眼薬での治療を行っても視野が悪化する場合に必要になると考えます。緑内障の視野悪化には、正常眼圧緑内障でも開放隅角緑内障でも眼圧が関与していると考えられています。緑内障と診断されても、点眼薬にて眼圧を下げることができれば視野進行はないと考えられます。緑内障が進行する場合には、更なる眼圧下降が必要となり、手術に踏みきらざるを得ません。その際の判断の基準として日内変動を調べる必要が出てくることがあります。

 また、以前は正常眼圧緑内障と開放隅角緑内障の鑑別に日内変動を計測し、21ミリ水銀柱を越えているか否かで鑑別していましたが、現在ではその鑑別には、あまり意味がなく、両者ともに眼圧を下げることが視野悪化防止に有用であることがわかっており、鑑別としての日内変動計測はあまり行われていないと思います。

 現実問題としましては、大阪厚生年金の桑山先生のグループがホームトノメーターの開発に携わってはいますが、まだ市販されるに至っておりません。学術的には重要なこととは思いますが、自分が緑内障になった場合、日内変動の計測は行わず、眼圧下降の点眼を開始すると考えます。

 返事が長くなり恐縮ですが、お時間のある時に検査をお受けください。


グラフ旭川10月号 「目の筋力低下」

Q)はじめまして。静岡に住んでいる者です。

 私はもともと視力が悪く目の筋力が弱いです。そして少し前に受診したところ飛蚊症だと診断され、さらに目の筋力もかなり落ちてきていると言われました。

 現在、目のリハビリに1回/W通っています。が、今では裸眼だと隣りにいる人の顔もぼやけてしまって全然見えないです。これは目の筋力が落ちているからだと言われましたが、これを良くする方法or現状維持する方法があれば教えていただきたく思いメールさせていただきました。

 今までのようにリハビリに通うしかないのでしょうか。

 お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、どうか返信のほどよろしくお願い致します。

 

A)ご質問有難うございます。

 裸眼視力が悪いとのことですが、矯正視力は良好でしょうか。矯正視力とは眼科で検査する際にレンズを替えて測る眼鏡をかけた時の視力です。矯正視力が良好であれば、心配な病気ではないことになります。

 目の筋力というのが、どういうことか判断ができません。毛様体筋のことでしたら、近くを見るのが疲れるということになると思います。外眼筋のことであれば、目の向きの問題があるかと思います。申し訳ございませんが、文面からだけでは正しいお答えは難しいかと思います。

 今かかっている先生に、現在の病状、今後の治療の目標、予定される治療の期間について、お尋ねしては如何でしょうか。納得できないときは、別の眼科でご相談してみたらよいのではないかと思います。

 ご相談いただきながら、お役にたてるお答えでなく申し訳ございません。また、何かございましたらご連絡ください。お大事になさってください。


グラフ旭川9月号 「目の健康講座」

 今回の目ディカル相談室 目に優しいお話は、いつもの相談をお休みさせていただきまして今月開かれる「目の健康講座」の告知です。

 日本眼科医会、北海道眼科医会の主催で、「目の健康講座」が開かれます。

 今月16日の日曜日、午後030分から、4条通り9丁目の旭川北洋ビル8階「北洋ホール」で開講されます。もちろん受講料は無料です。目についての大切な話を、お二人の先生がしてくださいます。

 ひとつ目の講演は、「加齢黄斑変性-最近増えている高齢者の目の病気-」のタイトルで市立札幌病院の今泉寛子先生が担当されます。もうひとつの講演は旭川医科大学の石子智士先生が「眼科検診はなぜ大切か」についてお話してくださいます。

 目の奥には網膜と呼ばれる神経の膜があり、カメラに例えますと、フィルムにあたります。カメラのフィルムと違って網膜は場所によって感度が違っているのですが、黄斑は網膜の一番まん中にあり、一番感度の高い場所なのです。

 黄斑に病気が生じますと、見ようとする中心部分が見えづらくなり、歪んで見えたり、小さく見えたり、まん中が暗くなったりという症状が起きます。

 黄斑に起きる病気で、最近増えてきているのが「加齢黄斑変性」です。加齢黄斑変性はアメリカでは、成人の失明原因の第1位です(欧米かっ)。わが国の失明原因の第1位は糖尿病網膜症ですが、食生活の欧米化、高齢者人口の増加のためか、加齢黄斑変性の患者数が増加してきています。新しい治療法も出てきていますが、病気が進行してからでは、なかなか視力を取り戻せない病気です。早期発見、早期治療が重要な病気ですので、時々片目を隠して、問題がないか、自己チェックをお勧めします。

 「目の健康講座」は毎年道内のいろんな街で開催されています。旭川で開かれるのは数年ぶりとのことです。最近増えている黄斑変性のお話と目の検診の重要性のお話です。目についてのまとまったお話を聞ける機会はあまりありません。きっと目に優しいお話が聞けると思いますので、連休中のお忙しい時期とは思いますが、ご興味のある方は是非お出かけください。


グラフ旭川8月号 「ものもらい」

Q)はじめまして。ホームページ拝見させていただきました。

 1ヵ月前から左目下まぶたの粘膜にものもらいができてしまい、他院で目薬、飲み薬を試しても治りませんでした。一時は良くなったと思ったのですが、赤みと腫れが引かずここ数日は痒みも増してきています・・。思い切って切開をすれば治るかとは思うのですが、以前切開をした時の麻酔のあまりの痛さを思い出してしまい気持ちが固まりません・・・。

 そちらではこの場合どの様な治療を行っているのでしょうか?やはりものもらいは痛い思いをして切開しなくてはなりませんか?

 お手数ですがお返事お待ちしております。宜しくお願い致します。

 

A)ご連絡有難うございます。

 ものもらいが1ヵ月残っているとのことですので、霰粒種かと思います。霰粒種は上下の瞼にあるマイボーム腺の出口が詰まってしまい、中に分泌物がたまっている状態です。赤みと腫れと痒みがあるとのことですので、炎症も伴っているようです。

 すぐに切開よりは、もう一度炎症止めの点眼を試してみては如何でしょうか。炎症が治まった後にしこりが気になる場合は切開になりますが、しこりが気にならなければ切開しなくても良いと考えます。長い目で見ますと、自然に吸収してきて小さくなっていくことが多いものです。

 いきなり切開はしませんので、一度受診してみてください。どうぞお大事になさってください。


グラフ旭川7月号 「甲状腺眼症」

Q)私は、バセドウ病の眼球突出により左目が外斜視、複視になりました。バセドウ病自体は、メルカゾールの服用のみで病状もホルモンの量も暫く安定しているのですが、そちらの治療を優先的にと考えていた為、これまで、余り眼科には通院しませんでした。しかし今は、複視と斜視(美容上)で悩んでいます。バセドウ病自体の方は落ち着き、私自身の気持ちや生活にもゆとりが出来た為、(遅いのでしょうが)目の治療も考えなければと本気で思うようになりました。眼球突出は、今春に受けたMRI検査の結果、以前よりもわずかに引っ込んでいるとの事でしたが、やはりどうしても今は、左目の斜視が外見上(美容上)気になります。そして、複視が仕事においても時々障害になっています。

 貴院では複視の治療は行っているのでしょうか?私はどうしても、外見上(美容上)の問題から斜視も治したいと思っています。私は2月前に青森から北海道に移住したのですが、北海道に来てからは未だ眼科を受診していません。バセドウ病で現在通院している病院の眼科で受診しようかと思っていましたが、知人から貴院の事を聞き知りました。

 私は、眼球突出に気付いてからバセドウ病ではないかと受診したのですが、はっきりと眼球突出に気付いたのはもう7年位も前で、しかし、バセドウ病の治療の為に初めて受診したのはそれから2年位後なので、内科にしても眼科にしても、もっと早く治療を始めていればと、とても後悔しました。眼球突出の治療も随分前から勧められ、昨年は放射線照射の治療や眼球裏の脂肪そのものを除去する手術などの話も、当時の内分泌内科の担当医から聞いたのですが、当時は中々気持ちが向きませんでした。今では、前向きに複視・斜視の治療をしたいと思っています。仕事にも時々支障がある為、先に複視を治したいと思っています。もし万が一、一生この斜視と複視で生きて行かなければならないのだとしても、ともかく眼科を受診しない事には何もならないですね。

貴院で複視の治療を受けれるのであれば、是非受診したいと思っています。宜しくお願いします。

 

A)ご連絡いただきまして、有難うございます。詳しくご説明いただきまして、有難うございました。甲状腺眼症にてお悩みのことと思います。

 甲状腺眼症の治療方法といたしましては、内分泌内科の先生からご説明されたように、一般的にはステロイド剤の点滴治療、球後注射、放射線療法、外科的治療があると思いますが、当院ではできないものです。一般的にはと申しましたのは、甲状腺機能の状態、現在の眼所見から総合的に判断されるものと考えられるからです。お手紙からは、甲状腺機能は落ち着いているとのことですので、現在の眼所見から治療方法を選択することになると思います。その際には、今までの治療実績から判断されることと思います。可能であれば、内分泌内科、眼科、放射線科のそろっている総合病院での治療が望ましいと考えます。

 北海道では、札幌医大の眼科が甲状腺眼症に数多く取り組んでいます。また斜視手術の症例数も多いと思いますので、私は札幌医大での治療をお勧め致します。

 ご希望に応えられなく申し訳ございません。自分の家族が同じ状態でしたら、どのようにするかを考えて、お答えさせていただきました。また、何かありましたらご連絡ください。お大事になさってください。


グラフ旭川6月号 「小学生のコンタクトレンズ」

Q)長男は4年生から眼鏡をかけています。

 現在、6年生ですが両眼とも0.1以下の視力だと思います。学校から視力検査を受けた際に頂いた用紙を紛失したので、定かではありませんが 度が進んでいる事は確かです。

 3年生からサッカーをしておりまして、試合の際には眼鏡を外して出場しています。(眼鏡は大会によってですがかけてはいけないようです)

 眼鏡の度が合っていないようなので購入を検討していますが、試合の時でも出来るようコンタクトレンズの使用も検討しています。

 小学生のうちからコンタクトレンズの使用は出来ますでしょうか?するとしたら費用はいくらくらいかかりますか?

 ご返答をお待ちしております。

 

A)御質問有難うございます。近視で眼鏡をかけているということでお返事させていただきます。

 6年生でしたら、コンタクトレンズの使用は充分可能だと思います。眼鏡と併用していただきたいと思います。コンタクトレンズは角膜に直接のりますので、角膜に必要な酸素が不足しやすくなる欠点があります。必要な時はコンタクトレンズをして、御家庭では眼鏡をしていただきたいと思います。

 サッカーに使うのでしたら、ソフトレンズが適しています。成長期ですので、まだこれからも近視の度数は進むと思います。度数の変更も考え、定期交換のソフトレンズをお勧めします。メニコンのマンスウエアというレンズの場合は入会金3150円、月々1890円の会費制です。

   サッカーの時にだけということでしたら1日の使い捨てソフトレンズがあります。こちらは、1箱片目30回分ですので、両眼2箱で5250円になります。どうぞ御参考になさって下さい。


グラフ旭川5月号 「高校生の弱視」

Q)高校3年生になる息子についてですが、小学1年の入学時の視力検査で視力の異常があるとのことで、すぐに眼科にて検査を受けたところ右0.1 左1.5の弱視とのことで、視力回復の為の訓練の指導をうけ、それと併せて眼鏡を作りました。その後定期的に眼科で検査を受け、訓練も続けましたが視力は回復することなく、6年前に今後訓練をしても回復見込みがないとの話でそれ以来、眼科には通院していませんでした。

 毎年学校で今時期に行われる視力検査にて左視力Aの判定を受けて安心していましたが、最近になり左眼がぼやけてよく見えないのと、疲れるとの訴えがあり、以前医師からは両眼弱視と言われ、すごく不安に感じています。弱視=眼鏡かけてもよく見えないという知識しかありません。以前息子の将来の車の免許取得に不安を感じ、警察に問い合わせた所、視野が規定まであれば大丈夫とのことで安心したのですが、今回の視力低下でそのことにも不安が生じています。ただ昨日私が近視のためにかけている眼鏡を試しにかけさせたところ、左が見えるとのことなのですが。受診の前に弱視について知りたく思いました。ネットで見る限り治療法はないとのことですが。眼鏡は最後の受診から中学生になり見た目もあり、あまりかけなくなり現在もかけていません。眼科に数度受診しましたが弱視ということだけで親はショックなのにそのたびに医師からの心無い話し方に悲しい思いをしました。今回は息子も結果によってはショックなことも想像され、ネットにて色々眼科を探し、貴クリニックにて息子を診ていたたければと思いました。診察しなければわからないとはわかっていますが、その前に弱視についてお話願えるでしょうか。お忙しい中、申し訳ありませんがよろしくお願いします。

 

A)ご連絡有難うございます。小学校入学時に右0.1 左1.5とのことですので、両眼の弱視ではなく、右眼の弱視だと思います。診察したわけではありませんので、確定的なことは申せませんが、左右の度数に差がある:不同視弱視か、右眼の乱視が強い:屈折性弱視かと考えます。

 今まで左眼の視力は良好であったとのことですし、お母さんの近視の眼鏡で見えやすくなるとのことからは、今回の左眼の視力低下は近視によるものが、最も考えられます。この変化は右眼の弱視とは、関係ないものと思われます。小学校高学年から、中学校、高校と進むに連れ、眼鏡をかけているお子さんが増えてくるように、近視の進行は身体の成長に伴うものと考えられます。

 自動車免許に関しましては、普通免許は全く問題なく取れると思います。大型免許は両眼で検査をする深視力も要求されますので、残念ながら難しいかと思いますが。

 弱視はその後、悪化する心配な病気ではありませんので、ご安心を。受診日が決まりましたらメール下さい。予約させていただきます。お大事になさって下さい。


グラフ旭川4月号 「ぶどう膜炎」

Q) はじめましてメールにて大変失礼致します。

 1ヵ月前に右目が痛くなり、家の近くの眼科にかかったところ、ぶどう膜炎との診断を受け、点眼薬のみを受けましたが、一向に症状が良くならないために、旭川市内の総合病院にて入院をしました。原因は不明の同じ病名であり、現在は見えるまでに回復をしておりますが、眼の奥の痛みと充血などは消えません。全く開けることのできなかった時から比べるといいのですが、車の運転などはできない状況であります。

 しばらくは完治までに時間がかかるのでしょうが、気持ち的にもかなり参っている毎日であります。現在は眼に支障のないように仕事をしながらですが、思うようにはいきません。内服薬(朝昼食後にプレドニゾロン錠4錠、毎食後にマーズレン顆粒、朝夕食後にガスターD錠)と点眼薬(リンデロン液を1日10回、ミドリン液を1日3回)で治療している状況です。

 大事な大切な眼の健康を取り戻すためにこのままでよろしいのかどうか、大変不安なために失礼とは存じますが、お問い合わせした次第です。

宜しくお願い致します。

 

A)ご連絡有難うございます。

 ぶどう膜炎とのこと、ご心痛お察しします。現在は、ステロイド内服によって症状が改善しているとのことですね。

 ご存知のこととは思いますが、ぶどう膜とは、虹彩、毛様体、脈絡膜の総称です。いわゆる茶目の炎症がブドウ膜炎ですが、調べても、はっきりした原因が分らない場合があります。いわゆる原因不明のぶどう膜炎ですが、やはり、ステロイド薬での治療が行われると思います。

 ステロイド薬は、強い抗炎症作用がありますので、点眼薬のみで効果のでない場合は内服や、場合によっては点滴を使用します。炎症の治まり具合を見ながら、徐々に量を減らして行くという投薬法を用いますので、指示通りに内服していただきたいと思います。(胃薬は胃への負担を軽くするためのものです。)

 眼の奥の痛み、充血、まぶしさなどはぶどう膜炎のときに、よく見られる症状で、お困りのことと思いますが、ぶどう膜に多く分布しています三叉神経(痛みも感じます)が刺激されているために起こると考えられています。炎症が治まってくれれば、かならず治っていきますので、気を落とさずに、治療を続けて下さい。

 メールでお伺いしましたところ、治療にも問題なく、徐々に良くなっていると思いますので、治療を続けて下さい。どうぞお大事になさって下さい。


グラフ旭川3月号 「遠視のコンタクトレンズ」

Q)こんにちは。

 私は遠視で子供の頃から、メガネをかけています。

 ずーっとメガネがキライです。何年もメガネをかけずに過ごしていた時期もあります。

2年ほど前に、コンタクトレンズを使おうと思い、地元の眼科を受診し、検査をして、その場ですぐに練習用みたいな、目に合った物を作ってもらって実際に目に入れてみたのですが、(ハードレンズでした)もう~涙ボロボロで、この先使い続けて「慣れる」とは思えなかったですし、先生にもあきらめてといわれました。

 その時、ソフトレンズだったら、違和感もなく、ハードが使えない人でも大丈夫だと聞いたのですが、残念ながら、私の目に合うソフトレンズは、ないとのことでした。

 遠視用のソフトコンタクトレンズって、やっぱりないのでしょうか?

 

A)ご連絡有難うございます。

ソフトレンズでも、遠視用のものはあります。申し訳ないのですが、受診した日にすぐには、お渡しするレンズの用意はありませんので、再度お出かけいただかないとなりません。また遠視性乱視で、乱視度数が強い場合ですと、ソフトレンズのトーリックレンズは作製度数に限りがありますので、ソフトレンズが使えない可能性もあります。実際に目にのせてみませんと、合うかどうかは、わかりませんので、一度受診していただけましたら幸いです。

 ハードレンズが辛かったとのことですが、ソフトレンズに比較しますと、角膜に対する安全性は明らかにハードレンズがまさっています。コンタクトレンズで角膜にトラブルを起こす患者さんもソフトレンズの方が大半です。ハードレンズが敬遠される最大の要因は、初装時の異物感ですが、装用後1週間で装用時の痛みが軽減し、平均3週間で装用に慣れると報告されています。もう20年以上も前の話ですが、私自身もソフトレンズからハードレンズに替えて(その時はかなり辛かったですが)現在にいたります。ハードレンズは初めてつけた直後には、とても辛い感じがするものです。しかし、ハードレンズには多くの優れた長所がありますので、当クリニックでは1ヵ月のお試し期間を用意しております。大切な目を守るためにも、もう一度考えてみては如何でしょうか。どうぞ参考になさって下さい。


グラフ旭川2月号 「網膜静脈分枝閉塞症」

Q)はじめまして。

 昨年10月末に、右目が見えずらい感じがして眼科を受診しましたところ、「網膜静脈閉塞症」と診断されました。内科での検査も勧められましたが血圧が高いことだけで、他に異常はありませんでした。幸いなことに中心をはずれているので、視力の低下はあまり無いとのことでした。

 現在、月に一度受診し、お薬を処方していただいておりますが、この、お薬はずっと、飲み続けなければならないのでしょうか?また、投薬以外の治療はないのでしょうか?

処方されているお薬は下記のとおりです。

 カリクレイン錠10単位 1

 シナール錠200    1

 タジン錠30      1錠   食後 3回 服用です。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

A)ご連絡有難うございます。中心をはずれて視力低下はあまりない、とのことですので、網膜静脈分枝閉塞症だと思われます。網膜の中心部の黄斑部というところに病気が来ていなければ、現在処方されているお薬で治療するのが最良と考えます。

 網膜静脈分枝閉塞症は目のフィルムの働きをしている網膜の静脈の枝の一つが閉塞して起こる病気です。動脈の壁が高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などにより硬くなる(動脈硬化)ことによって、網膜の血管の動脈と静脈が交叉する部分で、動脈が静脈を圧迫することによって閉塞すると考えられています。高血圧を指摘されたとのことですので、内科での高血圧の治療が重要と考えます。

 現在処方されているお薬は網膜出血が吸収されたら止めることができると思います。主治医の先生の指示に従って下さい。

 出血がなかなか吸収されない時、黄斑部に腫れが出てきた時、新生血管が認められた時にはレーザー光治療をすることがあります。病状によって判断するものですので、主治医の先生とご相談してください。

 視力低下がないのでしたら、順調に治っていくと思いますが、診察していませんので、無責任なことは申せませんね。何かありましたら、またご連絡ください。どうぞ、お大事になさってください。


グラフ旭川1月号 「日帰り白内障手術」

Q)私は地元の眼科に通っています37歳。

 三年前からステロイドを服用して定期的に眼圧をはかったりしてきました。白内障は少しありますね、と言われていましたが、最近特に近いものが見えづらく、本を見たり何かと不便に感じます。

 今の眼科は白内障の手術は入院のため、インターネットでどこか日帰りで出来る病院を探したりしてましたら、こんの優眼科さんを見て、もし手術をするなら安心して出来そうと思い、旭川市内に住んでいないのですが、日帰り手術は可能なのかなと思い、相談させていただきました。車で1時間ほどの所に住んでいます。

 

A)ご連絡有難うございます。旭川市外の方でも、車で1時間であれば日帰り手術は可能と考えます。私の前任地の士別からも、日帰り白内障手術希望の患者さんがいらしゃっています。もちろん手術後は、ご自分では運転できませんので、どなたかに乗せて来てもらわなければなりませんが。

 日帰りで手術を行い、翌朝まで眼帯になります。翌朝、診察を受けていただいております。基本的には、手術日、翌日、2日目に診察をして、4日目に視力検査をしていますので、手術後の数日は通院が大変かと思いますが、手術後数日はばい菌が入る心配がありますので、診察を受けていただいております。特にステロイドを服用している方は、ばい菌に対する抵抗力が落ちている心配がありますので、手術後に目を触らないように、特に注意をしていただく必要があります。

 当クリニックには入院施設がございませんので、通院が大変とおっしゃる際には、お近くのホテルを紹介させていただいております。

   白内障の手術をすべきかどうかは、一度診察を受けて、ご相談させていただきたいと思います。ステロイド緑内障の心配がないかも、検査させていただきます。御都合のつく日がありましたら、メールで予約入れて下さい。お大事になさって下さい。